ちょっとは驚いたが

6月6日に、レッツノートの2023年夏モデルが発表されました。パナソニックストアプラスでは、この日までを期限にしたキャンペーンが開催されていましたから、この日の発表自体は想定どおりでした。ホントは、もうちょっと早く発表されるかな?とも思っていたのですが、それもまあ想定の範囲内です。

そして、全機種に第13世代のIntel Core i7/i5プロセッサーとWi-Fi 6Eが搭載されたのも、予定どおりと言って良いでしょう。そうした意味では驚きはありません。ただ、完全には読み切れていなかった、言い換えればちょっと驚いた点もいくつかありました。


春モデルから継続となったFVシリーズとSRシリーズは、それぞれCF-FV4とCF-SR4という、わかりやすい型番変更を受けました。パナソニックストアプラスで購入できるカスタマイズレッツノートでは、プレミアムエディションにPシリーズのCore i7が、通常モデルにUシリーズのCore i5が搭載されていて、それ自体は春モデルと同じです。

ただ、ちょっと意外だったのは、全機種でプレミアムエディションにCore i7-1370Pが採用されたこと。FMV LIFEBOOK WU2/H1などの高性能志向のモバイルノートで多く採用されているCore i7-1360Pよりも、P-coreが2個多い6個載っていて、合計14コア・20スレッドで動作します。パフォーマンスでライバルに勝つんだ!という意欲の表れでしょうか。さすがに、高価であることの言い訳ではないと思うのですが。

実は、最初にWebサイトを回ってみてちょっとビックリしたのは、FVとSRについては春モデルよりもパナソニックストアプラスでの直販価格が少し安くなっていたこと。しかし、コレについては簡単な種明かしがあります。春モデルでは大小2種類のバッテリーが標準で同梱されていたのですが、今回は大容量の通常バッテリー1個のみでの価格になっています。この件で1万円くらいは安くなっているはずですから、実際には価格はほぼ据え置きか微妙に値上げ…という感覚で、ごくごく普通のことです。

2つあっても大容量バッテリーしか使わない気がするので、購入価格の最低ラインを下げてくれたという意味ではウレシイところです。それでも庶民のワタシたちにとって高嶺の花であることは変わらないのですが。


シリーズ全体としては、2in1スタイルのCF-QR4が追加されたことが大きなトピックになります。しかし、私にとっては正直なところ大きな驚きはありませんでした。CF-SR3が登場したときに「QVに似てるなぁ」という印象を持っていたわけですが、SRの開発で得たノウハウを2in1に落とし込み直した…というより、CF-SR4に360度回転するタッチパネル液晶を装備できるようにすればほぼ完成です。

そもそも、2in1機がラインナップとして継続したという事実の方に驚いたのですが、これはおそらく企業向けのニーズとして「タブレット形態になること」が求められたのだろうな…と思っています。PCとは別にタブレットを持たせるよりは、運用コストが下げられるかも知れません。

CF-SR4とCF-QR4を見比べると、インターフェースの配置が全く同じですから、実際にそんな成り立ちで生まれた兄弟機だと思われます。それどころか、遠目に見たらおそらく区別が付かない、間違い探しレベルにそっくりな外観に見えます。

最近のWindowsは、タブレットとの相性も考えた作りになっていて、タッチパネル画面は結構使えると思っています。バッテリー動作時間もCF-SR4と同等のスタミナを得たCF-QR4は、タブレット形態で使うことを想定しなくても魅力的な存在ではあるのですが、何しろお値段が高すぎます。同列に並ぶCF-SR4よりも5万円程度高く設定されているようですね。まあ、それだけパーツが追加される必要があるからなのですが。重量もそこそこ増えますし。


ちょっとは驚かされた部分もありましたが、基本的にはいつもどおりの、安定の定期更新…というのが、今回のレッツノートに対する印象です。第13世代Intel Core i7/i5のプラットフォームに移行したものの、既にその次の世代の足音が聞こえてきていますから、また他社に一歩遅れるのも時間の問題です。

早ければこの秋には市場に出てくるであろうMeteor Lakeプラットフォームは、「第14世代」ではなく新しいブランドを冠して登場するかも知れないのだそうです。機能ごとに別々の工場で「焼いた」チップレットを1枚のベース上に集積して作られる手法で、高性能、低消費電力、低価格(歩留まりが高くできるはず)などを高いレベルで両立できるポテンシャルがあります。AI処理を専門に低電力で処理するモジュールも搭載されるそうで、Web会議や生成系AIなどでの活躍が期待できそうです。

PCは必要に感じたときが買い時で、その時に最上のモノを手に入れるのがベストな選択…のはずなのですが、次のステップアップが相当大きなものになりそうで、しかもそれは遅くとも年内には巷に出てきそうです。今慌てて購入することはないのでは?という考えが頭をよぎります。…まあ、今は買う資金が全然ないので、買わないための言い訳が欲しいだけなんですけどね。ワタシにとっては現状がかなりストレスフルな環境になってきていることは確かで、今すぐ買い換えても十二分に満足できるはずです。


レッツノートのことなんかより、先日Apple社がWWDCで発表したApple Vision Proの方が気になるなぁ…という方も多いのではないでしょうか。確かにものすごいモノを作り上げ、発表して、売ろうとしているのですが、あのゴツい「VRメガネ」がいつか市場を席巻するような製品になっていくとは、どうしても思えません。まあ、あのiPhoneだって登場した最初から将来を約束されていたわけでもなく、どう化けるかはこれからなのですが。

そもそも、日本円で約50万円相当の販売予定価格からして常軌を逸しています…と言いたいところですが、レッツノートにそれなりのスペックを載せて買おうとすると、ほぼ同じ価格帯になってしまうわけで、全然笑い事ではありません。ワタシなら、今はレッツノートの方がいいなぁ…もちろん買えないけれど(涙)。



コメント

“ちょっとは驚いたが” への3件のフィードバック

  1. バケネコのアバター
    バケネコ

    レッツノートXZ/QVまではアクティブペンがあったものの、QRでアクティブペン非対応に退化でがっかり。案外ペンで手書きって需要ないんでしょうかね。。?それとも設計上の制約か何かか。
    ペンシルで書き込めて大活躍のiPadもできることが限られストレスで、マックブック

  2. バケネコのアバター
    バケネコ

    iPadとMacBookProを一緒に持ち歩くのも重いので、いつかは高級2in1のレッツノートを新品で購入してみたいものですが、仕様変更が引っ掛かります。。。MacBookProの前は中古でしたがレッツノートだったので、また戻りたいというのもありますが。
    操作ミスでコメントが分かれ、読みづらくて申し訳ないです。

    1. webmasterのアバター
      webmaster

      バケネコ さま:
      コメントありがとうございます。
      画面解像度が粗くなったことやアクティブペン非対応などは、QRで後退してしまった部分ですね。SRと多くの部品を共通化して低価格化を(それでもとんでもなく高価ですが)図る中で、対応が難しかったのでしょうか。
      私自身、ペン入力の機器を使った経験がほとんどないので、実感としては正直なところよくわからないのですが、新しい次元の操作体験をもたらしてくれそうな気はします。大昔にCF-MX3を2週間だけ貸していただいたときにはタッチペンがありましたが、あれは単に指の代わりにペンで書いているようなモノでしたから、そこそこ便利ではあったものの、面白いとまでは行きませんでしたね。一方で、iPadのペンシルはあのお値段にどうも二の足を踏んでしまい、結局購入せずに現在に至ります。

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