7月25日に、ソニーから完全ワイヤレスイヤホン・WF-1000XM5が発表されました。発売は9月1日とまだもう少し先ですが、巷の期待は高まっているようです。
現行モデルのWF-1000XM4は、私も日々愛用していますが、登場から2年以上経った今でも、様々な性能・機能を高いレベルで実現している人気商品です。そのWF-1000XM4からより小型化され、音質が磨かれ、多彩な機能が追加されているわけですから、期待できないわけがない!というわけですが、さすがに買い換えようとまではちょっと思えないですね。お値段も相当高くなることが想定されていますし、新しい機能を生かすためには他にもハードウェアの整備が必要そうですし…。
というのはともかく、WF-1000XM5での改善点や新機能の中には、従来機種にも反映できそうなモノがいくつかあります。個人的には、イヤーピースにメッシュが追加されることで掃除しやすくなりそうなので期待していますが、それ以外にも専用アプリ「Sony | Headphones Connect」の機能追加で実現される新機能があるようです。
その中で気になっているのが、「ファインド・ユア・イコライザー」と呼ばれている機能。周波数帯別に音量を調節し、音を自分の好みに合わせて調整できるイコライザーですが、マジメに調整しようとすると結構面倒です。これを実際に曲を聴きながら対話式で選択していくことで、簡単に設定できるようにしてしまおう!という仕組みになっています。
先日「Sony | Headphones Connect」がアップデートされたときに、「ファインド・ユア・イコライザー」はβ版として搭載され、WF-1000XM4でも使えるようになりました。WF-1000XM4には5バンドのイコライザーが内蔵されていて、あらかじめ組み込まれた設定もいくつかありますが、私は普段から自分で設定したCustom状態で使っています。どんな感じで設定してもらえるのか、ちょっと試してみました。
まず最初に、聴き比べるためのサンプル曲を自分で選んで演奏を開始します。「ファインド・ユア・イコライザー」を起動すると、あとは画面の説明に従って、「いちばんしっくりきている」と思うものを3回選択すれば、自動で設定を作ってくれます。Custom設定のひとつとして保存すると、この機能の操作は終了です。かなりお手軽ですね。
いくつか曲を聴きながら、いろいろな設定をしてみましたが、基本的にはCLEAR BASS機能で低音域を強調(または抑制)する度合いと、6.3 kHz以降の高音域をどのくらい強調(あるいは抑制)するかの度合いを動かしているようです。よくボーカルを目立たせるときに行う「1kHz付近を持ち上げる」という操作は、低音域・高音域を共に下げることで代用できますから、基本的にはこの方針で基本的なパターンは表現できそうです。
ただ、せっかくマルチバンドのイコライザーが付いているのだから、もう少し細かい動きをしてくれると嬉しいですね。これではBASS・TREBLEの2バンド音質調整と大差ありません。自動で調整してくれるというのだからこそ、もうちょっと凝ったことをしてほしいなぁ…というのは、贅沢なんでしょうか。もしかすると、β版から正式版になるところで進化するのかもしれないのですが。
最初に設定のための曲を選ぶことからもわかるように、ソースによって最適に感じるイコライザーの設定は変わってくるはずです。さすがに1曲聴くごとに最適なイコライザーを探して聞き直すのではストレスが溜まるので、使い方としては普段よく聞くジャンルの曲に寄せておくのでしょうね。私のように幅広いジャンルをつまみ食いするタイプだと、どのあたりを標準に設定するのかが難しいのですが。
将来の可能性としては、ユーザーの設定を学習しながら、ジャンルや現在のスペクトラム(どんな周波数の音が鳴っているのか、ですね)などの情報に合わせて、常に心地よい設定に切り替える…なんて進化をしていくのでしょうか。そんな未来もちょっと覗いてみたい気がします。ただ、あまりやり過ぎると、全てお任せで受け身になりすぎてしまうのが面白くないなぁ…少なくとも自分はそう思いますね。
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