9月19日から20日(現地時間)に、米Intel社が「Intel Innovation 2023」というイベントを開催しました。かつては「Intel Developer Forum」(略してIDF)という開発者向けのイベントがありましたが、コレをリニューアルした、同社の最新技術を紹介するイベントになっています。
この席で、これまで「Meteor Lake」というコードネームで呼ばれてきた同社の次世代プロセッサーについて詳細が発表される…というアナウンスがあり、私も以前から注目していました。実際に、今回はMeteor Lakeの紹介が目玉のひとつとなっていました。
Meteor Lakeでは様々な新しい仕組みが導入されていますが、基本的には、「より省電力で、より高いパフォーマンスを発揮する」ということに徹底的に注力された設計になっていると感じます。特に、消費電力をどうやって抑え込むか?の考え方が、さらに次元の高いレベルで突き詰められている印象を持っています。
先日のWindows 11のアップデートで追加されたAIアシスタント「Copilot in Windows」のプレビュー版に、「Meteor Lakeの省電力性能向上のための工夫について教えてください」と聞いてみました。答えはこんな感じ:
Meteor Lakeは、インテルの次世代クライアントPC向けプロセッサで、省電力性能を向上させるためにいくつかの工夫がされています。主な工夫は以下のとおりです。
- 3Dチップレット技術(Intel Foveros)を採用し、異なるプロセスノードや世代のチップを組み合わせることで、性能と消費電力の最適化を図っています。12
- ハイブリッドアーキテクチャを継続し、高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)の両方を搭載しています。PコアはRedwood Cove、EコアはCrestmontに進化し、それぞれIPC(1クロックあたりの命令数)が高められています。23
- SoCタイルには、さらに低消費電力化されたEコア(LP-Eコア)が2コア搭載されています。これらのコアは、低負荷時にCPUタイルを休ませることで、電力を節約します。1234
- 内蔵GPUはXe-LPGに強化され、Xe-LPと比較して総合的にGPUの性能が2倍になりました。また、XeSSのようなモダンなグラフィックス技術を活用できるようになりました。25
以上がMeteor Lakeの省電力性能向上のための工夫の一部です。詳しくは公式発表をお待ちください。😊
1. win-tab.net 2. pc.watch.impress.co.jp 3. msn.com 4. gazlog.com 5. itmedia.co.jp
他にも触れてほしかったポイントはいくつかありましたが、ほぼ説明は終了しているかな、と感じます。実は今回のタイトルバックの画像も、Copilot in Windowsに描いてもらったもの。こういう情報を単に紹介するブログを作っているだけなら、もうワタシのような者には仕事は残されていないなぁ…と痛感します。
まあ、この辺の話はまた改めてすることになるでしょう。ともかく、次に進むことにします。
Copilotが説明してくれましたが、省電力という点で最大のポイントになりそうなのが、「SoCタイル」というセクションに載せられた2個の「LP-Eコア」です。第12世代以降のCoreプロセッサーで採用されたPコア+Eコアのハイブリッド構成CPUは、引き続き「Computeタイル」として載っていますが、システムへの負荷が低いときには、LP-Eコアだけでシステムを動作させて、Computeタイルをまるごと、完全に休ませてしまうことができます。
SoCタイルにはAI処理や動画再生支援のためのハードウェアも集約されていて、最近は主にGPUが担っているこれらの処理を肩代わりして、より省電力で捌くことができるようになっています。他のタイルの動作を極力止めて、SoCタイルだけで動ける場面を増やすことで、全体としての平均消費電力を下げてしまおうとしているわけです。
GPUの説明に出てくるXeSSは、いわゆる「超解像」技術。高解像度の3次元CGを細かく計算して描くのではなく、低解像度のものを計算しておいてあとはAIに補間させてしまえば、それでいいんじゃね?という仕組みです。これも結果的には省電力につながるでしょう。
ズルしたり、誤魔化したりしているようにも見えますが、結局のところはそれで私たちを気持ちよく騙してくれさえすればそれでいいわけです。死ぬまでバレなければその人にとっては真実。同じ仕事…というよりも人間から「同じように見える」仕事を、いかに省電力に、快適に感じるようにこなすか?ということに徹底的にこだわった、「省電力の鬼」と呼んでいいと思っています。
気になるのはMeteor Lakeの市場への登場時期なのですが、今回は「12月14日に正式発表する」と発表されました。製品ラインナップなどについては、現時点では全く出てきていません。
モバイルPC用のプロセッサーの話ですから、直接エンドユーザーに届くiPhoneの発表のときのような「明日から予約開始」というのは非常に難しく、おそらく商品が巷に出てくるのは2024年になってからでしょう。とんでもないステップアップを果たした製品になるのは間違いないので、次に何か買うなら待ちたいタイミングではありますが、そこまで待てるのか、待ったとしても買えるのか(とんでもなく高価になるかも?という話も出ていますし)…と、いろいろ課題は山積みです。
SSK Worldのオープン記念日である2月22日は、語呂合わせで「富士通の日」でもあるらしいです。富士通さんにとっては、この日に世界最軽量の2024年版新モデルを登場させるには、ちょうど良いタイミングとも言えるわけですが…何だかワクワクしますねぇ。レッツノートは、おそらく2024年冬春モデルとしては、最近のパターンどおり最上級の1モデルのみ限定で搭載してくるのでしょう。たぶん「CF-FV5」かな。
それよりも、「Core Ultra 9 / 7 / 5」という新ブランドで登場するMeteor Lakeのプロモーションに、あのヒーローが抜擢されるのではないか?という方がずっと気になっています。インテルの日本法人さん、もし準備していたらスミマセン。期待しております。
コメントを残す