先日、我が家の愛車・ブラックパール2世号ことステップワゴン e:HEV スパーダが車検を受けたわけですが、この際にこちらから追加でお願いしていた作業が二つありました。どちらもカーナビ関連のアップデートです。
まずは地図データの更新。ブラックパール2世号に装着したカーナビは、純正ディーラーオプションのGathers(ぎゃざず)9インチ プレミアム インターナビ・VXM-217VFNiですが、この製品には2021年度版、2022年度版、2023年度版と3回の無償全地図更新のサービスが付帯しています。2023年版は今年の9月に提供が始まっていて、今回は最後の権利を行使したわけです。
身近なところでは、今年3月に開通した伊豆縦貫道の河津桜トンネルが反映されています…「身近なのか?」というツッコミは却下。伊豆は第二のふるさとですからね。この約3 kmの区間の開通で、下田方面へ向かう所要時間は大幅に短縮されます。
ちなみに、今後は2024年度版、2025年度版が有償で提供される予定だとか。おそらくその後は打ち止めでしょう。私が注目している現在工事中の高速道路・高規格道路の開通が、これらの更新に間に合うか微妙だったり、既にちょっと後ろにずれ込む見込みだったりするので、どのくらい間に合うか気になるところです。いずれにしても、カーナビの命は地図の新しさ…という面が大きいと思うので、この意味での寿命は5年ということになりそうですね。やっぱり、CarPlay用のiPhone探そうかなぁ。
そしてもうひとつは、もう少しややこしい話です。VXM-217VFNiは、他のカーナビやスマホなどと同様に、位置情報をGNSS(Global Navigation Satellite System; 衛星測位システム)から受信しています。世界各国がGNSSを運用していますが、VXM-217VFNiはアメリカのGPS、ロシアのGLONASS、EUのGalileo、そして日本が打ち上げている準天頂衛星(QZSS; Quasi-Zenith Satellite System)に対応しています。QZSSは「みちびき」という衛星の名前でも有名ですね。
QZSSの衛星たちは、日本上空の真上(天頂)付近に長時間留まる特殊な軌道を周回していて、GPS等と互換の情報を発信することで、日本周辺での位置測定が行いやすくなる環境を整備しています。さらに、位置情報の精度を上げるための情報も同時に配信していて、これを活用できる専用の機器を使うと、数cm程度の測量並みの精度での位置測定も可能になります。…まあ、普通のカーナビではそこまでシビアな位置精度は必要ありませんから、VXM-217VFNiもこの情報は活用していないようです。将来的に自動運転にでも使おうとすると、また話は変わってくるはずですが。
QZSSが受信できると、ナビの地図画面左上、時計のすぐ右隣のところに人工衛星を模したアイコンが表示されるはずなのですが、気がつけばここがぽっかりと空白になっています。過去の写真を振り返ったところ、1年半前の2022年7月の時点でこの表示は消えているようです。
販売店の整備員が操作するための「販売店ダイアグ」というメニューの中で、衛星の配置及び受信状況を確認できるのですが、ここでも「QZS捕捉数」は「0基」と表示されています。ただ、そこからさらに詳細情報を見てみると、QZSの一覧がリストアップされていて、認識しているようにも見えるのですが…。いずれにしても、明らかに何かおかしいとは言えると思います。常にひとつ以上は天頂付近にあるはずのQZSSが、常時1基も捕捉できないはずがありません。
ネット上でも同等機種の同様の状況が話題に上っていますし、「Honda 純正カーナビゲーション&オーディオ」のトップページには、「準天頂衛星「みちびき」受信できない事象について」というPDFファイルへのリンクが配置されています。「電波受信対応についてはお近くのHonda販売会社へお問い合わせ頂きますようお願い申し上げます」とのことなので、聞いてみることにしました。このPDFにも書いてあるとおり、QZSSが受信できなくてもカーナビとしては十分機能するはずなのですが、対応しているはずの機能が動いていないのは、なんだか損した気分なので。
地図の更新については、予定どおり行われましたが、QZSS受信への対応については、直前にお願いしてしまったこともあり、アップデートプログラムが間に合わず、また回を改めて修正することになりました。まだ他にも改善対策など来なくてはならない用事がありますし、とりあえず連絡を待ちます。
ところが、ディーラーからの帰り道にナビの地図画面を見ると、この日もクルマをディーラーに持ち込むまで全く表示されなかった人工衛星のアイコンが、表示されているのに気がつきました。販売店ダイアグのGPS情報を確認してみると、「QZS捕捉数」は「2基」と表示されています。表示のとおりなら、問題は勝手に解決してしまっていることになります。
最新の地図データ更新に対策プログラムも組み込まれていたのか、データ更新で一度シャットダウンされて再起動したら直っちゃったのか…正直なところ何が起こっているのか、ワタシには全然わかりません。ともかく、何かしらの問題があるのは公式にも認識されているわけですし、様子は見つつ、アップデートプログラムはきちんと適用していただくつもりです。
コメントを残す