「夏は来ぬ」といえば、明治時代に作られたいわゆる文部省唱歌で、NHK「みんなのうた」で取り上げられたこともあり、ご存じの方は多いかと思います。この曲、特に小さな子供たちが初めて聴いたときに、強烈な違和感を与えます。「夏だなぁ~って歌ってる曲なのに、どうして最後に『夏は来ない』なんて言うんだろう?」と思ったのは、私だけではないでしょう。
もちろん、このタイトルの「来ぬ(きぬ)」は文語体の表現であり、口語体の「来ない(こない)」と一見似ていても、意味は全く違います。文法としてはカ行変格動詞「来(く)」の連用形+完了の助動詞「ぬ」であり、全体としては「夏が来た」とか「夏になった」という意味ですね。とはいえ、「なつ~~が~き~た~♪」とか現代語訳してしまうのも味がありません。世界観をしみじみと味わいたい曲です。
…というのはともかく、今年は5月5日が立夏。土用の間は庭仕事の大部分を封印されてしまう私にとっては、まさに「なつ~~は~き~ぬ~♪」と歌い出したくなるような気分だったりします。
土用の間いちばんストレスになっていたのは、伸び始めた雑草たちを全然処置できなかったこと。土用は3週間弱ありますから、この間にあっという間に伸びていきます。今回は土用の間日も火曜日、水曜日と来て土曜日は雨…と、実に巡り合わせが悪く、結局とても人が住んでいる家とは思えない状況に。まずはココから手を付けていきました。
北側と西側の砂利敷きのところは、土用前に一度草取りができていたのですが、いちばん人目に付く店先の花壇とウッドデッキ前の芝生は作業が間に合わず、最悪の状況になってしまいました。10cm以上に伸びたものは、できる限り根っこから引っこ抜き、その後で芝刈り機で刈り揃えました。
一応「もしかしたら人が住んでるかもしれないなぁ」くらいの見た目にはなったかと思いますが、正直なところまだまだ不満。これからは定期的に手を入れて、もうちょっとマトモな庭にして行きたいところです。
この時期、庭のあちこちでオレンジ色のかわいらしい花を見かけることが多くなりました。特に駐車場あたりには大量に生えてきます。これは、ナガミヒナゲシという帰化植物で、その名のとおりケシ科に属します。花が終わった後に細長い実ができるので、「長実雛芥子」という和名になったようですね。ちなみに麻薬成分は含んでいないそうです。
実がはぜて大量の種をばらまくこともあり、非常に繁殖力が強く、周囲の他の植物を駆逐してしまうこともあるのだそうで、私は駆除対象だと思っています。この連休中には、ちゃっかりと植木鉢の中に飛び込んで居座ってしまった花を二株ほど発見。…まぁ、花が終わったら、早急に片付けましょう。
庭木の剪定も大事な仕事です。ミモザは早めに剪定を済ませていたのですが、シマトネリコはすっかり野性味が増した状態に。本当はアタマから切り落として発電量を回復させておかなくてはならないのですが、とりあえずは根元の部分だけでもスッキリさせておきました。
シマトネリコと言えば、西側の薪小屋の間で実生をそのまま残しておいた1本は、すっかり立派になりました。もう根元径は約4 cm、樹高は2 mを超えています。すっかり庭木の風格が出てきました。
とりあえずは勢いに任せて、ここまで剪定せずに来ましたが、樹形を整えることも考えると、そろそろ低い枝を整理した方が良さそうです。ピンと真上に伸びた枝が1本あるので、これを中心にして周りは少し切りたいところ。とはいえ、切りすぎて樹勢が弱ってしまっても困ります。全体を見ながら、バランスを見て慎重に行きましょう。
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