先月登場した新型フリードが気になりつつも、まだ実物を見に行くことができていないのですが、主にWebサイトからいろいろな情報を集めているところです。大きく分けるとAIR(えあー)とCROSSTAR(くろすたー)の2種類のデザイン、乗車人数は5人乗りから7人乗りまであるのですが、各種オプション等の選択の自由度が低く、ほしいデザインと装備がウマく選べない…というもどかしさがあります。
まあ、レッツノートのネット直販モデルだってずっとそうでしたし、用意してもらえないモノは仕方ありません。どこかで妥協は必要なのでしょう。…と、そんなことを考えながら見ていたら、ちょっと面白いヤツを見つけました。
CROSSTARの派生モデルとして「CROSSTAR スロープ」というのがあります。その名のとおり、リアゲートから地上までタイヤなどを転がして乗り降りができるようなスロープが引き出せる構造になっています。
CROSSTARの2列シート・5人乗り仕様(FF)と同様に、非常に床が低く作られていて、積み込もうと思えば相当大量の荷物が積めます。スロープを畳んで奥に倒せば、2段収納の棚板のような役割も果たせます。
もちろん、このスロープは単なる飾りではなく、想定されている重要な役割があります。ここから乗り降りするのは、人が座ったままの状態の車椅子。キャビン内には、車椅子が引っ張り上げられるようにパワフルなウインチも搭載されています。要するに、コレはいわゆる「車椅子仕様車」そのものです。
昔から「福祉車両」としてこういう仕様のクルマは売られていたわけですが、フリード CROSSTAR スロープが新しいと思うのは、福祉車両の枠ではないところで、ラインナップの一部としてカタログに並べられていること。買い物やレジャー用のカート、電動キックボードなども、コレに乗っけて運んでしまおう!という提案をしています。もちろん、いざとなれば本当に車椅子を乗せることだってできます。
ベースモデルがベーシックなAIRではなくて、オシャレで個性的なイメージのCROSSTARであること自体も新しいですね。CROSSTAR用の純正オプションの中には、CROSSTAR スロープでも使えるモノがかなりありますから、外観をさらにドレスアップすることもできます。e:HEVが選べるのも非常に良いと思います。カッコいいクルマで出かけられることも、燃費が良くてパワフルであることも、車椅子の乗員を乗せる場合にだって大切なことです。
福祉車両には所定の条件を満たすと消費税が非課税となる制度がありますが、車椅子乗車用の装備が整っているCROSSTAR スロープもこの対象。実際に車椅子を乗せて使う目的で購入するわけでなくても、適用してもらえるようです。また、特殊用途自動車(いわゆる8ナンバー車、キャンピングカーなども含まれる)ではなく、普通の3ナンバー登録になっているところはわかりやすいですね。
福祉車両のニーズは大量にあるものではないと思うのですが、より一般に向けて販売することで生産数が増えて、生産コストの低減につながれば、メーカーとしてはありがたいのではないかと思います。おそらくホンダの狙いはそこなのではないかと思っているのですが…どうなんでしょうか。
フリード e:HEV CROSSTARのFF・5人乗り仕様は全国メーカー希望小売価格で 3,162,500円(10%税込)、フリード e:HEV CROSSTAR スロープは 3,295,000円(非課税)となっています。車椅子も含めれば6人乗りですから、価格は6人乗り仕様の 3,206,500円(10%税込)と比べた方が適当なのかも知れません。
つまり、消費税はともかく実際の価格としては9~13万円高い買い物になるわけですが、スロープや車椅子用ウインチ&リモコン等の専用装備が追加されているので、当然ではあります。
通常の5人乗り仕様と比べると、荷台をフルフラットにするためのボードが付属していない(オプション購入は可らしい)こと、荷室(車椅子席)サイドの有孔ボードが取り付けられていないこと等、スロープには付いていない装備があります。どちらも、取り付けられる構造自体は残っているようなので、いざとなればDIYでも何とかできてしまうかも知れません。
一方、5人乗り仕様には付いていないリアクーラーがスロープには装備されるのですが、これは「3列目にも人が乗る6人乗りの車両」だからで、当然の話です。「5人乗りのクルマ」として捉えたときには、嬉しい追加装備になります。3列目に人が乗らないクルマでも、2列目は暑くなるはずですからね。
実は、フリード e:HEV CROSSTAR(FF・5人乗り)とフリード e:HEV CROSSTAR スロープのそれぞれで、同レベルのディーラーオプションを追加しながら「セルフ見積」サイトで見積もってみると、価格差がかなり縮まってきます。これは、納車時に取り付けたオプションについては、福祉車両としての装備ではないエクステリアパーツやナビゲーション等も含めて、本体同様に非課税になるから。さすがに「安く買うためにスロープにしよう」という発想になるところまでは行きませんが、スロープを選んでみるのもアリ?とは思わせてくれます。
もっとも、そもそもフリードの積載能力は我が家のニーズに十分なのか、e:HEVの動力性能は十分走りを楽しめるレベルになっているのか、インテリアの装備は車格が下がっても満足できる水準が維持できるのか、それ以前に現在乗っているブラックパール2世号の扱いはどうなるのか…等、調べなくてはならないことがあまりにも多すぎます。まあ、こうやって妄想でいろいろ考えている時間は、結構楽しいんですけどね。
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