先日、仕事で岩手県盛岡市に出掛けてきました。盛岡はずいぶん久しぶりだなぁ…と思い、過去のSSK Worldの記事を辿ってみたら、前回の話がキチンとアップされていて、今回は実に20年ぶりだったということになります。
諸般の事情で、今回は日帰りせざるを得なかったのですが、始発にも終電にも乗らずに、浜松から行ってくることが出来ました(さすがに帰宅したのは夜11時でしたが)。21年前には4時間半かかっていたらしい浜松駅から盛岡駅までの所要時間は、今や4時間を切っています。それも、東京駅で30分ほど乗り換えの待ち時間があってコレですからね。日本列島、少しずつではありますが確実に狭くなっています。
その超ハイスピードを実現するのに貢献しているのが、東北新幹線・はやぶさ号に使われているE5系電車。最高時速320 kmで運行されている、現在日本の地上を走るいちばん高速な交通機関です。先頭車両には6列しか座席がない…という、とんでもない長さの鼻先が特徴的ですね。そんな猛スピードで走っていることは感じさせないくらい、静かで快適な室内でした。
東京駅から盛岡駅までは、同じく時速320 kmで走れるE6系電車の秋田新幹線・こまち号と連結され、合計17両編成で運行されています。9月に、この連結が高速走行中に外れてしまい緊急停車する…というトラブルが発生しましたが、今回は無事盛岡まで走りきってくれました。あんなことがあった直後だったので、内心ドキドキはしていましたが、もう10年以上この形で運行している中で、たった1度しか起きていないのですから、そう簡単に再び起きるはずがありません。
正直なところ20年も前のことはずいぶん忘れましたが、真新しい建物も増えたものの、盛岡の街はあまり変わっていなかった気がします。浜松は快晴でしたが、こちらは今にも雨が降りそうな曇り空。そして夕方暗くなるのが断然早いです。やっぱり遠いところなのは間違いありません。
盛岡と言えば、わんこそば、盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺の「盛岡三大麺(いわて三大麺、とも)」が有名ですね。ワタシは3つとも盛岡で食べたことがありますが、それぞれ食文化を肌で感じられる楽しい食べものです。料理自体以上に独特の給仕方法による「おもてなし」のスタイルが特徴的であるわんこそばに対して、大陸から持ち込んだ麺類を地元の嗜好に合わせてアレンジして作られた冷麺とじゃじゃ麺は、より庶民的な感じがします。
さすがに日帰り出張で3種類全てを制覇するわけにも行かず、今回は昼食にじゃじゃ麺をいただきました。盛岡じゃじゃ麺は、中国北部の「炸醤麺(あえてかな書きするなら「じゃーじゃんみぇん」のような感じでしょうか)」という麺料理が元になったものだそうです。ただ、明らかに中華麺とは違う平打ちのうどん(名古屋のきしめん?)のような麺に肉味噌と刻んだキュウリがトッピングされたこれは、もはや中国料理というカテゴリーからははみ出した新ジャンルだと思います。
盛岡じゃじゃ麺の生みの親が初代店主だった…という白龍(ぱいろん)さんでいただきました。食べ終わりにちょっとだけ麺を残して、生卵を割り入れて和え、麺のゆで汁などを足してもらうと「鶏蛋湯(ちーたんたん)」というスープになります。私は、麺もちーたんもラー油を足していただくのが好きです。
帰りに時間があれば夕食にもうひとつ何か麺を…とも考えたのですが、さすがにちょっと時間が足りず断念することに。代わりに美味しい駅弁でも買って行こうと思ったのですが、盛岡駅に着いたときには全て売り切れてしまっていました。結局晩ごはんはコンビニで買ったお弁当。まあ、仕方ありません。もっとゆっくり来られるときに、ちゃんと何か食べに行きましょう。
久しぶりに、紙のきっぷを買って新幹線に乗りました。普段はネットでお得に指定席を予約でき、スマホをタッチするだけで改札を通れてしまうのですが、JR東海の「エクスプレス予約」サービスの対象は東海道・山陽・九州の各新幹線のみ。東京より向こうまで通しで乗ることができません。
JR東日本も、同様にタッチのみで乗れるチケットレス乗車サービスを展開しています。しかし、これも東海道新幹線方面への直通ができません。東京駅ではどちらにしても乗り換えのために改札を通らなくてはならないので、それぞれのチケットレスサービスを個別に利用する手もあるのでしょうけれど、それでは通しで乗るより割高な上に、乗車券の往復割引も利かないので実に不経済です。
全席指定のはやぶさ号に確実に乗るためには、あらかじめ指定席を予約しておいた方が安全。…というわけで、今回はJR東日本の「えきねっと」サービスでパソコンから座席を手配し、当日朝に浜松駅の指定席券売機で紙のきっぷを受け取りました。予約時の決済に使ったクレジットカードを券売機に挿入するだけできっぷが出てくる…という、シンプルな所有物認証になっています。
これでも十分に用は足りたわけですが、やっぱりエクスプレス予約の利便性には遠く及びません。JR各社が独自に整備を進めてしまった中で、統合するのはもう無理なのでしょうけれど、もうちょっと、何とかならないものでしょうか。
コメントを残す