12月になりました。ひとつ気になっているのが、Copilot+ PCのローカルNPUを活用したWindowsのAI対応の更新が、IntelやAMDの対応プラットフォーム向けに、まだ提供されていないのでは?ということ。公式なプレスリリースは見つかりませんし、こっそりアップデートが提供され始めていればユーザーがどこかで語り始めるはずですが、それも見つかりません。そもそも、「こっそり」やるメリットなんてどこにもないと思いますけどね。
Microsoft社は、以前「11月に提供する」と公式にコメントしていたはずです。既に半年前にはArm版Windows機にプリインストールされているわけで、この遅れは実に不思議です。まさか、Qualcommから何かしらお願いされているのでしょうか?ホリデーシーズンにアップデートが間に合ってしまうと、Snapdragon X搭載製品の売り上げに影響しそうですし、もうちょっと待ってくれ…とか。
…というのはともかく、私が「そろそろ新しいパソコン欲しいなぁ」と言い始めてからもう1年半以上が経ちますが、いろいろタイミングを逸してしまい、未だに先に進めません。この間、いろいろと業界の状況が変化し、これに翻弄されながら選択基準も変わっています。今のところ、IntelのLunar LakeことCore Ultra シリーズ2を搭載した、Copilot+ PCになれる要件を満たしたものから選ぼうと思っているのですが、この秋からいくつか製品は出てきているものの、どうも決め手がありません。
先日は「タッチパネル画面があるといいなぁ」という話をしたところですが、もうひとつ、是非欲しいと思う装備がワイヤレスWAN。ワイヤレスWAN付きの環境を使い続けて10年を超えましたが、毎日持ち歩いて外出先でも使うことを想定すると、これがあるとないとでは使い勝手が劇的に違います。タッチパネルよりも優先度は高いくらいです。
しかし、「Core Ultra 7 258V以上を搭載」「ワイヤレスWAN搭載」のたった二つの条件で探そうとするだけで、現在これを満たせるのはマウスコンピューターのMousePro G4-I7U01BK-Eしかありません。カスタマイズメニューの中に、LTE対応のワイヤレスWANが用意されています。ただ、残念なことにタッチパネル画面は選択できないんですよね。
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition(名前が長すぎるので以後「X1 Carbon Gen 13」)の詳細カスタマイズも、2025年の年明け早々には解禁になりそうです。どんなカスタマイズができるのかはまだ明らかになっていませんが、プレスリリースにも「2025年に最大5G Sub6」と書かれているくらいで、ワイヤレスWANの搭載が追加されるのは確実でしょう。
旧モデルのThinkPad X1 Carbon Gen 12と基本的には同じ設計の筐体が使われているようですから、同様にタッチパネル仕様が追加される可能性は高いと思います。また、以前から気になっていた「触覚タッチパッド」(MacBookにも使われている、ボタンスイッチになっていないのにクリック感がある不思議なパッド)なども選べるようになるのではないかと思います。
全ての希望を盛り込むととんでもないお値段になってしまいそうですが、代わりに一部の仕様をグレードダウンして費用を抑えることもできるのがカスタマイズの魅力です。例えば、X1 Carbon Gen 13の場合には3K解像度のOLEDは私にはちょっとオーバースペックだと思うので、「1920×1200の液晶タッチパネル」あたりが選べるようになると嬉しいところです。ただ、X1 Carbon Gen 13のGen 12との数少ない筐体デザインの差が、「OLED向けに最適化した」という天板側の薄型化。もしかすると液晶仕様は用意されないかも?という不安があります。
解像度を下げたOLEDを用意してくれるだけでも、ずいぶん違うんですけどね。解像度が下がると価格が下がるだけではなく、バッテリーライフが劇的に伸びる可能性もあって一石二鳥です。基本的に今どきのディスプレイは画素単位で制御しますから、画素数に比例して半導体素子数が増え、消費電力でも不利になるはずで、実際に同サイズで解像度の異なるディスプレイをカスタマイズできるVAIO(株)製品のスペック表を見比べると、これが顕著です。
まあ、それを言い出すと、タッチパネル自体が消費する電力も気になるところで、同じくVAIO(株)製品のスペック表を見ると、これも結構バカにならないように見えます。一方で、タッチパネルの有無以外はほとんど差が無い、レッツノート・CF-SRシリーズとCF-QRシリーズのJEITA 3.0測定法の数値は全く同じだったりしますし、実際のところどうなのかはよくわかりません。
カスタマイズ項目が豊富な製品を選ぼうとすると、一つ気になるのが重量がどのくらい増えるのか。これまで購入してきたレッツノートの場合は、カスタマイズ項目が限定されていることもあり、様々なコンフィグレーションで個別に重量が記載されていたりして、購入する際に重量増加を検討材料にすることもできます。かつては「世界最軽量」に情熱を燃やしていたメーカーですし、このあたりは抜かりないということなのかも知れません。
しかし、カスタマイズ項目が非常に多いThinkPadの場合はそうも行かないようで、カタログ値としては最低重量のみが記載されています。タッチパネル画面などは、相当重量が増えることが予想されるので、せっかくの携帯性をどのくらい損なうことになってしまうのか、気になるところです。
ただ、いろいろな情報を重ね合わせると、ある程度の目安は知ることができます。先にも登場したレッツノート・CF-SRシリーズとCF-QRシリーズは、他の仕様をすべて揃えると重量差が80 gあります。ひとまわり画面が大きいX1 Carbon Gen 13だと、タッチパネル付きにすると90~100 gくらいは重くなるのではないかな?と思います。
ちなみに、ワイヤレスWANの搭載はそれほど重量へのインパクトはなく、レッツノートの場合は5 g~15 gの増加になっています。M.2モジュールの重量は1 gそこそこでしょうし、あとはアンテナの構造次第です。
いろいろ総合すると、X1 Carbon Gen 13をワイヤレスWAN&タッチパネル画面付きにカスタマイズしたときの重量は、だいたい1.1 kgくらいになりそうです。他社のタッチパネル付きのライバルたちよりは軽く仕上がり、フットプリントも小さくなっているので、モバイルとしての魅力は高くなります。実際のカスタマイズメニューがまだ公表されていないので何とも言えませんが、予想どおりの組み合わせが作れるなら後はお値段次第です。
一方、MousePro G4-I7U01BK-Eには、タッチパネル画面は装備できないものの、確実にX1 Carbon Gen 13よりも軽い(容積は大きくなりますが)という魅力があります。あとは、年明けのX1 Carbon Gen 13のカスタマイズメニューを見てから、コレとどちらを選ぶか?という感じでしょうか。いずれにしても機能と性能、価格のバランスを見ることになります。
もちろん、それまでの間に他社からもっと魅力的な商品が出てくればその限りではありません。とはいえ、ワイヤレスWAN搭載に積極的な日系メーカーたちは、すでに周回遅れを確定させる新製品を発表しているところで、残っているのは実質的にこの秋の新モデル発表を見送った(「Copilotキー付けたよ~」ってお茶を濁してはいましたが)レッツノートくらい…ということになるのですが…まさか、ねぇ。
コメントを残す