ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionの実機がユーザーの手元に届き始めたようで、実機レビューの投稿が始まっています。もともとThinkPadは昔から「信者」が多いブランドで、レビュアーの方々もプライベートのメイン機はX1 Carbon…ということが結構あったりするので、「旧型機と比べると」という厳しめの目線があるはずですが、それでも総じて評価は高いように感じます。
ThinkPadらしい堅牢なハードウェアづくりの水準を満たした上であのスペックどおりに作られているのなら、基本仕様としては不満なんてあろうはずもない…と思うのですが、一つビックリしたのは、1 TBの内蔵SSDがPCIe Gen5x4接続で、シーケンシャルの読み書き速度なら10,000 MB/s超えを叩き出すこと。素直に「スゲぇや」とは思いますが、果たして差が実感できるのかどうか…。対話的用途に使うにはオーバースペックのような気もするわけですが、それこそAI処理のような超大容量のデータの読み書きがありそうな用途なら、違いが感じられるかも知れません。
さて、そのX1 Carbon Gen 13を、カスタマイズメニューが充実してから買えると良いな、と思っているところなのですが、ただぼーっと待っているのもつまらないので、どんなものが想定されるのか、いろいろ考えているところです。Webサイト上の製品情報ページだけでは、詳しいところは全然わからないのですが、既にサポートページには日本語版のユーザーガイドやハードウェア保守マニュアルが公開されていて、これを見るといろいろな情報がわかります。
ユーザーガイドには既に触覚タッチパッドに関する解説が載っていますし、「タッチスクリーンの問題」への対処方法も記載されています。ハードウェア保守マニュアルには、4G(LTE)・5GそれぞれのワイヤレスWANモジュールの取り付け方法が載っています。これらは、いずれBTOでカスタマイズ可能になる…と考えるのが自然でしょう。
英語版のみになりますが、さらに細かい仕様が記載されたスペックシートも公開されています。既に多様なBTOが可能になっているGen 12にも同様の資料があるので、これらを見比べることにより、さらにいろいろなコトが見えてきます。
例えば、Gen 13のスペックシートには、
Weight
Models with Haptic Touchpad Starting at 996g (2.19 lbs)
Models with Trackpad Starting at 986g (2.17 lbs)
という記載があります。Haptic Touchpad(触覚タッチパッド)を搭載すると、普通の3ボタンTrackpadよりも10 g重くなるようです。さらに、Gen 12のスペックシートにはこんな内容も書かれています。
SoC / 画面 | MobileMark 25(時間@Performance score) | JEITA 3.0( 動画再生/アイドル) | ローカル動画再生 | |
仕様1(動作時間最長) | Core Ultra 5 125U / 1920*1200 LCD(non-touch) | 16.0 h@604 | 12.8 時間 /35.4 時間 | 23.4 時間 |
仕様2 | Core Ultra 7 155H / 1920*1200 LCD(non-touch) | 14.6 h@725 | 12.4 時間 /36.4 時間 | 25.2 時間 |
仕様3 | Core Ultra 7 155H / 2,880*1,800 OLED(non-touch) | 11.6 h@768 | 9.2 時間 /15.5 時間 | 15.9 時間 |
CPUの差よりも、ディスプレイの違いの方がバッテリーライフに大きな影響を与えているようですね。CPUについてはむしろ、Core Ultra 7 155Hを搭載している「仕様2」の方がCore Ultra 5 125U搭載の「仕様1」より長時間動作できているパターンもあります。「サッサと仕事を済ませて即眠る」という動作がウマく機能している…ということなのでしょうか。
ちなみに、Gen 13の場合は
SoC / 画面 | MobileMark 25(時間@Performance score) | JEITA 3.0( 動画再生/アイドル) | ローカル動画再生 | |
仕様 | Core Ultra 7 258V / 2880*1800 OLED(non-touch) | 15.0 h@628 | 11.6 時間 /14.5 時間 | 18.8 時間 |
となっています。消費電力としてはCore Ultra 7 258VはCore Ultra 5 125Uに近いと思われること、高解像度のOLEDの消費電力が大きいであろうことを考慮すると、比較して納得できる数字ではありますし、その中で「寝ていなくても省電力」というLunar Lakeの「ワッパの鬼」っぷりも見えてきます。
ワイヤレスWANの搭載は、バッテリーライフについては短縮の方向に働くはずですが、正直なところどの程度の差になるのかは不明です。必要なものだと思っているので、バッテリーへの影響を理由に搭載を外すようなことは、今のところは考えていません。
Gen 13では、SSD内蔵用のM.2スロットがPCIe Gen5x4対応になっていることの他、実際に搭載されるSSDにはPCIe Gen5x4とPCIe Gen4x4の仕様が用意される旨も記載されています。両者に大きな金額差があるなら、ココをコストカットのためにカスタマイズするのもアリかもしれません。
まあ、実際にカスタマイズメニューが発表されていない現時点では、何を考えても妄想に過ぎないんですけどね。おそらく年明け早々のラスベガス(CES 2025)あたりで、何かしらアナウンスがあるのではないかな?と思っています。今から楽しみで仕方ありません…肩透かしを食らいませんように。
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