2025年も3週間弱が過ぎました。今年こそは新しいモバイルノートPCを買う年にしよう!と思っている中で、先日のCES 2025は私にとって心を惹かれる発表には乏しかったなぁ…と振り返っていたところでしたが、思わぬところからちょっと気になる発表がありました。
木曜日・1月16日に、富士通が同社のPCブランド・FMVを大幅に刷新することを発表しました。これに合わせて、新しいブランドポリシーで発売される2025年春モデルも発表されています。彼らとしては、「Z世代向け」を謳った新デザインの「FMV Note C」を前面に出していたようですが、もうひとつの「FMV Note U」も私にとっては気になる存在になっています。
FMV Note Uは、従来の「FMV LIFEBOOK UH」がリブランドされたものという認識でほぼ間違いなさそうです。「LIFEBOOK」というサブブランドが廃止されて、シンプルに形状を表す「Note」へ。そして「UH」は1文字の「U」だけになった…という感じです。
社内に多数存在するサブブランドを整理してシンプルに再構築しようとする動きは、HPやDELLといったグローバルブランドでも同時多発的に起きています。AIを主戦場に、PCの機能・性能の評価軸が大きく変化しつつある中で、各社ともこのタイミングで仕切り直したいと思っているのでしょう。
…というのはともかく、FMV Note Uの外見自体は、ロゴの意匠などの他はほぼFMV LIFEBOOK UHそのもの。外形寸法も全く同じです。しかし、今回注目すべきなのはむしろ中身が新しくなったこと。Lunar Lakeを搭載して、FMVでは初のCopilot+ PCとなります。
店頭モデルのUA-K1では、Core Ultra 7 258Vが搭載され(=RAMは32 GBが標準)、SSDは512 GB、OSはWindows 11 Homeという仕様です。カスタムメイド版のWU1-K1では、RAM 16GB(Core Ultra 7 256V)とSSD容量のバリエーションが選べ、Windows 11をPro版にアップグレードすることもできます。
重量は約848 gで、「14型画面を持つCopilot+ PCとしては世界最軽量」となりました。CES 2025に合わせて、ASUSがSnapdragon X搭載機で約900 gを実現してこのジャンルの「世界最軽量」をアピールしていましたが、さすがの富士通、あっけなく抜き去っています。しかもこの軽さで大容量64 Whのバッテリーを内蔵し、JEITA 3.0基準のバッテリー駆動時間は15.5 時間/36.0 時間と超ロングライフになっています。
ちなみにバッテリー容量や重量はCore Ultra 7 155Hを搭載した昨年秋登場の店頭販売モデル・UH90/J3と全く同じ。バッテリー駆動時間は大幅に伸びています。バッテリーを減らすだけで大幅に軽量化され、600 g台のモデルも簡単に作れそうな気がするのですが、富士通としては最低限「Copilot+ PCでもムサシ(634 g)」は実現したいでしょうから、そのためにはもう少しブラッシュアップが必要なのかも知れません。
従来のラインナップにある「5G対応のワイヤレスWAN搭載モデル」の設定が、今回は今のところありません。いずれ追加されるのか、今回はやるつもりが無いのか…ちょっと気になるところです。既存モデル間の重量差を見ると、搭載したとしても800 g台を維持することはできそうな気がします。
モバイルノートPCの世界では、「軽さは正義」は厳然たる事実だと思っています。昨年末の時点では「ほぼThinkPadかなぁ」くらいに腹を括りつつあった私ですが、FMV Note Uの軽さはやはり魅力に感じます。
しかし、その一方で、ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionと比べると、物足りなさを感じる点もあります。いちばん気になるのは、FMV Note Uでは内蔵バッテリーが「ユーザー交換不可」という対応が継続されていること。そう何度も交換するものではないのですが、蓋を開けて良いかダメかの差は決定的です。日本国内で生産し、きめ細かなサポートができるところが強みである富士通と、できるところはユーザーにセルフで修理させて、サポートの手間は減らしてしまおう!というレノボ本社(富士通のPC部門もグループ会社なわけで)の対応が異なるのは当然でしょうけれど、やはり残念です。
ワイヤレスWANへの対応に関しては、両者とも今後の対応が期待できますし、タッチパネル画面については、FMV LIFEBOOK UHには2in1仕様のモデルが存在した(現在も継続販売中)ので、こちらがモデルチェンジでどうなるか?という面もあります。モノとしてはそれぞれの魅力があって、どちらを選ぶか迷うところです。
ただ、購入することを考えると、富士通の直販サイト「WEB MART」では相変わらず低利のショッピングローンの提供がなく、とりあえず一括で支払える能力が必要(カード等の分割払いは使えますが)なのは辛いところ。「48回払いまで無金利」の分割払いが使えるレノボとは相当条件が違います。
あとは、非常に個人的な話なんですが、FMVだと外見がおカネをいただく仕事用のモバイル端末とほとんど変わらないので、新しさを感じないんだよなぁ…というのもあります。「あれ?仕事用の端末でどうしてAIバリバリなんだ?」みたいなドッキリを仕掛けられる面白さはあるのかもしれませんが(苦笑)。
まあ、いずれにしても今出ている商品そのままで購入することはあまり考えられないので、次の一手が出てくるのを待とうと思います。でも、待てば待つほど、とんでもないところからライバルが出てきたりするんだよなぁ…。
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