先週は、富士通から私にとっては「意表を突かれた」と感じた発表がありましたが、実はMicrosoft社からも相当に衝撃的な発表がありました。とはいえ、コレにはいろいろ思うところがありすぎて、ちょっとアタマの整理が追いついていないのですが…。
オンラインストレージ、Officeアプリ等をパッケージした個人向けWebサービスの「Microsoft 365 Personal / Family」に、生成AIを活用したアシスタント機能の「Copilot」が統合されるのだそうです。こちらが自然文ベースで与えた指示を元に、Officeアプリがいろいろなモノを作ってくれます。ただし、利用回数は「AIクレジット」なるものによるひと月60 回の回数制限があり、クレジットは毎月補充されるようです。
これまでも、「Copilot Pro」という月額3,200 円(税込、以下同様)のサブスクリプションを契約すれば、これらの機能を使うことができました。今回の発表は、Copilot Proより厳しい回数制限付きではあるものの、別途契約しなくても使えるようにするよ…ということになります。


既に、従来の「Microsoft 365」アプリが、これまでのWindows Copilotと共通のアイコンを持つ「Microsoft 365 Copilot」アプリに切り替わっています。各Officeアプリのリボンにも、Copilotのアイコンが追加されています。しかし、Copilotアプリ内のチャット機能はまだ立ち上がりません。どうも、まだ全体としてのアップデートが済んでいないようです。
問題なのは、これに伴ってMicrosoft 365 Personal・Familyともに利用料金が大幅に値上げになること。どちらも、年間一括払いで6,400円(月払いなら640円)の値上げとなっています。既存ユーザーには、「期間限定」で従来と同価格でCopilotサービスが使えない「クラシック」プランが提供されるそうですが、特に手続きをしなければ、値上げ後の新プランで自動継続となります。
私はCopilot Proの契約料金ではちょっと高すぎるなぁ…と思っていたので、より安価で使えるプランとしてはありがたい提案ではあるのですが、統合されたプランしか用意されておらず、突然値上げした上で自動的に継続させるやり方には賛成できません。控えめに言っても「Copilot機能の押し売り」、もっとハッキリ言うなら「Copilotの運用にかかる膨大なサーバ費用を、強制的に全てのMicrosoft 365個人ユーザーに押しつけた」と言うべきものでしょう。
とはいえ、値上げを拒否する選択があるか?となると、それもなかなか厳しいところ。Officeアプリについては、買い切り版に切り替える方法もありますが、これにはCopilotだけでなくOneDriveやMicrosoft Defenderなどの365 Webサービスも付いてきませんから、別途契約することを想定するとやはり割高になります。そもそも、「ここぞという場面で使えるAIアシスタント」に月々500 円強という価格設定自体は、納得できないほどではありません。このあたりのさじ加減が、Microsoft社の老獪さというか何というか…。
すでに前払い済のサブスクについては、特に追加費用を徴収されることなく旧価格のままでCopilot機能が使えるようになるそうです。いろいろあって、現在2026年1月分まで払い込み済みの私にとっては、1年間Copilotをお試し利用できる権利が与えられた形になります。せっかくなので、使ってみなくては。Copilot+ PCでは、内蔵のNPUもいずれCopilotの処理に使われるようになるらしいので、NPUが宝の持ち腐れにはならずに済みそうです。
ただ、実際に「コレは使えるぞ」となったときに、妻に勧めようとすると非常に難しい問題になります。現在契約しているMicrosoft 365 Familyでは、AIクレジットが与えられるのは契約者本人のみ。追加ユーザーのファミリーはそのままではCopilotは使えず、それこそCopilot Proを追加契約するか、あるいは一人ずつPersonal版を契約する形に切り替えるかしかありません。
Family版の現状の利用料で、6アカウント分のAIクレジットをよこせ!というのはさすがに厚かましすぎる気もするので、せめて月々640 円(年間なら6,400 円)程度で「Copilot Familyアカウント追加」ができるようにしていただけないでしょうか。それなら、追加契約する可能性は結構あると思うのですが。
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