スマートフォンの回線をIIJmioに乗り換えるときに、一緒に何か新しい端末を買ってみようかな?ということで、なかなか個性豊かなラインナップを眺めていたワタシ。見ていて気になったのが、Google Pixelシリーズの中古端末が結構いろいろあることでした。
Pixelシリーズは、その名のとおり、スマートフォン用OSでグローバルでは最大のシェアを持つAndroidを開発しているGoogleが、自ら手がけて販売している端末です。実はこの「グローバルで」というのがポイントで、日本はiOS(= iPhone)のシェアが特異的に高い市場なのだそうですね。もっとも、どこに行ってもこの2種類だけで90%以上のシェアがある、極端な寡占市場です。
iPhoneのように、徹底的な垂直統合モデルでハードウェアとソフトウェアが密接に結合した製品のみを販売しているのならともかく、多くのメーカーにオープンな形でAndroidを提供しているGoogleが、自らもスマートフォンを販売しているのは何故でしょうか。少なくとも、スマホの売上を自社の利益にしたいわけではないでしょう。やはり、これは「Androidはこんな風に使ってほしい」というお手本を示したいからなのだと思います。MicrosoftのSurfaceも、そういう役割を担う「OSベンダーが作るハードウェア」ですね。
そういう観点で見ると、ここ数年の間Googleが推しているのが、スマホ上でAIを活用する機能。テレビCMでアピールされている「消しゴムマジック」「編集マジック」「自分も映る記念写真」などの写真画像の加工は、皆さんにもすっかりお馴染みになったのではないかと思いますが、これらはいわゆる生成AIの応用技術です。しかも、クラウドと通信せずに、端末内のみで完結する機能が増えてきています。
Pixelシリーズに搭載されているSoCのTensor Gシリーズも、Googleが自ら設計しています。同時期に登場してくる他社のSoCと比べると、ベンチマークではあまり振るわないのですが、これはそもそも競争なんてする気が無いのでしょう。AIに特化して、自分たちがAndroid上でやりたいことのために設計しているのだと思います。そう思って振り返ると、いつの間にかAppleも処理性能を数字でアピールする普通の計算機(Computer)メーカーになってしまったなぁ…と、一抹の寂しさがあります。
残念ながら、IIJmioで売られているPixelシリーズは全て中古品で、最新版のPixel 9シリーズはありません。いちばん新しい世代に相当するのは、2023年10月に発売されたPixel 8です。中古とは言え、動作確認程度しかしていない未使用品だということですから、実質的にモノは新品とほぼ同じ。それでも、そろそろ発売から1年半が経つ、いわゆる「型落ち」商品です。
巷にはPixel 9aや次世代iPhone SE(iPhone 16eとして発表されましたが)がもうすぐ出てくるタイミングですが、ここ数年の物価上昇で、どちらもそれぞれのブランドの最廉価モデルのはずなのに、相当高価な商品として出てきそうです。商品選びをしていたのは、これらの話がまだ正式に発表されていない段階でしたが、それでも「1世代前のPixel標準モデルが何とか手の届く値段で」というのは魅力に感じました。一括なら69,800 円、24回払いなら2,909 円というのは、ワタシにとってはギリギリ手が出せる価格帯です。
やっぱり楽しみなのはAIの働きっぷり。「消しゴムマジック」などの写真編集も楽しそうですが、それよりも実務的に役に立ちそうなのが、標準の音声レコーダーアプリが、クラウドを介せずに自動で文字起こしをしてくれることです。さらに、GoogleのAIアシスタント・Geminiに送れば、要約くらいは楽にやってくれそうですね。それに納得いかなければ、Microsoft 365 Copilotにもやらせてみるのもアリかも知れません。
型落ちとはいえ、この世代からGoogleが「7年間アップデート保証」を始めたので、まだ5年以上は安心して使い続けることができます。ヘタに他社の最新世代製品を買うよりも長期間サポートが続くことになり、もしかするとバッテリーがへたる方が先かも知れません。また、アップデートの継続性だけでなく、それらがタイミングとしては真っ先に提供されるのも魅力の一つです。Pixel 8も、既に最新のAndroid 15へのアップグレードが可能になっています。
ちなみに、IIJmioではもっと古い世代のPixelシリーズも中古品を販売しています。お値段も安くなるのですが、さすがに2世代以上の型落ちでは能力的に不安を感じます。ローカルAIでの音声文字起こしにしても、Pixel 8以降の世代で使えるようになった機能だったはずです。
そんなわけで、回線の乗り換えついでに、今回はGoogle Pixel 8を使ってみようかと思います。しばらく比較的廉価版のスマホを使ってきた私でしたが、ひさびさにもう少し上位の製品を使うことになり、いろいろ新しいことができそうで楽しみです。AIに限らず、初めてだったり、久々だったりする装備もありますしね。
本当にあと5年間サポートが受けられるのか?そもそも、5年間もマトモに使える製品でいられるのか?も気になりますが、これはもう成り行き任せですね。へたったバッテリーを交換してまで使いたい!という気になれれば、SDGsのご時世に、いちばん幸せなことなのですが…どうなることやら。
コメントを残す