ちょっと前のWeekly SSKで、Intelの低電圧版モバイルPentium3とSONYのVAIOノートSR9/Kの怪しい関係について触れましたが、その後SONYから低電圧版を使っているのと発表がありました。一方、私の購入したPanasonicのCF-B5Rは従来型のSpeedStepモバイルPentium3だそうです。ちょっと差を付けられた気分がしましたが、それでも悔しい気分はあまりしませんでした。
というのも、ノートパソコンの駆動時間を決定するのは必ずしもCPUだけではないからです。他にもハードディスク、液晶ディスプレイ(厳密に言うと液晶そのものではなくバックライト)、あとはCPUの冷却ファンも消費電力が大きな部品になりますから、これらをどのように制御するかが問題になってきます。あと、当たり前のようで意外に盲点なのが搭載バッテリーの容量。実は、VAIOノートSRが長時間駆動を実現しているのはバッテリーの容量が従来モデルの2倍以上になっていることが大きく、あの機械のすごいところは、省電力技術よりもむしろ大容量のバッテリーを搭載した上であの重量を実現した軽量化技術なんです。
ついでに言うなら、CPUの消費電力が下がったことの意味は、そのこと自体よりもむしろ、発熱量が小さくなることにより冷却を簡単に出来ること。もし冷却ファンが不要なレベルまで発熱を抑えることができれば、ファンを装備しない分だけ消費電力が低減できます。実は話題のCrusoeを使ってノートパソコンを使った場合に有利な点がまさにここです。ファンが不要になりますから、消費電力も低く、しかも動作音も格段に静かになります。
考えてみると、私のモバイル歴もちょうど2周年です。今回は、バッテリー駆動でより長時間、より快適にノートパソコンを使うためのポイントをいくつかまとめてみたいと思います。
1. やっぱりトラックボール…かも
…かどうかはともかく、機種選定はやっぱり重要なポイント。特に、持ち歩いて使う場合に本体以外に持ち運ばなくてはならない物がどのくらいあるのかを見極めることが必要になります。特に、標準バッテリーだと駆動時間が短すぎる場合は大容量バッテリーを使うことになると思いますが、これがなかなかの重量級です。また、出先でコンセントから電気を拝借する場合にはACアダプターの重量も大事です。
2. メモリはたっぷりと、でも程々に
メモリの容量は重要なポイントです。そして、ハードディスクと切っても切れない関係にあります。搭載メモリが少なすぎると、足りない記憶容量を確保するためにハードディスクへのアクセス(メモリスワップといいますが)が増えてしまいます。逆にメモリが多すぎると、起動するときやハイバネーション(ハードディスクにメモリ内容を保存して、作業途中の状態のまま一時停止・復帰すること)のときにディスクに読み書きする量が大きくなります。昔は、メモリを多く搭載すればするほどハードディスクへのアクセスが減るものだと思っていたんですが、どうやらWindowsでは起動するときにメモリサイズに見合ったハードディスク領域が確保されるようです。どのくらいのメモリサイズがちょうど良いのかは、パソコンの使い方にもよると思うので一概には言えませんね。
3. ハードディスクには寝ていてもらう
メモリを十分に搭載すると、ハードディスクにアクセスする頻度は非常に小さくなります。ハードディスクはデータを読み書きするとき以外でも回っていて、かなり大きな電力を消費していますが、Windowsでは電源に関する設定の一端として一定時間アクセスのない時にハードディスクの電源を切ることができます。早めに電源が切れる設定にしてしまいましょう。アプリケーションが起動するときなどハードディスクを使わざるを得ないときには1、2秒待たされますが、それは我慢しましょう。
4. CPUスピードは落とす必要なし
本体側の設定で、CPUの動作クロックを落とすことの出来るパソコンもあります。動作クロックを落とせば確かに消費電力も落ちるんですが、あまり意味がないような気がします。
最近のCPUは実行するべき命令のない時に省電力モードに移行する機能を持っています。パソコンを使っているときに、常にフルパワーで動作しているという事態はそれほど多くなく、ほとんどの場合はユーザーの入力待ちなど「何もしていない」時間の方が圧倒的に長くなります。そうだとすれば、わずかしかない動作時間で電力消費を減らしてもあまり効果がありませんから、CPUが忙しいときには思い切ってフルパワーで動作させた方が得策かも知れません。不必要に処理時間がかかると、ストレスもたまります。
5. ディスプレイはなるべく暗く
液晶ディスプレイはブラウン管に比べるとずっと消費電力の小さい部品ですが、その中で意外に電気を食っているのがバックライト。もちろん透過型のカラー液晶ではバックライトが明るい方が見やすい画面になりますが、直射日光の下ならともかく日陰や室内で使う場合にはかなりバックライトの輝度を落としても不自由はありません。バックライトの輝度が調整できる機種の場合は、我慢できる範囲でめいっぱい暗くしてしまいましょう。もちろん、実際に使う場合になるべく暗い場所を選ぶのも大事なことになってきますが。
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