最近Weekly SSKに号外が多くて、まるでDaily SSKみたいですね。書きたい話題がいろいろ多くて、しかも旬を逃すと面白くない…そんな日々が続いています。まあ、こんな勢いがいつまでも続くとは思っていませんからね。基本はあくまでも「Weekly」です。
3年8ヶ月ぶりに衆議院の総選挙が行われました。私はもちろん投票に出かけてきましたし、夜遅くまで続く各テレビ局の開票速報をずっと見ていました。このSSK Worldで特定の政党を支持したり政治的主張を繰り広げるつもりは全くありませんが、毎回開票速報を見ながら思うことがあります。
それは、各テレビ局が独自に行う予測の違いです。NHKも、民放各局も同時に開票速報を始めるんですが、「当選確実」の出るスピードが明らかに違います。本来は開票率0%で「当選確実」が発表できるはずがないと思うところなんですが、これがどんどん出てきます。これは、各局で世論調査や出口調査を行った結果を基に得票率を予測し、これと実際の開票結果を総合して統計的処理を行い結果を予測しているわけです。
さすがにNHKは公共放送と言うこともあり、予測の出し方も慎重なようです。一方、民放はどれだけ早く当選確実を出せるか競争しているところもあるようで、NHKを遙かに上回るペースで議席が確定していきます。ザッピングしていると、これはこれでなかなか面白いですね。
ところで、この統計的処理というのが曲者です。結果が数値で出てきますから、ついつい信用してしまいがちなんですが、実は統計的処理は主観的な判断次第でどんな風にでもアレンジできてしまうのです。
世論調査にしろ、出口調査にしろ一般的には標本調査と言われるもので、対象にする集団があまりに大きすぎて調査できない場合に、その中から一部を選び出して調査するものですね。この場合、取り出した一部(これが「標本」ですが)が全体(「母集団」と言いますね)を正確に表しているかどうかがポイントになります。標本が大きいほど予測が正確になりますが、調査が大変です。この辺りのバランスをどこに置くかで当然予測が変わってきますし、たまたま標本が偏っている可能性だってあります。この「微妙な偏り」が誤差なのか、それとも正しい傾向なのかを判断するのは、実は判断するための線引きの位置次第。ちょっと手心を加えるだけでどうにでも変わってきます。
実は先の「当選確実」の場合も、当選する確率が何パーセントになった時点で「確実」とするかの違いがNHKと民放の違いになっているような気がします。あくまでも確率の話なので、蓋を開けてみると結果が違い「当選確実」候補が落選することもあり得ない話ではありません。実際、たまにこう言うことも起こるようですし。かわいそうで目も当てられませんよ。
テレビ局の「予測」の場合、もう一段違いの出る要因があります。それは報道の方法。同じ5%と言う数字を「たった5%」と伝えるか「5%もある」と伝えるかだけで、視聴者の受ける反応は全く違います。各テレビ局とも、はっきりとした自らの主張を持っていますから、その主張を視聴者に伝えるために、同じ数字でもその伝え方を変えてきます。先にも書いたとおり、数値が付くとついつい信じてしまう危うさがあります。そこが怖い。
主張を持つこと自体は大切なことだと思いますが、放送を見る側には、それぞれが別の主張を持った上で報道していることを念頭に置いた上で内容を受け取る必要があると思います。複数の報道(言い換えれば主張)を見た上で、自分の立場を考えるのがいいと思いますね。
これは新聞でも同じです。しかも、放送が一瞬で通り過ぎてしまう(ニュースをビデオに録る人も少ないでしょうから)テレビに比べて、活字でずっと残る新聞の主張はさらに強烈です。取扱にはさらに注意しなくてはいけませんね。
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