前に掲示板を考えたときに、「掲示板荒らし」の話をちょっと出したんですが、補足しておきたいことがあります。いきなりアクセス拒否の技術論から入ったので、まるで彼らがサーバーに侵入してクラッキング行為をするシステム破壊者であるかのような表現になりましたが、それは誤解で、本来そこまでややこしいものではありません。一番簡単でしかも迷惑なのは、誹謗・中傷など不適切な書き込み内容。ごく普通のアクセスを行うだけで可能で、しかも書き込みがあるまで問題の発生がわかりませんから、対策は一つしかありません。それは、管理者が書き込み内容をチェックして、不適切なものは早め早めに削除していくこと。掲示板とは言え、ここは私のホームページですから、私が内容を選別する権利があります。もしそんな事態になったら、私の判断で関連する内容全てを削除させていただきますし、それでも収まらない場合の最終手段がアクセス拒否ということになります…まあ、そこまではやりたくありませんが、そうした非常事態には備えておきたいので、ちょっとした仕掛けはさせてもらいます。
実はもっと大事なのは書き込んでいただく皆さんの意識の持ち方なんです。掲示板の上での喧嘩ってみっともないものですよ。多くの人が見ている前で大声を張り上げて喧嘩しているとき、その最中はそれほど感じないかも知れませんが、ふと我に返ったときや、収まった後にとても恥ずかしくなる事ってありますよね。それと同じ事だと思いませんか?
…ということで、先週に続いて掲示板のことを考え続けているんですが、自分で作るとなると結構面倒なものですね。掲示板を一言で説明すると「訪問者の方の書き込みをホームページで保存して、いつでも誰でも読み書きできるようにする」という風に結構簡単に書けてしまうんですが、それを自分で作るのはそれほど簡単なものではありません。プログラムの1行ごとに書ける内容は非常に限定されたもので、例えば「ファイルに1行分のデータを書き込む」だったりしますから、自分のやりたいことを実現するためには何行も何行も長~い長いプログラムを書き続けなければなりません。
しかも、決めなくてはならないことは結構いろいろあります。例えば書き込みの表示方法はどうするのか。「全て貯め込んで、新しいものから10件ずつ表示」とか「常に新しいものから20件しか保存しない」とか、いろいろな考え方があり、それに応じてプログラムの手順は全く変わってきます。さらに、画面のデザインの問題もあります。書き込まれた時間、ハンドル名、メールアドレスなどの情報、そしてもちろん書き込んでいただいた内容。それぞれをどんな位置にどんな方法で表示していくかは、これまた細かく決めて行かなくてはなりません。
掲示板に限らず何でもそうなんですが、プログラムを自作するときには、そのプログラムで実現したいことを、それぞれの環境で記述できる細かい単位に分割して、それをつなぎ合わせていくことが必要です。プログラム作りの話をすると、よく「数学は苦手だから」とか「自分は文系だからわからない」とか言われるんですが、プログラム作りに必要な能力はそう言う次元とは全く別のものではないのかな?と思うことが良くあります。プログラムに限らず、こうした能力はある種の「もの」を製作するときには必ず要求されます。それが「理系的センス」と呼ばれるものなのかも知れませんが、少なくとも数学や物理が得意かどうかとはあまり関係ない話だと思います。
例えば、小説家は「文字」という限られた手段を組み合わせて自分の思い描いた世界を組み立てていくわけですよね。作曲家も「音程」と「リズム」という要素を組み合わせながら一つの作品を仕上げていきます。こうした見方をすると、実はプログラムを作るのも全く同じ話で、それは理系・文系という区切り方を超越したところの話に見えてきませんか?
これらのもの作りに一通り手を染めてみた私としては、最近特にそう思うんです。実は「もの作りが好き」ということは、こういう頭の使い方を楽しんでいるということではないのでしょうか。
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