このタイトルで書く記事も3回目です。自作タワーにインストールしたWindows Vista Ultimate x64版は、私の財布に多大な負担をかけた(苦笑)末に、しばらくは何事もなかったように動いていました。何しろVistaちゃんのワガママはすべて聞き入れて、相当贅沢な環境を用意しましたから、動作は実にスムーズ。噂のFlip 3Dも、全く負荷を感じることなく滑らかに動きます。
このFlip 3Dのすごいところは、単にアプリケーションウィンドウを3次元的に並べて切り替えられる…というだけでなく、個々のウィンドウがリアルタイムで更新されながら動いていること。一番わかりやすいのは、メディアプレーヤーなどの動画ウィンドウが、ちゃんと再生されながらFlipされていくところでしょうか。Internet Explorerで表示しているFlashコンテンツもちゃんと動いています。ただ、同じWebブラウザでもFirefox上のFlashコンテンツは動いていません。アプリケーション側がアニメーション表示に対応しているかどうかがポイントのようです。
上の画像のように、Flip 3D中の画面が[PrintScreen]キーでキャプチャできるのにはちょっと驚きましたが、もう一つの驚きは、メディアプレーヤーで再生中の動画もちゃんとキャプチャされていたこと。Vistaでは…というよりAeroインターフェースでは、従来のように動画を「のぞき窓」を開けた中で再生するオーバーレイを使いません。動画を他のウィンドウと同列に扱うようになり、OS側から見ると理想的な形に近づいた…とも言えますが、「重い」処理であることは確かですね。また、この仕様変更のせいで、従来のTVチューナーボードは多くがVista非対応になってしまいました。
「しばらくは」と書いたくらいですから、Vistaちゃんのワガママはこれで収まったわけではありません。というのも、インストールしてからしばらく経った頃に、ハードウェアの故障が相次いだんです。
最初の被害者はマウス。私は、前にもご紹介したとおりの高級マウスを使っていました。ボタンの反応が悪い、カーソルの追従性が悪い…程度ならまだ何とかなりそうな気がするのですが、今回は「全く触れていないのに突然上下にスクロールを始める」という、非常に困った挙動を見せ始めました。これでは作業になりません。念のためにマウスドライバを再インストールしてみましたが、反応は全く変わりません。ホイールの回転検知センサーあたりが怪しいんですが、ハードウェアとして壊れているのではさすがにどうしようもありません。
メーカーに修理を依頼することも考えましたが、ちょうど気になっている製品があり、修理費と新品購入費用を秤にかけて、ここは買い換えることにしました。これまでと同じロジクールのMX Revolutionです。MX 1000の直系の後継といえる製品で、センターホイールのクリック感の有無を、アプリケーションや操作方法で自動的に切り替えるシステムを持っています。充電用スタンドも含めて、デザインには洗練された高級感が増した気がします。
MX 1000よりもやや小さくなった気がしますが、右手へのフィット感、ボタンのクリック感は良好。ホイールの回転も実にスムーズです。親指の掛かる位置にもシャトル動作をするホイールが付いていて、これを動かすとFlip 3Dが起動できるのはいかにもVista対応…と思わせてくれます。また、ドラッグして反転させた文字列を一発でWeb検索できるボタンが付いています。コンセプト自体は良いと思うんですが、x64版のInternet Explorerで検索結果が表示されてしまうのはちょっと困りものです。これが何とかなると絶妙の使い勝手なんですが。
本体側の無線の受信機は、充電器と一体だったMX 1000とは違い、USBメモリのような形をしています。最初はタワー背面のUSB端子に差し込んでありましたが、どうも動作が不安定なので、USB延長ケーブルで前面に引っ張り出して、マウスパッドのすぐ上になるあたりに両面テープで貼り付けてあります。これだけでずいぶん反応が良くなりました。これなら、1万円を出して飼う…ではなくて買う意味があるマウスです。
次の被害者は電源。ある日のこと、突然電源が入らなくなってしまいました。それまでは、全く同じ構成でごく普通に動いていましたから、以前あったような電源容量不足ということはないはずです。
ケースファンは回っているようなので、まずはBIOS周りの不具合を確認してみました。CMOSメモリをリセットしてから電源を再投入(これも過去の経験から試してみたわけですが)してみると、今度はケースファンが回りません。電源ユニット内のファンも回らなくなっていました。マザーボード上の通電を示すランプも点灯しません。完全に逝ってしまわれたようです(涙)。
我が家にはもう1台現役で稼働している通称「紫緒タワー」がありますから、電源をつなぎ替えてテストしてみました。完全に分解するのも面倒なので、片方を逆さにして向かい合わせ(こうすると、背面パネルは同じ方向を向きますからね)にして並べ、配線だけつなぎ替えました。問題の電源では紫緒タワーのマザーボードの電源も入らず、紫緒タワーの電源を私のマザーボードにつないだら無事BIOS画面にたどり着きました。これで、電源の交換が決定したわけです。
これまで使っていた電源は、電源容量と価格を重視した選択だったんですが、2年も経たないうちに故障してしまったわけで、結果的にちょっともったいない買い物になってしまいました。今回は価格よりもむしろ実績を重視してみよう…ということで、エバーグリーン・SILENT KING-5 PREMIUM EDITIONの560W版を選んでみました。販売店のPOSデータを集計したランキングによるBCN AWARDで最優秀賞も取ったことがあるブランドですね。
底面に120mm静音ファン、背面はメッシュ加工というレイアウトは最近ではすっかり一般的になりました。日本製のコンデンサ、アクティブPFC回路といった、最近の「品質重視」の電源のポイント仕様をしっかり押さえています。お値段は11,000円台で、これは高すぎず、安すぎず…といったところでしょうか。
新しい電源を取り付けたら、全く当たり前のように電源が入りました。これでひとまずほっと一息…だったんですが、残念ながらこの話にはまだ続きがあります。これまでは全く問題なく動作していたS3スタンバイ状態からの復帰に、確実に失敗するようになってしまったんです。OSのバージョンが新しくなるごとに、スタンバイ機能の使い勝手はどんどん良くなっています。Vistaでも、ほとんどシャットダウンはせずにスタンバイで作業を終了していました。これが使えない…ということになると、使い勝手はガタ落ちです。
S3からの復帰に失敗する問題には、以前も直面したことがあります。今回も何とかしよう!ということで、また頭をひねってみることにしましたが、この続きはまた回を改めて。
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