「青歯」といえば、ここで語られた場合にはもちろん、以前にも取り上げたことがあるBluetoothのこと。ごく近距離の無線通信で周辺機器をつなぐ統一規格で、歴史が意外に長い割に、日本ではなかなか普及しません。結構期待しているんですけどね。

Bluetoothを使う機器はいくつか持っていますが、不満なのはレッツノート・CF-R4にBluetoothが内蔵されていないこと。自社の携帯電話・P90Xiシリーズでは積極的にBluetoothを採用している一方で、レッツノートでは削ぎ落としているあたりが松下電器らしいといえるのかも知れませんが、良さそうなものは試してみたい私からするともの足りません。このときばかりは、VAIOやDynaBookがうらやましくなります。普段はUSB接続のアダプタを使っていますが、手間といい、見栄えといい、どうもスマートではありません。代わりの良い方法を探していたところ、おもしろい新製品が登場しました。

プリンストンテクノロジー・PTM-UBT3S

プリンストンテクノロジーのPTM-UBT3Sは、カタログによると大きさが14mm×19mm×4.5mm、重さは5.5gという超小型のBluetooth USBアダプタ。USBポートに差し込んだときの出っ張りはたった8mmしかありません。これだけ小さければ、ノートパソコンに差しっぱなしにして、Bluetooth機能を内蔵しているかのように扱うことができるかも知れません。俄然期待が高まります。

「9月上旬発売」ということでしたが、相変わらず浜松市内の店ではBluetooth関係機器の品揃えが非常に薄く、買いにに出かけて入手できるかどうかはかなり怪しいと思っていました。店頭で手に取ってみなければならないほどのものでもありませんでしたし、今回はネット通販で予約。9月6日あたりから秋葉原では売られ始めたようですが、私は9日の日曜日に自宅で入手できました。


いろいろなUSBデバイスと並べてみる

各方面の記事で紹介されているのを読んではいましたが、実際に手に届くとその小ささには驚かされます。これまでに「小さいなぁ」と思ったUSBデバイスはいくつかありましたが、並べてみると大きさを比べる気すらなくなります。もっとも、Bluetoothはあらゆる面で非常にシビアな制約が課せられる携帯電話に内蔵されるデバイスですから、ここまで小さくできるのは必要条件なのかも知れません。

CF-R4に差し込んでみる

実際にCF-R4に差し込んでみると、その小ささが実感できます。ただ、8mmとはいえ、パソコン本体から出っ張っていることは変わりません。差し込んだままで持ち歩こうとする場合には、この突起を引っかけないようにちょっと注意する必要がありそうですね。製品マニュアルによると、差し込んだまま持ち歩く行為は推奨していないようです。

セットアップは、先にソフトウェアをインストールして、途中の指示された段階で本体をUSBに差し込む…という手順。USBデバイスではよく見られるパターンで、迷うような箇所もなくスムーズに進みます。動作表示のLEDが青色なのは、やっぱり"Bluetooth"の名前を意識したのでしょうか。セットアップが完了すると2秒に1回くらいの間隔で点滅します。

東芝製Bluetoothドライバソフト

付属のソフトは東芝製で、日本語の説明はとてもわかりやすいですね。さすがはBluetoothの旗振り役・日本代表です。ヘッドセットのJabra BT800も、ダイヤルアップモデムとしての携帯電話P902iも、簡単にペアリングして登録完了。デバイスの接続が確立すると、LEDは点灯します。


ところが、PTM-UBT3SをCF-R4に差し込んだままにしたら、非常に困った問題が起こってしまいました。差し込んだままではスタンバイ状態に入れないんです。モバイルノートの運用上、スタンバイ状態が使えないのは致命的。「差しっぱなしでBluetooth内蔵」には、いきなり暗雲が立ちこめてしまいました。

抜いてからなら一応スタンバイ状態にすることはできるんですが、復帰させてみると状態はさらに深刻になってしまいました。コントロールパネルにはアクセス不能、再起動しようとしたら「権限がありません」。どうやら、システム管理者の権限が剥奪されてしまったようです。ログオフは可能だったので、再ログオンしてみると、一応状態は元に戻ってくれたように見えます。しかし、これではあまりに使い勝手が悪いだけでなく、どうも精神衛生上よくありません。

プリンストンのWebサイトに最新版のドライバ(Version. v5.10.15)が公開されていたので、これに入れ替えてみたところ、これらの不具合は解消したようです。レッツノートのディスプレイを閉じればちゃんとスタンバイ状態に移行しますし、復帰にも問題ありません。理不尽な権限の剥奪も起こりません。

外付けデバイスであることを感じさせないハードウェアと、日本製ならではの使いやすさが嬉しいソフトウェア。自信を持ってお薦めできる一品です。ただ、問題があるとすれば、Bluetoothというインターフェース規格自体がなかなか普及しないところでしょうか(苦笑)。

余談ですが、最新版のドライバが公開されたときに、久しぶりにPTM-UBT3Sを挿してみようと思ったんですが、どこを探しても見つかりませんでした。モバイル用のデバイスを詰め込んだポーチをもう一度ひっくり返して、よ~く探してみると…ありました、ありました。

「ちょいテレ」の外部アンテナの底に張り付くPTM-UBT3S

PTM-UBT3Sは、「ちょいテレ」の外部アンテナの底に付いている磁石に張り付いて、じっと隠れていたんです。一時は、「EDGE PCカード家出事件」の再来か?とかなり焦ったんですが、ほっと一息。改めて、その小ささを実感しました。


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