先日機種変更をした、私の新しいケータイ・N905iμ。905iシリーズは「ALL IN」を標榜するだけに、実に様々な機能が内蔵されています。依然として全貌は掴みきれていないんですが、気になったところから少しずつチェックしています。まずは、フルブラウザの話から。
iモードではWebサイトが見られる…とはいうものの、基本的にはiモード向けに作られたものしか見ることができません。パソコン用のページを見ようとしても、いろいろなところに不具合が出てきてしまいます。だからこそ、「SSK World mobile」のようなものを作る必要が出てくるわけですね。
より多くのWebサイトをケータイから見たい…という要望に応え、パソコン用に作られたWebサイトをそのまま閲覧できる「フルブラウザ」が、ケータイに内蔵されるようになってきました。もちろん、N905iμも例外ではありません。
しかし、気をつけなくてはならないのは、フルブラウザでのWebサイト閲覧時のパケット通信は、「パケ・ホーダイ」の定額通信対象外になること。これを知らずに使ってしまうと、後からとんでもない高額の料金請求にびっくりすることになります。ただでさえ、パソコン向けサイトはiモードサイトよりもかなりデータサイズが大きいですからね。
N905iμを購入するときに、パケット通信定額サービスを、フルブラウザ分も定額になる「パケ・ホーダイフル」に切り替えておきました。5,985円というのは正直なところ高く感じますが、音声プランの基本料金が大幅に安くなってくれたことですし、試しに数ヶ月でも使ってみようと思ったわけです。
N905iμには、2種類のフルブラウザが内蔵されていて、それぞれ「スタンダードタイプ」「ビューアタイプ」と呼ばれます。パソコン用に作られたWebサイトを閲覧できるのはどちらも同じなんですが、その内容はかなり違います。
N905i/iμにのみ内蔵されているのが、ビューアタイプのブラウザ。起動すると、Webページの画面幅に合わせて、縮小された状態でページが表示されます。このままでは文字はとても読めませんが、全体の雰囲気を大まかにつかむことができます。
内容を読みたいときには、表示を拡大することになります。スムーズな多段階の拡大・縮小ができるのが、ビューアタイプの持ち味です。
画面を横向きに使うこともできます。854ピクセルの横幅があれば、多くのWebサイトをパソコンと同じ状態で表示することができますね。もっとも、横向きの状態では本体を手で持ちにくいのが難点ではありますが。
スタンダードタイプの方にも、他社端末のブラウザとはひと味違う機能強化が行われています。ビューアタイプほど柔軟な拡大・縮小はできませんが、その代わりにInternet Explorer 7やFirefoxなどのパソコン用ブラウザでお馴染みのタブブラウジングが可能になっているんです。複数のページを開いたままの状態で、切り替えながら見られるんですよね。
今回のテーマからすると余談ですが、タブブラウジングはiモード用のブラウザでも使えるようになっています。メールに書かれたURLをクリックすると、新しいタブでページが開きますから、メールが届くときに見ていたサイトにもすぐに戻ることができます。プッシュ型情報配信サービスのiチャネルも、新しいタブとして開きます。パソコンの世界では当たり前だった機能なんですが、ケータイに持ち込んだことで、ここまで使い勝手が良くなるとは思いませんでした。
ビューアタイプ、スタンダードタイプの両方で、縦型画面で見たときに画面幅に収まるように、自動的に調整して表示させるモードを持っています。レイアウトがかなり崩れてしまい、特に広告の部分は見られなくなってしまうものもあるのは残念なところですが、それでも意外に見られる形には収まるものです。
出先でパソコン用のWebサイトが見られる環境としては、レッツノート・CF-R4も、スマートフォンのW-ZERO3[es]も既に持っているわけですが、N905iμのフルブラウザを使っていて嬉しいのは、すぐに見たいページが見られること。使っていない状態からブラウザを起動させるまでの時間は、他のデバイスより圧倒的に短くて済みます。また、ページの読み込み速度自体も速いですね。額面通りの数字は出ていないはずですが、最大3.6MbpsのFOMAハイスピードは、ウィルコム4x回線の128kbpsと比べると劇的に高速です。
一方で、ちょっと不満なのは画面が小さいこと。もっとも、これは私がレッツノートの10.4型・1024×768ピクセルの画面と比べてしまうからでしょうね。解像度自体は十分にありますから、小さく表示される文字が苦にならないのなら、情報量では十分実用レベルです。
そして、ほかのデバイスと比べて決定的に不利なのは文字の入力。N905iμの文字入力は、巷のケータイの中ではかなり良くできた方だとは思いますが、それでもあまり長い文章を書くのには向きません。また、パソコンとは違い画面上をマウスでポイントすることができないのも痛いところです。JavaScriptやスタイルシートへの対応は行われているようで、Movable Typeの管理画面も何とか操作できそうなんですが、これでブログの記事を更新するまでの根性はありませんね。マウスのように使える「ニューロポインタ」を装備したN905iなら、操作性はちょっと違うのかも知れません。
ケータイのフルブラウザは、その名の通り閲覧する(Browsing)だけの目的なら十分使えると思いますが、ブログの管理など、ブラウザを通してアプリケーション的に利用するには足りなさそうです。こうした部分を埋めようとして、スマートフォンへ、さらにはモバイルノートへ…と手を伸ばすと、大きく、重く、バッテリーでの動作時間も短くなってしまいます。どの部分まで必要なのかを見極めることが重要ですね。
パケ・ホーダイフルを継続してフルブラウザを使っていくかどうかは、まだ決めかねています。フルブラウザの使い道は見えてきた気がしますが、そのために約2,000円(パケ・ホーダイとの差額)を毎月払い続けるだけの価値があるのかどうか。他の手持ちの機器の利用状況も合わせて考えなくてはなりませんから、頭の痛いところです。
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