ついに、話題の初音ミクが私のメインスタジオにやって来ました。レッツノートでの試用期限が切れたので、今度は自作タワーの方にインストールした…というわけです。
レッツノートでの試用で、歌わせるための操作が比較的簡単であることはわかりました。自作タワーで確認したかったのは、x64版Vistaでの動作状況と、現在メインに使っているSONAR 7 Producer Editionとの連携方法。もし実際に購入すれば、当然自作タワーで使うことになるわけですから、これらの確認は非常に重要です。
販売元のクリプトン・フューチャー・メディア社によると、VOCALOID2シリーズはWindows Vistaのx64版に対応しています。ただし、「初音ミク」体験版自体は32bit版のソフトウェアなので、WOW64によるエミュレーション動作ということになりますね。動作環境は「Pentium4 2.8GHz / Athlon 64 2800+以上を推奨」となっていますから、Athlon 64 X2 5600+なら余裕綽々のはずです。
また、他の音楽制作ソフトとの連携では、VST Instrument(VSTi)とReWireがサポートされています。前者はソフトウェア音源として組み込まれ、ホストからのMIDIデータの送信により発音します。後者は、スタンドアロンの音源が出力するデジタル信号を取り込んで、演奏を同期させる…という方法での連携を行います。ただし、SONAR 7の場合にはReWireのみの対応であることが、Webサイト上のサポートコーナーに書かれています。VSTiでは歌声のパラメータを細かく調整するのが面倒そうなので、スタンドアロンのVOCALOID2 Editorが使えるReWire接続の方が良さそうです。
自作タワーにVOCALOID2 Editorをインストールしてみたところ、最初の問題にぶち当たりました。歌声がスムーズに再生されず、等間隔にノイズが入るんです。USB2.0接続のUA-101経由でも、マザーボード内蔵のオーディオデバイス経由でも、ノイズの入る間隔が微妙に違う気がしますが、基本的には同じ症状です。
セキュリティ管理ソフトやVistaサイドバー、その他いろいろな常駐ソフトを無効にしてみたり、アプリケーションとバックグラウンドサービスの優先順位を変更してみたり…と、いくつか対策を打ってみたんですが、状況は改善しません。WAVファイルへの書き出しは普通にできているようなので、問題なのはリアルタイムでの再生処理だけということになりますが、原因は今のところ不明です。
音切れの問題は解決していませんでしたが、とりあえずソフトの連携も試してみよう…ということで、SONAR 7とReWire接続してみることにしました。ところが、こちらもいきなり壁にぶち当たりました。VOCALOID2 EditorがSONAR 7のメニュー上でReWireデバイスの一覧の中に表示されず、接続ができないんです。お互いのマニュアルに沿って、何度もやり直してみたのですが、どうもうまくいきません。
両ソフトのマニュアルを隅から隅まで読み直してみて、ようやく気が付きました。x64版のSONAR 7では、32bit版アプリケーションとのReWire接続ができないんです。x64版のソフトウェア自体が非常に少ない現状で、この仕様では非常に困ります。対応ソフトが少ないから使う気にならない、ユーザーが少なくなるから対応ソフトが増えない…という悪循環の元なんですよね。
VSTについては32bit版のものでも接続できる対策を用意しているくらいですから、Cakewalk社でも32bit版ソフトとの連携の重要性は理解しているのでしょう。Windows Vistaのシステム自体が対応しきれないくらいですから、大変な作業なのでしょうけど、さらなる対応を望みたいところです。
このまま放っておく訳にもいかないので、一度x64版のSONAR 7をアンインストール。改めて、x86版をインストールし直しました。今度は、ReWireデバイスの一覧にVOCALOID2が表示されるようになりました。しかし、ReWireで接続してしまうと、今度はオーディオエンジンを有効にすることができず、当然ながら再生もできません。結局、連係して動作させられない状態が続いています。
そうこうしているうちに、初音ミクの試用期限が切れてしまいました。しかも、14日間が経過したわけではないのに、突然メッセージが表示され、起動できなくなってしまいました。ダメでもともと…と、アンインストールしてからインストールし直してみましたが、やっぱりダメ。対策を見つけるチャンスすらなくなってしまいました。Windows Vistaを再セットアップすれば、もう一度インストールすることはできるのかも知れませんが、現在自作タワーは他にもいろいろと使っているところですから、そこまでする余裕がありません。
レッツノートを使えば楽曲制作ができることはわかっていますから、製品版を購入して使っていく…という選択肢もあるのかも知れませんが、これはとても快適とは言えない作業環境になります。「彼女」と正式に契約したい気持ちもありますが、もうしばらくの間は頭をひねることになりそうです。
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