6月1日から30日まで、下田では「あじさい祭」が開かれています。下田市街の南にある小高い丘が下田公園として整備されていますが、この山が丸ごと数々のアジサイで埋め尽くされています。その数、何と約15万株だとか。この週末は、紫緒のご両親がはるばる浜松から来てくれたので、祭り期間最後の週末ですし、アジサイの花を楽しみに出かけました。
下田公園へは、伊豆急下田駅から徒歩で約15分。一人で行くのなら、この程度の距離は迷うことなく歩きますが、家族連れではそうそう無茶もできません。今回はバスに乗って行くことにしました。バスは立ち席まで含めてぎっしり満席。黒船祭のときにも思いましたが、どこからこんなにたくさん人が出てくるのやら。
丘の上へと続く遊歩道は、その両脇がアジサイの株でぎっしりと埋め尽くされています。アジサイの場合、同じ種類でも植えられている場所の土壌環境で色が変わりますし、花が咲いている間でも色が変わっていきます。こうして生まれる青、紫、赤、白…様々な色を楽しむことができます。
高いところまで上ると,、下田港と下田市街の町並みを一望することができます。見回すまでもないほどこぢんまりした中に、建物が集まっているのがわかります。市街地のすぐ近くまで山が迫っている…というより、平地そのものが少ないんですね。
この日は一日曇り空でしたが、幸い雨に降られることはありませんでした。普通は、花を見るなら晴れた日が一番なんですが、アジサイの場合には例外的にこんな日が似合います。それどころか、雨に濡れてもまた絵になる花ですからね。できればまた写真を撮りに訪れたいところです。
この時期は、いろいろな場所で「あじさい祭」が開かれていますが、山が丸ごと…というスケール感は、他ではなかなか見られないかも知れません。一見の価値ありです。ただし、上り下りのある歩きのコースになるので、ちょっと体力的に準備しておいた方がよいかも知れませんね。
下田公園を降りてくると、ペリーロードに出てきます。黒船に乗って来たペリーが、幕府と条約を結ぶために下田港から了仙寺まで歩いた経路で、川沿いの石畳の道には柳が植えられて、建物も石造りだったり、なまこ壁だったり…と、なかなか雰囲気のある街道になっています。
そんな場所にコンクリート剥き出しの電柱が立っていたり、バイクが止めてあったりするのを見ても、意外に違和感はありません。歴史的な景観を保存しているというよりも、むしろレトロな雰囲気を楽しんでいるのが感じられます。肩の力の抜け具合が気持ちいいですね。
そういえば、ペリーロード近辺に限らず、下田の街を歩くと喫茶店をよく見かけます。どうしてこんなに多いのかはわかりませんが、こうした街の雰囲気を楽しみたい人が多いからなのかも…と思ったりします。
余談ですが、下田公園やペリーロード付近の地名は「静岡県下田市三丁目」。「下田市」と「三丁目」の間に文字が抜けているわけではありません。「浜松市中区○○一丁目2-3」のような住居表示に慣れている身からすると、特に「下田市3-x-x」のように略記されているときにはかなり違和感があります。
下田の市街地は実質的に港の周辺しかありませんから、これで十二分に住居表示が機能するんでしょうね。考え方としては、「三丁目」という大字がある…と思った方がわかりやすいのかも。ちなみにこの住所、「一丁目」から「六丁目」まであって、郵便番号には「415-0021」から「415-0026」までが綺麗に割り当てられています。
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