昔から、テレビの連続ドラマはあまり見ない方だったんですが、最近は紫緒に付き合って結構いろいろ見ています。見始めるときには正直なところほとんど期待していないんですが、見始めると次回の放送が気になってきて、ついつい見続けてしまいます。
現在見ているドラマの一つに、火曜日午後9時からフジテレビ系列で放送されている「メイちゃんの執事(公式サイト・かなり動作が重いので注意)」があります。少女漫画が原作で、庶民の女の子が超お嬢様学校で奮闘する…というストーリーはいかにもありがちな気がするわけですが、それでも気がつけば毎回ちゃんと見ています。あとは明後日の最終回を残すのみです。
このドラマ、毎回冒頭に物語の舞台である「聖ルチア女学園」の外観が映ります。門を入ると庭園が広がり、その奥にそびえ立つのはいかにもゴージャスな建築の校舎…なんですが、第1回の放送でこれを見た瞬間、私たちには共通の電撃のようなものが走りました。これは確かにどこかで見た風景です。
それがどこかを思い出すのに、大して時間はかかりませんでした。あの庭園の雰囲気、背景の山並み…河津バガテル公園です。今年度になってから、もう何度も足を運んでいる場所ですからね。間違いありません。
学園内の庭園を歩いている場面で、またしても同じ感覚に襲われました。丘の上に広がる英国風のバラ園、高台にはガラス張りの温室…この風景は虹の郷そのもの。こちらも、秋に2度足を運んでいる場所です。
スタッフロールを見ると、撮影協力のところにちゃんと「虹の郷」「河津バガテル公園」と書かれていました。公式Webサイトにあるブログを見ると、河津での撮影風景もちゃんと載っています。あの校舎は、1階中央部分はオランジュリー(休憩所)の窓がそのまま使われているようなんですが、その上はさすがにセットではなくてCGでしたね。
それ以来、毎回のように「バガテル公園だ」「虹の郷だ」と指さしながら見ることになりました。ドラマそのものでもちゃんと楽しませてもらいましたが、他に注目するところがあるのはこれまた楽しいものです。
そうなってくると、気になるのは他のロケ地はどこなんだろう?ということ。屋外のシーンが出てくるたびに、目を皿のようにして見ていました。海の映ることが結構多かったので、伊豆のどこかが出てこないかな?と思っていたんですが、結局場所が特定できるような場面はありませんでした。
テレビドラマや映画に欠かせないのがロケ撮影。架空の世界を映像化するときでも、最近のようにCGが駆使できるならいざ知らず(それでもすべてをCGで作るのは予算面で無茶ですが)、現実には実在のどこかの風景を借りなくてはなりません。制作スタッフが、自分たちの目指す映像のための理想の場所を探して、それこそ世界中を飛び回るわけです。
最近は、地方公共団体や観光協会などの側が積極的にロケ地の誘致を進める「フィルム・コミッション」という仕掛けも見られます。テレビドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」の松崎町はまさにこれ。昨年夏に放映されたTBS系列の「Tomorrow」では、東伊豆町が全面的に協力したのだそうです。市役所のシーンを撮影するのに、本物の東伊豆町役場を使ったのだとか。残念ながら、どちらも私は見ていなかったんですけどね。
フィルム・コミッションの側からすると、映画やドラマの撮影隊が来ることによる経済効果だけでなく、背景に地元の風景が映ることで知名度アップや観光客の増加を期待するわけですね。ただ、出来上がった作品に実際の地名が登場するならともかく、そうでない場合には、作品を見て私たちがその地域を意識するかどうかはかなり微妙な気がします。
自然の豊かな伊豆は、皆さんの普段の生活からちょっと離れた風景を提供できる素質を十分持っていると思います。テレビの画面を通して楽しんでいただきたいですね。もっとも、実際に来て見ていただくのには到底かなわないと思っていますが。
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