Weekend SSK in 箱根

11月1日から、伊豆スカイラインの通行料金が値下げされました。伊豆スカイラインは、東伊豆の尾根筋を熱海峠から天城高原まで走る40.6kmの観光道路。首都圏から伊豆に観光に来るときに、慢性的に渋滞している国道135号線の迂回路として使うこともできます。今年7月に就任した静岡県の川勝知事が、伊豆観光の振興策として値下げを打ち出し、これまで普通車で全線走ると960円かかっていたところを、料金の上限を200円に…という形で、期間限定の社会実験として実施されています。

皆さんにとっては、伊豆に遊びに来るちょっとしたきっかけになるのかな?と思っているわけですが、伊豆半島の先っぽに住んでいる私たちから見ると、全く発想が変わってきます。今回の値下げを受けて我が家で浮上したのが、「伊豆スカイラインを通って箱根に行こう!」というプラン。首都圏の皆さんにとっては、日帰りでも遊べるレジャー盛りだくさんの観光地である箱根なんですが、私たちにとっては伊豆スカイラインを「南から北に走り抜けたすぐ向こう」です。

その箱根といえば、私たち静岡県民にとっても身近なリゾートの一つ(首都圏からほどアクセスは良くありませんが)ですが、実は私はまだ行ったことがありませんでした。既に何度も足を運んでいる妻・紫緒からは「え~っ、行ったことないの??」と思いっきりからかわれつつ、初めての箱根を楽しみにしていました。


当日・7日は、朝8時過ぎに自宅を出発。さすがに今回は半日旅行というわけにはいきません。まずは、走り慣れた国道135号線を伊東方面に向かいます。伊豆ぐらんぱる公園(そういえばここにもまだ入ったことがありません)の前の交差点で「伊豆スカイライン」の案内看板に従って左折し、伊豆高原のラーメンどんぶり・大室山の山麓を通り過ぎてひたすら坂を上ると、天城高原の伊豆スカイライン入口に到着します。

伊豆スカイラインの料金精算方法は、入口料金所で行き先を聞かれ、行き先に応じた通行券を購入し、出口料金所で半券を渡す…という手順になります。入口で「熱海峠まで行きます」と告げて、200円を支払いました。

巣雲山駐車場:富士山を見る紫緒と娘 東伊豆の稜線を進む伊豆スカイラインでは、東側を見下ろせば相模湾が、そして西側には富士山が見えます。特に、写真の巣雲山のように富士山がよく見える場所には展望駐車場が確保されていて、たくさんのバイクや車が止まっていました。

びっくりしたのは、とにかくバイクが多いこと。途中の亀石峠にあるドライブインでは、駐車場がほとんどバイクで埋め尽くされていました。確かに、多彩なコーナーの続く道路は、いかにもバイク乗りが好きそうです。ただ、困ったことに二輪車による事故率もかなり高いのだとか。バイク乗りの皆さん、くれぐれも安全運転を…と言ってもなかなか難しいのかも知れませんが、少なくとも事故にだけは遭わないように、起こさないように、気をつけて。


熱海峠からさらに県道を北へと進み、国道1号線にぶつかると、静岡県から神奈川県に入ります。そして、そこはもう箱根です。案内標識に従って旧国道1号線を走れば、程なく芦ノ湖が見えてきます。

まずは、遊覧船の「箱根海賊船」に乗って湖上から景色を楽しみました。海賊船の乗り場は3カ所。芦ノ湖南側の箱根町港・元箱根港と、北側の桃源台港で、これらを順番に巡っています。伊豆スカイライン側から入ると、箱根町港はすぐ近く。ここから一回りすることにしました。

芦ノ湖上から見る紅葉 ちょっと気になっていた天気もすっかり快晴に。澄み渡った青空と深いブルーの湖面、そして山々の紅葉がとてもきれいだった…んですが、写真にはなかなかうまく残せないものです。

そんな景色を楽しもうと、甲板の上は人であふれかえっていました。気がついたのは、外国人の観光客が多かったこと。中国語らしき会話も結構聞こえてきました。たまたまそういう巡り合わせだったのか、それともHAKONEは意外にグローバルなSightseeing Spotなのか…それはわからないんですけどね。


次に向かったのは、「星の王子さまミュージアム」。「星の王子さま」は、フランス人の作家サン=テグジュペリが1943年に発表した児童文学の作品。自信の描いたかわいらしい挿絵がつけられ、子供向けに書かれているとはいうものの、大人たちも考えさせられる数々の示唆に富んだ記述が見られる作品です。世界各国で翻訳されて、広く読まれています。…と説明しなくてもご存じの方が多そうですね。

偉そうに紹介をしているわけですが、実は私はこの作品を読んだことがありませんでした。ここを訪れたのは紫緒の推薦。ところが、彼女に訊いてみたところ、彼女もまだこの作品は読んだことがないのだとか。これは是非一度読んでみなくてはなりません。

星の王子さまミュージアム・フランスの街並み 飛行家としても知られるサン=テグジュペリの一生を追いかけた館内展示も見応えがあって楽しめますが、ミュージアム全体の外観が、彼が幼少の頃を過ごした20世紀初頭のフランスの街並みをイメージした作りになっていて、なかなか雰囲気があります。「星の王子さま」のストーリーを知らなくても、十分楽しめる場所ではないでしょうか。


秋の箱根と言えばやっぱりこれでしょ!という、紫緒の一番のおすすめスポットが仙石原のすすき。台ケ岳の麓に広がる約16haの広大な斜面が、一面すすきで覆われた草原になっています。これが秋になると黄金色に染まり、何とも言えない味わいになるのだとか。特に夕日に照らされたときが一番綺麗だ…ということで、午後3時過ぎに星の王子さまミュージアムを出発しました。

車窓から見る黄金色のすすき:紫緒撮影 1kmもないくらいのすぐ近くなんですが、出発するとすぐに道路は渋滞に。車窓からすすきが夕日に照らされるのを眺めながら、臨時の駐車場に向かいました。運転手の私も落ち着いて景色を眺められたわけですから、あまり怒らないことにしましょう。

しかし、この駐車場が結構遠い場所で、すすきを見に行くためには500m以上歩かなくてはなりません。私一人ならここでロケットダッシュ!…というところなんですが、さすがに紫緒と娘が一緒ではそうも行きません。普通に娘を抱っこしながら歩きました。

仙石原・逆光に光るすすきすすき野原の入口に着いてみると、既に太陽は雲の間から山に隠れつつありました。ちょっと時間と天候の読みが甘かったようです。それでも、逆光で夕日に照らされるすすきを見ながら、しばし雰囲気に浸って帰ってきました。

仙石原のすすき野原は、是非また足を運びたい場所になりました。今度こそは、黄金色の夕日に輝くすすきを見逃さないようにしたいものです。


帰り道は、素直に仙石原から国道138号線を通って御殿場に向かいました。ここからは東名高速に乗って沼津まで、そこから先は天城越えルートということになるわけですが、せっかくここまで出かけてきたので、もう少し寄り道をしていこう!ということになりました。ここから先は、ちょっと回を改めて…ということにしましょう。


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