今週は、所用で東京に出かけることになったので、帰り道に秋葉原にちょっと寄っていくことにしました。東京には3ヶ月前に行ったばかりなんですが、あのときは実に盛りだくさんで、あそこまで足を伸ばす余裕はありませんでした。
妻の紫緒に聞くと、秋葉原については路上で無差別殺傷事件が起こって以来「危ない町」というイメージがなかなか抜けないようです。でも、それを言い出すと、もはや「安全な町」なんてどこにもないような気がします。もっとも、どこか怪しい香りのする町ではあるかも知れません。今回も、超派手な色使いの、ちょっと際どいデザインの衣装を着た女の子たちが、ビラ配りをしているのを結構見かけました。
秋葉原に行ったのは1年ぶりくらいになります。これだけ間隔が開くと、出かけるたびに何かが変わっているわけですが、今回一番驚いたのは、紳士服のアオキが中央通りに店を出していたこと。駅前には高層ビルが建ち並ぶようになり、秋葉原もだんだん「普通の町」になっていくのかも知れません。一方で、それを簡単には許さない、得体の知れないエネルギーも持ち続けている気はしますが。
今回の秋葉原行きの目的は、発売されたばかりのいろんな製品に実際に触れてみること。浜松に住んでいる頃は、市内の店に出掛ければ用が足りたんですが、下田に住んでいると、これはなかなか大変なことです。私が触れてみたいようなマニアックなモノに出会うためには、最低でもサントムーン柿田川のエイデンあたりまで出掛けなくてはなりません。
今回の目的の製品は、秋葉原まで行かなくても見られそうなものばかりではありましたが、そこはやっぱり日本最大の電気街。展示の内容も、店員とのやりとりも、相応にレベルの高いものが得られることを期待していました。
ちなみに、今回はあくまでも「実際に触れてみること」が目的であり、店頭で購入する気は全くありません。自作用パーツだと、店頭で掘り出し物を見つけることもあるわけですが、完成品の場合、最近はネット直販でしか購入できない仕様のものがずいぶん増えてきましたからね。もっとも、今回の場合は購入するための資金そのものがない…というのが現実ですが(泣)。
今回、最大の注目だったのが、先月に登場したソニーの超薄型・軽量モバイルノート、VAIO Xシリーズ。一般の注目も高い製品なだけに、多くの店舗で動作品の店頭展示が行われていました。
店頭で触れてみたい目的は大きく分けると3つあります。その一つ目は、持ったときの重量感や重量のバランスを確認することなんですが、これを確認するのは意外に大変です。まず、バッテリーを装着せずに展示してあり、そもそも重量を実感できないことがかなり多いんです。店舗によっては、重量を本物と同じに調整したダミーのバッテリーが装着されています。モバイルノートの展示は、やっぱりこうでなくては。
重量はもちろん軽いんですが、体積がそれ以上に小さくなっているので、持ってみるとかなり中身が詰まっている感覚があります。重量は軽くても体積は意外と大きなレッツノートの場合、重心位置が少々偏っている(これを逆手にとって持ちやすい形にもできるわけですが)のがわかるんですが、VAIO Xの場合は1枚の均質な板を持っている感覚です。
二つ目は、筐体の強度を確認すること。これについては、画面を閉じた状態でひねってみることにしていますが、これについても問題はなさそうです。といっても、ガチガチに堅いわけではなく、適度に柔らかく微妙にたわみ、粘りがあります。レッツノートもそうなんですが、筐体がいきなり破損する前に変形して衝撃を吸収する考え方なのでしょう。あと、バッテリーが装着されると剛性が格段に高まることにも気付きます。VAIO Xくらいぎりぎりの設計になると、すべてのパーツが強度確保に貢献しているのでしょうね。
強度と言えば、もう一つ気になっていたのが折りたたみ式のLANコネクター。薄さに貢献している機構の一つなんですが、展示品の中にはこの開閉機構の部品が折れて破損しているものがいくつか見られました。部品が折れる前に外れる仕組みになっていると聞いていたんですが…。展示されている期間は1ヶ月そこそこのはずなのに、これでは不安です。まあ、実際に使うときには有線LANの出番はあまりなさそうなので、取り扱いにちょっと気をつければ済みそうな話ですけどね。
三つ目のポイントは、操作感の確認。これについてはほぼ予想通りでした。Atom Zシリーズを採用している以上、快適なパフォーマンスを期待してはいけないわけですが、Aero効果をONにすると、思っていたとおりウィンドウ描画を微妙に待たされるようになります。ウィンドウを上端までドラッグして最大化する動作や、ウィンドウを左右に振って他のウィンドウの表示を最小化する「Aeroシェイク」では、明らかに「重さ」を感じます。
このあたりのことはソニーでも気にしていたのか、VAIO Xでは工場出荷時はAeroがOFFにされているようです。とはいえ、UIがWindows 7の魅力の一つなので、私が使うとしたらAeroはON。この程度の重さなら、使っているうちに「こんなものだろう」と慣れてきそうな気がします。逆に言うと、それだけ7のAeroインターフェースには魅力を感じているわけです。
もう一つ気になっていたのがキーボード。type Pと同じような、各キーの間に隙間のある電卓みたいな形状のキーボードですが、これについては全く問題はないですね。もちろんデスクトップ機よりはストロークがずっと浅いわけですが、堅めの感触は、個人的にはCF-R4のキーボードよりも好みかも知れません。
11.1型ワイドの液晶画面も、想像していた以上に見やすく仕上がっています。総合的に見れば、インターフェース部分については十分満足できるレベルです。あとは、ちょっと欲張った作業をしたくなったときなど、基礎体力の余裕のなさをどこまで我慢できるのか?が、VAIO Xを「買い」と判断するかどうかの分かれ目になりそうです。
新しいレッツノート・CF-S8Hとも、今回が初対面となりました。もっとも、こちらは新製品とはいえ従来のレッツノートの流れをそのまま汲んでいる製品ですから、それほど驚きがあるわけではありません。
実際、良くも悪くも期待通りの仕上がり…というのが正直な感想でした。操作にはストレスを全く感じませんが、従来のレッツノートよりも向上しているポイントが多いわけですから、これは当然。筐体のタフな仕上がりも今まで通りです。しかし相変わらず筐体の分厚さは気になりますね。半分以下の厚さのVAIO Xを見た後なので余計に気になったのかも知れません。
CF-S8でもう一つポイントになるのが、モバイルWiMAXを標準で内蔵していることです。モバイルWiMAXに関する展示は多くの店で行われていて、実際に使えるようにしてある本体に触れることができました。店頭デモの計測結果では下りが10Mbps弱、上りは1Mbps強といったところ。従来の無線アクセスとは比較にならないほどの速度ですし、それどころか我が家のADSLよりも高速です。
すでに10月から静岡・浜松の市街地ではUQ WiMAXのサービスが始まっていて、年内にはかなりエリアを広げてくるようです。現時点では紫緒の実家はサービスエリアの境目で、使えるかどうかギリギリの場所ですが、年内には十分カバーされそうです。
下田市はもちろんサービスエリア外で、今後の予定も全くありません。これでは月額料金がもったいない…となるところなんですが、UQ WiMAXでは24時間で600円の「1DAYプラン」も用意しています。無線LANの一時利用に似た感覚ですね。これ以外の固定費用は発生しません。ひと月に使うのが7日以内ならこちらの方がお得…ということになります。これなら実家に帰省しているときだけ使うこともできますね。なかなかおもしろい存在です。
コメントを残す