暦の上では春となりました。伊豆半島では、暦にほぼ沿って2月上旬から春の観光シーズンが本格的にスタートします。河津や南伊豆をはじめとして、早咲きの桜が各地で見頃を迎えています。熱海や修善寺などの梅園も見頃になっているようです。
この時期の伊豆の風物詩としてもう一つ、大室山の山焼きがあります。SSK Worldでは「伊豆高原のラーメンどんぶり」でお馴染み(?)の大室山は、一面カヤで覆われた山ですが、これの生育を促すために、毎年この時期に山に火を放ち、すべて焼き払います。写真やテレビニュースの映像では見たことがありますが、これはなかなかの迫力です。
毎年第2日曜日に行われる…ということで、今年は今日の予定でしたが、悪天候のため来週の日曜日・21日に延期されることになりました。今日は実施されれば見に行こうかと思っていたのですが、来週は残念ながら他の予定が既に入っていて行けません。何とも残念です。
下田に住み始めてから、もうすぐ2年になります。この間、妻の紫緒と、娘と一緒にいろいろなところに遊びに出かけました。有名な観光スポットも、実際に行ってみるとちょっとガッカリ…なんてことも時にはあると思うんですが、伊豆では不思議なくらいそうした「外れくじ」を引いたことがありません。
下田に来たばかりの頃は、親戚や友人にも「せっかくだから遊びにおいでよ」とよく声をかけていました。しかし、なかなか来てくれる人はありません。これまでに下田の私たちのところに来てくれたのは、紫緒のご両親と彼女の弟さん、あとは親戚のご夫婦がもうひと組。私や紫緒の友人は、今のところ遊びに来たことはありません。
そんな中、ついにうちの弟・ささっちと妻のぶんたさんが遊びに来てくれることになりました。しかし、彼らが来るのは3月中旬。河津桜まつりがちょうど終わった後です。伊豆高原などのソメイヨシノの桜まつりはもう少し先になります。
ちょっと残念ではありますが、彼らも好きなときに休みが取れるわけでもないでしょうし、この時期なりに楽しんでもらえれば…と思っています。例えば、松崎の「田んぼをつかった花畑」あたりは、この時期が結構楽しめますね。まあ、あそこがいちばん燃え上がるのは5月になってからですが(笑)。
最近は、あまり熱心に「下田においでよ」と言わなくなりました。誰も来てくれなくて嫌気がさした…わけでは決してなく、今でももちろんウェルカムです。ただ、私たち自身が下田の「遠さ」を身をもって知ってしまったため、無理に下田行きを勧めにくくなっている面はあるのかも知れません。
浜松に帰省するときでも、他のどこかに出掛けるときでも、まずは伊豆半島から脱出しなくてはなりません。前にも触れていますが、車の場合最短・最速なのは国道414号線を「天城越え」して伊豆半島のど真ん中を突っ切るルート。しかし、これでも東名高速の沼津ICまでは2時間くらいかかります。
首都圏から来る場合には、昨夏の横浜行きのような東海岸経由のルートもありますが、爽快感はともかく時間はさらにかかります。船で土肥港に入ってくる西回りのパターンもまた然り、です。
公共交通機関を使う場合は、熱海からJR伊東線、伊豆急行線を利用するのが常識的でしょう。これらは相互乗り入れしているので、日中なら乗り換えなしで熱海駅から伊豆急下田駅まで1時間半前後。自動車に比べれば速いんですが、それでもやっぱり長い旅です。
気をつけなくてはならないのが、伊豆高原駅での「車両交換」をする便があること。列車には「伊豆急下田行き」と表示されていますが、実質的には伊豆高原止まりで乗り換えが必要…ということで、何だかだまされたような気分になります。初めて車内放送で「車両交換をいたします。皆様、お乗り換えが必要です」と聞いたときには、意味を把握するのに少々時間がかかり、その後思わずのけぞりました。
もう一つ伊豆急ですっきりしないのは、Suicaが使えないこと…だったんですが、これは来月には解消。伊豆急全線で使えるようになります、しかし、それでも私にはあまり意味がありません。というのも、現在導入が進んでいる各社の非接触ICカード乗車券サービスは、JR地域会社をまたぐ区間では使用できないんです。伊東線は全線JR東日本なんですが、熱海駅から西はJR東海になりますから、例えば「伊豆急下田~沼津」のような静岡県内だけを移動する区間でもSuicaやPASMO、さらにはJR東海のTOICAも使えません。この分断、そろそろ何とかならないんでしょうか?
西から来るなら新幹線で普通に熱海駅乗り換え。東から来るなら、この他に東京から直通で伊豆急下田まで走っている特急「踊り子号」が使えます。特に、スタイリッシュな2階建て車両にサロンや個室、さらにはキッズルーム(!)まで備え付けた「スーパービュー踊り子号」は、乗降口で乗務員が全席指定の乗車券を確認するなど、なかなかプレミアム感の演出に凝った特急です。私も、この車両を体験したくて熱海からわざわざ乗ったことがあります。単線の伊豆急線は、特急といえども列車のすれ違いを待ったりするので、それほど時間は短縮されないんですけどね。
いずれにしても、伊豆はそうそう簡単には来られない場所なのかな…と思います。もっとも、この「ほどほどの」遠さも、プレミアム感を演出する要素の一つではあるわけで、これはこれで仕方ないのかも知れません。あまりに近すぎると、泊まっていく人が減ってしまいますしね。
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