6月29日、午後11時(日本時間)から行われたサッカーワールドカップ南アフリカ大会決勝トーナメント・日本代表対パラグアイ代表戦。我が家でも、テレビで観戦しました。
前後半各45分で終わるのが確実な予選リーグとは違い、決勝トーナメントは何としても決着を付けなくてはなりません。90分間で勝負が決まらなければ前後半各15分の延長戦を戦い、それでも同点ならPK戦が行われます。つまり、いつ終わるのかが最初からはわからないわけです。午前1時を大きく過ぎる可能性もあり、それこそ翌朝に響いてしまいかねません。それでも、一生に何度あることかわからない試合です。ともかく、見守りました。
微妙に感じていた嫌な予感が、見ている間に少しずつ現実に近づいていきます。前後半90分、さらに延長戦30分を戦っても両チーム無得点で決着が付かず、ついにPK戦に突入しました。日本代表の3人目、駒野友一選手のキックが残念ながら枠にはじかれ、日本代表はベスト8進出を逃しました。日本代表の今回のワールドカップが終わりました。
この日の日本代表も、120分間何度となく訪れた危機を守り続け、果敢な攻めを続けました。選手交代にも、1点を取りに行こうとする強い意志を感じました。しかし、結局最後までゴールネットは揺れることはありませんでした。サッカーは、やはり点を取ってなんぼのスポーツ。確実に勝つためには、PK戦に結果をゆだねなくてはならなくなる前に得点しなくてはならないんです。今後、日本代表が世界を勝ち抜いていくためには、やっぱりここが一番重要な強化ポイントのような気がします。
決着が付いた後、うつむいている駒野選手を囲んで、他の選手たちが肩を抱いて言葉をかけている映像が送られてきました。結果は結果、負けは負け…なんですが、PK戦まで持ち込まれてしまうと、もはや実力差で決まる勝負ではありません。もともと、PKのうまさでは定評のあった駒野選手が、よりによってこの場面で外してしまう…そのくらい先が読めないわけです。
彼がこの試合の責任を一身に背負うことはないと思いますし、多くの人たちはそう思っているはずです。それでも、ここで彼があまり飄々としたままだと、今度は「反省してないのか」とか悪く言われてしまいかねません。彼がPKを決めていれば、少なくともその時点で決着が付くことはなかった…という事実はあるわけで、やっぱり彼は責任を感じて下を向かざるを得ないのだと思います。
10年前、シドニーオリンピックで中田英寿選手がPK戦で外して敗退したのを思い出しました。あのときの中田選手は、もともとの言動も相まって、かなり非難を浴びていた印象があります。今回の日本代表では、本田圭佑選手が同じような自信にあふれた言動で目立っていたと思いますが、彼に対する批判は中田選手に対する当時の反応ほどではなかったような気がします。10年が過ぎて、こうした選手を受け入れられるくらい私たちの許容範囲が広がったんでしょうか。もしくは、日本代表に足りなかったものが何かに気付き始めたのか。
日本代表の面々は、今日南アフリカから帰国しています。ひとまずは、お疲れさまでした。そしてまた、それぞれの「次」に向かって進んでいってほしいと思っています。
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