SSK Worldには「映画館に行こう」というカテゴリーがあります。映画館に行って、旬の映画を見るのが私の楽しみの一つだったわけですが、考えてみるともう3年以上映画館には入っていません。無理を言って浜松科学館のプラネタリウムに行かせてもらったのも、映画を見に行くのと同じようなもの…と言われてしまうかも知れませんけどね。
映画館に行かなくなったのと同時に、新作映画の情報を集めるアンテナもこれまでより低くなってしまったかも知れませんが、それでも気になる作品はDVDやテレビ放送などでチェックしています。先日は、「アリス・イン・ワンダーランド」のDVDを見ました。あまりにも有名な文学作品「不思議の国のアリス」の世界を元に、ティム・バートン監督が「その後のアリス」を描いた、オリジナルの物語です。今年の春に日本公開された作品が、もう映像ソフトで手に入るんですから嬉しいですね。
「不思議の国のアリス」自体は小学生の頃に読んでいるはずなんですが、さすがに今となってはすっかりうろ覚え。それでも、ちゃんと楽しめる作品になっています。やっぱり、見所はマッド・ハッターを演じるジョニー・デップの本気のイカレッぷりに尽きるでしょう。特典映像でインタビューを受ける穏和な紳士と同一人物だとはとても思えません。そのマッド・ハッターの顔が、ジョニー・デップのメイクした顔からさらにCG修正されていたりする、もはや人間の俳優を使っている意味があるのか?というギリギリの映像技術も、私のような「テクノロジーまにあ」には注目のポイントです。
映画館では、3D映像でも上映されていたそうですね。「アバター」以来、急速に映画の3D化が進んでいるようで、邦画でも今後はあの「海猿」の続編など3Dで上映される作品が出てきます。まだ映画館で3D作品は全く見たことがないので、はっきりしたコメントはしにくいんですが、あまり良いイメージは持っていません。この春から登場している3Dテレビでも、どうしても目が疲れますし、見た後の「3D酔い」とでも言えそうなふらふらする感じはちょっと苦手です。実際のところ、どうなんでしょうか。
テレビ放送での映画鑑賞も、昔と比べるとずいぶん環境が変わりました。昨晩は、フジテレビ系列の地上波で放送された「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」を見ました。このシリーズは、既に映画館で公開されている6作すべてのDVDを持っています。以前は「DVDがあるからテレビ放送なんて見なくても」と思っていましたが、そうも言い切れなくなっています。
テレビ放送のデジタル化により、映画放送の質は大きく変化しました。基本的に映像はハイビジョンのレベルで送られてきますから、DVDよりも精細なものになります。この点だけでも、テレビ放送で見る意味が出てきます。
音の方も、アナログ時代と比べるとずいぶん進歩しています。BS放送のWOWOWでは、多くの作品をDVDなどと同じ5.1チャンネルのサラウンド音声で放送しています。地上波では、サラウンド放送はさすがにまだまだ少ないものの、多くの洋画では日本語と原語の両方の音声をステレオで送信していて、切り替えができるようになっています。洋画はやっぱり原語音声で見ないと!という、私のようなタイプにとっては嬉しいグレードアップです。アナログ時代は、「2カ国語放送」で放送されていても、音声を選択するとモノラルになってしまいました。
原語音声の時に必要になる日本語の字幕も、ちゃんと表示することが可能です。ただし、この字幕は日本語訳を示すよりも聴覚障害者に対するガイドとしての意味合いが大きなものになっているので、「(歓声)」や「♪~」(音楽が鳴っているときに表示されます)など、普通に見ているとちょっと笑ってしまいそうなものも含んでいます。
これらを踏まえて総合的に判断すると、テレビ放送にもDVD以上の意味が出てきます。もっとも、パッケージメディアがDVDからブルーレイディスクに移行している現在、その差はすっかり埋まってしまいましたし、ネット配信によるビデオ・オン・デマンドなんていう選択肢もありますから、結局のところどの方法でも変わらない…ということになるのかも知れません。
我が家での映画鑑賞の環境は、一昨年の年末からフルハイビジョンプラズマテレビと5.1chのホームシアターシステムという組み合わせになりました。家族3人だけのための「おうちシネマ」として、1日24時間、1週間に7日、常にスタンバイしています。
テレビを買うときには、映画を見ることも念頭に置いて選びました。バックライトが常に光っている液晶とは違い、画素自体が光るプラズマは消灯したときの「黒」が深い…と言われます。映画では、テレビ番組と比べるとかなり暗い画作りをすることが多いので、より暗くできる方が有利です。もっとも、最近は液晶テレビでもLEDバックライトで画面の部分ごとに輝度を調整していたりするので、プラズマの決定的な優位とは言えなさそうですが。
実際に、暗い画面の描写が多い作品をいくつも見ましたが、期待通りの画質で楽しませてくれます。しかし、部屋を真っ暗にしてみると、プラズマテレビでも画面は真に真っ黒というわけにはいかず、わずかに光っているのがわかります。輝度ゼロの状態でも、点灯する準備としてわずかに「予備放電」というのが行われているのだそうですね。このため、プラズマテレビでも厳密にはコントラスト比は1:∞にはなりません。
余談ですが、画面の黒さと言えば、やっぱりパイオニアの「KURO」を忘れてはいけません。店頭だけでなく、家庭のリビングルームに設置してあるのも見たことがありますが、周囲の黒枠に溶け込んでしまいそうな画面の黒さはもはや別次元です。パイオニアがこの事業から撤退してしまったのは、本当に残念でなりません。
ホームシアターの方はもう10年近く前の製品になります。D2端子装備のDVDプレーヤーは、テレビにHDMI接続が可能なDVDレコーダーにその役目を譲りましたが、ドルビー・デジタルやdts、AACに対応した5.1チャンネルのアンプ部は、まだまだ十分現役で働けます。
DVDやブルーレイディスクには、もっと多くのチャンネルが記録されたものが増えてきましたが、基本はやっぱり5.1。ちゃんと互換性も確保されているので大丈夫です。AACに対応しているおかげで、放送電波に乗ってくるサラウンド音声もデコード可能。この点は、購入するときにちゃんとこだわっておいて良かったですね。こういうインフラに関わる仕様は、そう簡単に変わるものではありません。
小さなサラウンドシステムではありますが、効果は抜群。サブウーファーの重低音と、後方のサテライトスピーカーから回り込む音は、臨場感を劇的に高めて、見事に私たちの感覚を騙してくれます。後ろから何かが飛んでくる音に、ついつい頭を引っ込めてしまったり…ということも結構ありますよ。
サラウンドシステムを設置するときに大事なのが、ベストポジションをどこに持ってくるのか。多スピーカーのシステムで音が正しく定位できる場所は、厳密に言えばピンポイントです。聞く位置を移動すると、音がスピーカーから到達するまでの時間が微妙に変わりますから、最終的に耳が知覚する音の位置も変わってしまいます。
それぞれのスピーカーの相対的な音量差、遅延時間(スピーカーからの距離がパラメーターになっていますが)を調整することで、ベストポジションを設定します。我が家の場合、テレビの正面約1.8mの位置に設定してあり、ここが「おうちシネマ」の特等席です。
この程度の距離なら、42型の画面で十分に大きさを堪能できます。テレビを購入した頃には、そのうち画面の大きさには慣れてしまうのかな?と思っていたんですが、部屋の狭さのせいもあってか、幸いまだ「大画面の幸せ」は享受できています。将来的に自分の家を持てるとしても、そのときにはあまりリビングは広くしすぎない方がよいのかも知れません。
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