過去にも何度か話題にしていますが、我が家は基本的にモノが非常に多い家です。下田市に転勤になったときには、行きも帰りも引っ越しでは非常に苦労させられました。私自身も、妻の紫緒も、人並みよりはずいぶんいろいろなものを持っています。夫婦揃って、相当の物持ちであることは自覚しています。もっとも、その代わりにお金の方は全然溜まらないんですが(汗)。
ほとんどあきらめの境地に近い私とは違い、紫緒の方はよく「収納術」「片付け術」といったタイトルが付いた本などを読んでいます。しかし、あまりにモノが多すぎるせいなのか、なかなか部屋の整頓は進みません。そんな彼女から最近よく聞くようになったのが、今回のタイトルにもしている「だんしゃり」という言葉です。様々なメディアに取り上げられ、よく見かけるようになりました。
「断捨離」とは、ヨガの思想から着想を得た生活術で、不要なモノが外から入ってくるのを「断ち」、持っている不要なモノを「捨て」、モノへの執着から「離れる」…という意味なのだそうです。
従来の「収納術」と呼ばれるものは、現にあるものをどのように限られた空間に収めるかを考えていると思うのですが、断捨離の場合はその前の段階として「モノを減らす」ことに重きを置いているのがポイントでしょうか。ゴミ問題の対策を語るときの「3R」で最初のRがReduce(減らす)であるのと同じように、まず対象になるモノを減らして片付けを楽にしてしまおう…というわけです。
モノへの執着から離れて自由になる…というところまで行くと、宗教や自己啓発セミナーのような香りもしてきて、ちょっと首をかしげてしまうところはありますが、まずはモノを減らさないことには始まらない!という考え方は、我が家にはぴったり当てはまるものだと思います。現に、引っ越してきてからずっと、2LDKのうちひと部屋分は荷物に占領されていましたからね。本来、人が快適に住むための家なのに、これでは本末転倒です。
もともと、外からモノはあまりたくさん入っていない我が家の場合、最初にして最大の仕事は「捨てる」ことになります。捨てるモノを選ぶときの基準は、「使っているモノだけ残す」…つまりそれ以外は全て捨てるわけですが、これを本当に忠実に実行してしまうと、これまで私が趣味のために揃えたものは全て捨てるべきです。スキーやスノーボードも、さらにはピアノ代わりのキーボードですら、現在は全然触るときがありません。
もっとも、いきなりそんなに心身にヘビーな負担をかける選択に取り組むと疲れ果ててしまいますから、もうちょっと考えやすいところから始めます。最も手っ取り早いのは冷蔵庫や食料庫だそうです。賞味期限の切れた古い食べ物が意外に庫内に残っていたりするんですよね。もう使えないものを、わざわざ電気代までかけて保管しているのは無駄そのもの。これは実に簡単に処分できます。薬箱の中でも似たような経験をしたのを思い出しますね。
おそらくその次に簡単なのは衣類でしょうか。これについては、以前にも何度か集中的に整理しています。意外に私は衣装持ちでもあるんですが、普段着ているものは?と考えてみると、ほとんど着ていないものが結構多いのに気付きます。振り分けた不要な衣類は、状態の良いものはフリーマーケットに出してみたり、そうでないものは古着屋に持っていったりしていますが、それでもまだまだ多すぎると感じます。冷蔵庫などと同じように、衣類についても定期的な振り分け、チェックが必要そうです。
そうした必需品が片付いた後が、趣味に関するものの番になりそうです。私の趣味は道具さえあればできるものばかりなんですが、結構大がかりな道具が多く、しかもそれなしでは趣味自体が成立しない…というものが多々あります。一方、紫緒の趣味である手芸の場合は、道具以外に相応の材料が必要になりますし、出来上がった作品もモノとして残ります。おもしろそうな材料を見つけて収集するのも趣味の一環と言えるわけで、これまたモノなくしては趣味が成立しない…と言ってもよいでしょう。どちらにも捨てにくい理由があるだけに、結構苦労するかも知れません。
紫緒から教わって、私も断捨離作業中です。1日まるまるかけて…という気持ちで作業するよりも、1回15分程度に時間を決めて、モノの仕分けに集中した方がうまく行くのだそうで、これに従って進めています。確かに、2時間も3時間も集中し続けるのはちょっと大変な作業です。気がつくと手はすっかり止まってしまい、モノにまつわる思い出を振り返る時間になっていたりする経験は、どなたにもあるのではないでしょうか。
とにかく、何とか荷物を減らして、有効に使える部屋のスペースを広げたいと思っています。そうすれば、皆さんを家に招待することもできますし、娘の家の中での遊び場ももうちょっと広げてやることができますからね。モノを持っていることが豊かさの象徴だとは昔から全然思っていませんが、少なくとも今の我が家にとっては、モノを減らすことが心の豊かさに直結しそうです。腰を据えて取り組んでみましょう。
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