SSK Worldでは、ときどき動作確認ブラウザを更新して、トップページに掲載していますが、このたびMozilla Firefoxブラウザの最新版・Firefox 4を追加しました。Internet Explorer 9のような妙な公開自粛はなく、日本語版も普通に入手できます。
Firefox 4は、IE9と同じようにインターフェースがシンプルになり、ビデオプロセッサを積極活用した描画、最新規格のHTML5への対応、JavaScriptなどでの軽快さをさらに追求した動作など、同じような方向性を持ってバージョンアップされています。実際に使ってみた感触では、おそらくIE9よりスムーズに表示が行われています。
大きな違いのひとつが対応環境。Windows 7/Vistaにのみ対応となるIE9に対し、Firefox 4はWindows XPでも動作しますし、さらにはスマートフォン等で使えるAndroid版も存在します。PC版とAndroid版で環境設定を同期できる機能も用意されているのだそうです。クラウドコンピューティングのプラットフォームとしてWebブラウザが使われることが多くなっていることを考えると、双方で共通の環境で操作できるのは非常に有利です。
かつてのように各ブラウザが独自機能を拡張していた頃とは違い、現在は統一規格の表示をきちんと行えるのが前提になっていますから、比較のポイントは表示品質とパフォーマンスです。そんな状況の中、FirefoxはかつてNetscapeが握っていて、Internet Explorerに一時は奪われていた業界シェアをずいぶん取り戻してきました。Google ChromeやOpera、Mac標準のSafariなど、Webブラウザには多様な選択肢があって、近年は健全な競争状況にあると言えそうです。
また、AndroidではChromeが、iPhoneではSafariが標準ブラウザになっているわけですが、先に触れたFirefoxも、さらにはOperaも以前からモバイルデバイス向けには力を入れてきたところで、スマートフォンの世界での争いも今後は面白くなりそうです。この分野ではIEはかなり弱いですよね。そして、これが原因で、ブラウザ界のかつての覇者は転落のまっただ中にあるような気がします。
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