6月に受験した漢検の合否通知が郵便で届きました。結果は無事「合格」。単なる合格通知にしては余りにも大きな封筒の中には、B4判の大きさの、立派な二級の合格証書が入っていました。妻に届いた準二級の合格証書はB5判。並べてみると格の違いを感じさせます。妻は、この合格証書を見て二級受験への情熱が燃え上がったようです。
検定内容の「分析結果」も同封されていました。得点は200点満点中194点。間違っていたのは3問だけということで、なかなか優秀だったな、と思います。でも、せっかくなら200点満点で合格するともらえる「満点賞」の表彰状が欲しかったですね。…というか、そんなものがもらえると知っていればもっと死にものぐるいで勉強したかも知れないのに。
さて、二級に無事合格できたということで、次はさらに上の級に挑戦してみようか?という話が出てくるわけですが、漢検で二級のすぐ上にあるのは準一級。そしてその上には最高級位の一級があります。
以前にも触れたとおり、二級の試験範囲は常用漢字1,945字+人名漢字ということだったんですが、準一級ではこれが約3,000字に増えます。これは「JIS第1水準」と呼ばれるレベルとほぼ同じなのだそうです。
1970年代に初めてJIS漢字コードが制定されたときに、とりあえず最低限必要なレベルを「第1水準」として、その次に必要なものを「第2水準」として決めました。半導体メモリか、磁気記録かに関わらず、データ量あたりのコストが非常に高かった時代ですから、こうした絞り込みをせざるを得なかったわけですね。現在では、JIS漢字コードには第3水準、第4水準と呼ばれる漢字まで増えていて、Windows 7でもこれら全てが使えるようになっています。
実は、普通に巷に出回っている活字メディアでも、第1水準のみでは足りなくなる事態が結構あるんですが(私はかつて自分の住んでいた住所が第1水準のみでは記述できませんでした)、その第1水準でも全2,965字あり、常用漢字より1,000字ほど多くなっています。そして、普通に生活している限りでは滅多にお目にかかれないような字も数多く入ってきます。
準一級対策の問題集を手に入れて、少しずつチェックしているところなんですが、二級の問題集との内容のあまりの違いにショックを受けているところです。二級の問題集では、読みはほとんど問題なく、問題は書き取りの一部や四字熟語、部首等の分野だと思っていました。ところが、準一級の問題集では読みの問題からほとんどわからないんです。全く見たことのない字が並んでいますし、見たことのある字にも、見たことのない送り仮名が付けられています。
問題集には、試験本番を想定した模擬試験問題も用意されていますが、真っ白な解答用紙になるのが怖くて、まだ手を付けていません。ヘタすると200点満点でひとケタしか取れないかも知れません。まだ本格的に勉強に手を付けていないことを割り引いても、これはまさに別世界。連続した級の課題とはとても思えません。一度は受験しようと思ったわけですが、決意は激しく揺らいでいます。
そこで泣き言を言ってばかりもいられません。妻に紹介されて、「宮崎美子のスッと漢字が書ける本」というのを読んでみました。
テレビ朝日系列ので放送されている「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」は、漢字に関するクイズの出題が多いだけでなく、特番では芸能人たちが漢検を受験するドキュメンタリー企画もあって、現在の漢検ブームに火を付けた存在の一つでしょう。この企画で漢検1級に見事合格してしまった宮崎美子が、試験勉強のコツにとどまらず、漢字との付き合い方、楽しみ方を書いているのがこの本です。
この本自体は、文字数もそれほど多くなく、わかりやすい文章で漢字を覚えることの楽しさが伝わってくる、是非お薦めしたい本です。しかし、そこに出てくる漢字は、やっぱり今までに見たことのないような字ばかり。本の中に出てくる一級レベルの練習問題も全然解けません。準一級と一級の間には、さらに大きな差が存在するのかも知れないんですが、それにしても、あんな風に漢字を使いこなせるようになる自分は、とても想像できません。
心が折れそうになる自分に元気を与えられれば…と思って読んだ本で、さらに厳しさを思い知ることになってしまいました。さて、10月の試験を受けるべきなのか。…と言いつつ、小学生の使うような大きな方眼入りの漢字書き取り帳を買ってきてみたりして、鼓舞するような、プレッシャーを掛けるような日々です。
ちなみに、この本の中でお薦めとされていた本の一つが、吉川英治の「三国志」。準一級や一級の範囲になるような漢字がふんだんに使われているので、漢字が単なる字の羅列でなく生きた用例と共に頭に入るから…ということだそうで、妻が早速文庫本の1巻を探してきてくれました。今のところ、妻の方がハマってしまって読みふけっているところ。私も歴史絵巻は絶対嫌いではないはずなので、これから読んでみます。でも、ハリー・ポッターもまだ「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」の途中で止まってるんだよなぁ(汗)。
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