この週末も、土曜日はBESS浜松展示場で家造りに向けての打ち合わせ。といっても、今回は間取りなどの家本体の話は一休みで、資金計画の話が中心となりました。詳細な話はナイショ!ということにさせていただきますが、先月の時点ではかなり無茶だと思っていた新居の資金計画も、何とかなるところに収められるかも知れません。あとは、妻の店の売上にどれだけ期待できるのか?でしょうか。
資金計画といえば、昨年の11月末にBESS浜松展示場で資金計画をテーマにした勉強会が開催されたので、これを聴きに行ってきました。「頭金が貯まらないから」「支払いが大変だから」などと、家造りに踏み出せない人たちの背中を押すのが狙いの内容で、既に土地探しに動き始めていた私は改めてプッシュされる必要もなかったんですが、面白い話が非常に多くて勉強になりました。
ここで、勉強会で私の感心したポイントをちょっとご紹介しようかと思います。その中には基本的なこともあるのかも知れませんが、少なくとも知らなかった私にとっては目からウロコが落ちる衝撃を受けた話もありましたから、これから家造りに向かおうとする皆さんには参考になる点もあるはずです。
人生における「三大出費」といわれるのが教育費、居住費、そして老後の資金。どれも一生の分を集計すると数千万円単位の巨額の出費になります。数字を見ると気が遠くなりそうですが、全てに共通するのは、必要な額と時期をかなり長期に見積もれること。きちんと計画して、頭を捻って対応していかなくてはなりません。
その中で居住費には、賃貸か、持ち家か…という大きな選択があります。どちらも月々お金を払っていくことになりますが、住宅ローンは払った後に家という資産が残るのに対して、家賃はただ消えていくだけ(見方を変えると、それは大家さんの資産になっていくわけですが)です。さて、どっちが得なのか…という話は、私でも簡単に理解できる話です。
私が知らなかったのは、住宅ローンには世帯主に万が一のことがあったときにローンの残額が全て保障される「団体信用生命保険」というものがあること。これなら、一家の大黒柱を失ってもとりあえず住む家だけは残ります。家賃滞納→強制退去→路頭に迷う…なんて事態は回避できそうです。いざとなれば、家を売却してまとまったお金に換えることだってできるわけですよね。
持ち家を手に入れるために、よく出てくる話が「自己資金」。「頭金」とも言われますが、ともかくまとまった資金がないと家は買えない…というのが常識でした。確かに、かつては公的融資の借受条件に「物件価格の80%まで」という制限がありましたから、2割に当たる数百万円分の資金を貯める必要がありました。しかし、現在は公的融資のフラット35で建設費(または購入価格)の「100%以内」を借り入れ可能ですし、民間ローンでも同様の条件のものが出てきています。頭金の金額条件は、必ずしも必須ではなくなっています。
それでも、手持ちの資金があればローンで借りなくてはならない金額が減らせますから、金利の総額も下がって確かに有利です。しかし、現在自己資金がない人が何年もかかって貯めることを考えると、果たしてそれが有利なのか?という話になります。
ここでひとつキーワードになるのが金利。ローンの返済には当然利子が付いてくるわけですが、ここ数年の間市場の金利は史上最も低い水準で推移しています。これ以上下がることはほとんどないわけですが、逆に上がる可能性はないとは言えません。頭金を貯めている間に金利が上昇すると、貯めた分以上に多くの金利を払わなくてはならない可能性があります。
例えば、3,000万円を35年ローン(元利均等払い)で借りる場合、金利が2.0%から2.5%に上がると返済総額は約330万円増えるのだそうです。消費税が現在の5%から10%に上がるらしい…というのが最近の巷の心配ごとですが、金利が0.5%変わると消費税が10%引き上げられるのに匹敵するインパクトになるわけです。金利はなかなか下がっていかないが、上がるときは速いと言われます。金利を見極めて機敏に対応することが重要です。
そして意外に忘れてしまいがちなのは、頭金を貯めている間にも賃貸住宅に住んでいる人は家賃を払い続けなくてはならないこと。計算してみると、これがかなりまとまった金額の損失になります。例えば家賃が6万円なら1年間で72万円。貯めようとするとかなり大変な金額ですが、これだけの損失を出し続けながらでも、頭金を頑張って貯めた方が有利なのか?…私にはそうは思えませんでしたね。
金利の優遇や税金の控除など、住宅取得に関する優遇政策はいろいろ出ていますが、時限的措置だったり、予算の範囲で早い者勝ちだったりします。国の財政の厳しさもあり、今後どれだけ優遇施策が出てくるのかも不透明ですし、金利にも上昇要因があります。実際に、金利優遇策や住宅エコポイントも、延長こそされたものの、以前よりは「お得」度が下がっているようです。
まとめると「今こそ家を買うチャンス!」ということになるわけですが、何しろ家を売っている人たちがしている話。あまり鵜呑みにしすぎずに、話半分くらいの気持ちで、冷静に判断しましょう。少なくとも、今家を欲しい!と思っている人が、頑張ったり待ったりして先延ばしにするのは得策でないように思いますけどね。
コメントを残す