8月になりました。今年も各地で連日猛暑が続いています。昼のニュースでは、どこそこで気温が35度を超えた、あそこでは30度を超えた…と、毎日のように紹介されています。以前、地元の猛暑スポットとして紹介したことのある天竜、佐久間(どちらも現在は合併して浜松市内)といった地名も、相変わらずそこに名を連ねています。聞いているだけで、頭がクラクラしてきますね。
気温が摂氏35度を超える猛暑日ともなると、人間の平均体温を超えるような高温ですから、もはや暑いのが得意だとか苦手だとかいうレベルの話ではありません。以前は、炎天下で長時間活動したときに「日射病」になると言われたわけですが、実は「熱中症」はどこに居ても起こり得ます。「昼頃まで起きてこないなんて変だなぁ」と部屋に様子を見に行ったら、寝床で熱中症のために死んでいた…なんて例もあるのだとか。怖い話です。
熱中症対策としてはいろいろなものがありますが、やっぱりポイントになるのは高温の環境を避けることでしょう。最も根本的なのはエアコンを使って室温を下げることなんですが、これの難点は電気の消費量が多くなること。夏場の家庭での電力消費の半分以上をエアコンが占めている…なんて話もあり、昨年に続いて全国で節電が声高に叫ばれている現状からすれば、あまり野放図に使われてしまうのも困るわけです。
いかに効率的にエアコンを利用してもらうか…という観点で、これまでにいろいろな施策が展開されてきました。冷房温度を28度Cに設定しよう!というのはかなり歴史のある手法ですし、職場の夏の服装を軽装化する「クールビズ」はずいぶん定着してきたような気がします。そして、そんな中に今年から新たに加わっているのが、「クールシェア」という言葉です。
クールシェアとは、その名の通り「涼を分け合おう」ということ。涼しい場所にみんなで集まって、エアコンを動かす数を減らそうという目論見です。家族が一部屋に集まれば動かすエアコンが1台で済む…という家庭内レベルのものから、みんなでエアコンの効いた店に出掛けて、自宅のエアコンは止めておく…という街ぐるみの取り組みまで、さまざまな階層で実施できます。
クールシェアに使わせてもらえる場所を案内した「クールシェアマップ」というものが公開されています。特に、自治体が公共施設を公開している例が多く、私が住んでいる浜松市でも、Webサイト内でクールシェアを実施中の施設を案内しています。
まだ言葉の普及はこれからと言えそうですが、エアコンの稼働台数が減るという形でダイレクトに省エネを感じることが出来ますから、巷には受け入れやすい考え方だと思います。しかも、人が集まることで、何か楽しいことにつながっていく多様な可能性を秘めていますから、まさに一石二鳥です。
クールシェアの考え方がすっかり気に入ってしまい、最近いろんな場所で連呼しています。休日に妻や娘を外出に誘うときにも「クールシェアに行こう!」という調子。言われた皆さんの方は一様に「くーるしぇあ?」と首をかしげていましたが、「ああ、お店に涼みに行こうってことね」と納得してくれます。横文字にしてみたら、ちょっと新しく聞こえる…というだけの話なのかも知れません。
クールシェアは、エアコンの効いた場所に行かなくても実現できます。私が最近愛用しているのが、駿府城公園の木陰。職場から歩いて行ける場所なので、昼休みを過ごすことが多いんです。夏場でも、風が吹き抜けてくれればかなり快適。エアコンがしっかりと効いた部屋は寒すぎてちょっと苦手な私にとっては、職場に居るよりもこちらの方が過ごしやすく感じるほどです。職場のエアコンが昼休みに止まるわけではないので、省エネという意味でのシェアの意味はなさそうなんですけどね。
夏休みに避暑地に出掛けるのも、クールシェアの一種と言えるかも知れません。もっとも、これは移動に係るエネルギー量も合算すると、果たして省エネなのかどうかは疑問も残りますけどね。最近はすっかりしていませんでしたが、今年はどこかに行けないかな?と考えているところです。
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