土曜日・15日に、かねてから予定していたとおり上棟式を行いました。前日の晩には結構激しく雨が降り、天気はどうなることかずいぶん心配しましたが、当日になってみれば素晴らしい快晴。これはきっと娘の晴れ女パワーが効いたのでしょう。もちろん今回は妻だけでなく娘もちゃんと連れて、そしてお義父さんも一緒に現場に向かいました。
上棟式というのは、そもそも建物の基本構造が組み上がった段階で行われる祭事で、ここまで無事に工事が進んだことを祝い、竣工まで無事に工事が進むこと、そして完成後も建物が無事であることを祈願します。「祭事」とは言いますが、地鎮祭のように神主さんを呼んで行うことは少なく、代わりに現場の棟梁が執り行うことが多いようです。日本以外でも、同様の段階で式典を挙げる習慣のある地域が、洋の東西を問わず結構あるようですね。
日本の伝統的な木造軸組工法では、骨格のいちばん上に渡される棟木(むなぎ)を上げると構造部分は完成…ということで、これを「上棟」「棟上げ」などと呼び、このときに行うのが上棟式ということになります。しかし、ログハウスの場合、1階のログ材を積み上げると、骨組みと壁が一気に出来上がってしまうことになり、果たしてどのタイミングで上棟なのか?というのは結構難しい問題です。
ログハウスの場合でも、とんがり屋根のいちばん上には棟木が渡されますから、これをタイミングにするのが良いのかも知れませんが、そうなると今度は工程管理がちょっと難しくなるようです。私たちは、工程の進み具合とお日柄の良い日付を睨んで、このあたりが良いだろう…というところに予定を組みました。
というわけで、普通は上棟の日の現場といえば骨組みだけの家が建っている…という状況なんですが、私たちの家は既に外観がかなり出来上がった状態になっていました。もちろん棟木もずいぶん前に上がっています。もちろん、工事の段階に関係なく、上棟式が作業の一区切りになるイベントであることとともに、現場の皆さんに施主の立場から感謝の気持ちを伝える場でもあることは変わりありません。
この日は、屋根周りや外壁などの外装工事が行われました。また、ウッドデッキの工事も進められ、この日のうちにはデッキの上を普通に歩けるようになりました。見た目にはあまり派手な変化がない作業ですが、着々と進んでいきます。
木製の玄関扉や窓のアルミサッシ類は、既に全て取り付けられています。これが付くだけでも雰囲気が変わり、ずいぶんイメージがはっきりしてきますね。一日の作業が終わったときには、全ての窓を閉めて、玄関にも鍵を掛けていくので、私たちがこっそり現場を見に来ても、もう家の中に入ることは出来ません。
外観がかなり形になってきているのと比べると、内装の方はまだまだ。床も天井も、間仕切りの壁もまだありません。ただ、屋内に入ると明らかに外よりも涼しいのがわかります。分厚いログ壁が、十分に断熱効果を発揮してくれているようです。
浴室の部分は床板の下地が切り取られ、基礎のコンクリートが見える状態になっていますが、ここを覗くとピンクや水色のホース、そして大量の電気コードが束ねられているのがわかります。これらが有機的につなげられて、初めていろいろな設備がちゃんと機能するんですよね。
この日は、現場監督のOさんと一緒に、電気配線の位置を実際に建物内を歩きながら確認していきました。特に、後から変更を入れたポイントについては念入りに打ち合わせます。エアコンやテレビアンテナの設置についても、Oさんからお話がありました。どちらも、相応の手間と費用がかかることになります。完成するまでには、方針を決めていかなくてはなりません。
電気配線の確認のために、2階にも上がりました。もちろんまだ内装は全然完成していないわけですが、1階と明らかに違うのが室内が暑いこと。ログ壁である1階とは違い、こちらは普通の木造建築の構造になりますから、まだ断熱材が施工されていないのが結構大きな差になっているのかも知れません。
まだ階段は付いていないので、梯子を伝って上り下りすることになりました。せっかくの機会なので全員で上がりましたが、妻と娘は梯子にかなり苦労したようです。結局、娘はなんとかひとりで登ってこられたものの、私が抱っこしながら降りることになりました。
午前と午後の休憩時間にはお茶とお菓子を出し、昼食はお弁当を用意して職人さんたちと一緒に食べました。これまでに現場を覗きに行ったときには、作業の邪魔をしては申し訳ない!と思い、最低限の疑問点を聞くくらいしかしませんでしたが、昼食の時間にはいろいろとお話をすることが出来ました。
BESSの建物を数多く手がけている皆さんですから、近所でBESSのログハウスをどのくらい建てているのか?なんてお話も教えていただきました。できれば、オーナーの皆さんとは是非是非お友達になりたいですね。こんな家を建ててしまう人たちですから、話が合わないはずがありません。
一日の作業の終わりに、いよいよ上棟式の祭事です。1階の柱に幣束(へいぐし)を取り付けて、酒・米・塩を供え、簡単な祭壇とします。棟梁のOさんが代表して祭壇の前に立ち、参列者一同で手を合わせます。その後、棟梁と私たちが建物の四方に酒・米・塩をまいて清め、祭事は終了となります。最後に、私から現場の皆さんにご挨拶をして、お赤飯やお酒などの入った引き出物をお渡ししました。
上棟式そのものはあっさりと、あっという間に終わった感がありましたが、7月の頭にはまだ草ボウボウだった場所に、今自分の家が建とうとしているのを改めて実感しました。まだまだ作業は続きますが、トラブルなどなく、安全に完成まで工事が進んでくれるよう祈っています。
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