昨日・27日から、日本プロ野球では日本シリーズが開幕しています。読売ジャイアンツと北海道日本ハムファイターズの対戦は、リーグ戦で優勝したチーム同士ですから、これで勝った方が日本一…と呼んでも異論はなさそうです。初戦はジャイアンツが大勝を収めたようですね。
もっとも、中日ドラゴンズファンの私としては、クライマックスシリーズでジャイアンツに初戦から3連勝して土俵際まで追い詰めたこともあってか、この対戦では今ひとつ気分が盛り上がりません。もっとも、リーグ2位から勝ち上がって日本シリーズに勝っても「日本一」と素直に喜べませんし、これで良かったのかも知れません。ドラゴンズには、今度こそは堂々とリーグ優勝してから日本シリーズで勝って、正真正銘の日本一になって欲しいものです。
今晩行われている第2戦の結果によって、その後の展開は大きく変わります。両チームがどんな試合を見せてくれるのか注目しましょう。…って、結局気になる私は、野球が本当に好きなんでしょうね。
日本シリーズに先立って、木曜日・25日にはドラフト会議が行われました。私たちのように既にひいきチームの今シーズンが終了したファンにとっては、日本シリーズ以上に注目したくなる大イベントです。各チームがどんな新戦力との交渉権を獲得するのかは、私ももちろん気になりますが、今年はそのことよりもふたりの注目される若者の将来がどうなるのか?の方に興味がありました。
ひとりめは、昨年のドラフト会議でファイターズから1位指名を受けて、ジャイアンツに入団したいがために1年浪人することを選んだ菅野智之投手。今年はジャイアンツが1位で単独指名し、晴れて憧れの読売巨人軍の一員になることが出来そうです。
彼は、昨年度は大学は卒業せず、留年してこの1年間を大学で過ごしたのだそうです。だからといって「5年生」が試合に出られるわけでもなく、来年ジャイアンツに入団できる確証もない中で地道に身体と技術を鍛えながら過ごす日々は、きっと辛かったはずです。彼自身も「今日この1日ですべて報われた、という気がします」というコメントを出していましたね。
私は、「今年ジャイアンツには入れなければ渡米する」とまで言ってジャイアンツにこだわっていたのはちょっと理解できませんでしたが、せっかく夢を叶えられる舞台のお膳立てが整ったのですから、彼は活躍してジャイアンツに恩返しするしかないと思います。彼以上に回り道を続けて「ジャイアンツ愛」を成就させた長野久義選手は、すっかりチームに欠かせない主力選手になりました。今日の先発・澤村拓一投手も、ジャイアンツ愛に溢れる選手です。そこに続いていけるのか。さあ、見せてもらおうじゃないですか。来年が楽しみです。
菅野投手以上に気になっていたのが、花巻東高校の大谷翔平投手。高校生にして既に時速160kmのストレートを投げるという彼には、国内外から注目が集まっていました。しかし、ドラフト会議直前の先週・21日になって、彼はメジャーリーグに挑戦したいという意思を表明。指名したとしても入団を拒否されることが濃厚な中、国内各球団がどう対応するかが注目…でした。
そんな状況で、ファイターズがドラフト前日の24日に彼を指名するつもりであることを表明。昨年も、一昨年の斎藤佑樹投手も…ファイターズのドラフト会議を引っかき回す無茶な指名は、今に始まったことではありません。これは本当にやってくる気だな、と思いました。事前に通告するだけ、まだましです。
蓋を開けてみれば宣言通り。ファイターズが、1位単独指名で大谷投手との交渉権を獲得しました。大谷投手は、指名されたことには「評価してくれてうれしく思う」とコメントした上で、改めてメジャー挑戦の意思が変わらないことを明言。ファイターズへの入団の可能性は「自分の考えとしてはゼロです」と言い切りました。
これまでにも、選手が意中の球団以外から指名されることは結構よくあって、指名された球団に入団したりしなかったりしたわけですが、これまでの話は国内球団が相手の話。今回はちょっと勝手が違います。ファイターズは3月末まで大谷投手との独占交渉権を得たわけですが、これはあくまでも国内球団相手の話で、メジャーリーグまではその効力は及ばないのだそうです。
ということは、メジャー各球団は、4月まで待たなくても大谷投手との交渉、さらには契約が出来ることになるのですが…日米関係を悪化させかねないそんな強攻策が実際に行われるかどうかはわかりませんが、今回の指名でメジャー各球団の心証を悪くしているでしょうし、ないとは言えません。実は彼の「メジャー指向宣言」自体、他球団に指名させないための策略で、実はファイターズと相思相愛の仲で密約があるのでは?…なんて話も出てきたりして、何とも騒がしくなっています。
ともかく、彼の夢が実現する進路に進んでほしいとは思いますが、これでメジャーリーグにどんどん有力選手が流れるようになるのなら、それは寂しいですね。メジャーへの流出を抑えるべく、日本側はいろいろとルールを考えているようなんですが…結局のところ、選手たちにとって日本プロ野球の魅力がなくなってきているだけなのかも知れません。見ている私の方からすると、まだ結構面白いんですけどね。
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