スマートフォンを206SHに換えてから、もうすぐ1ヶ月になります。基本的に使い方は変わらない…というお話はしたところなんですが、それでも、これまでは使っていなかった新しいアプリやサービスも少しずつ使い始めています。
206SHには、ホームアプリとして、Android標準に近い雰囲気の「SHホーム」と、「アプリ」「ウィジェット」「ショートカット」の3つの縦スクロールの領域を切り替える「3ラインホーム」の2種類が存在しますが、どちらのホームからでも、Googleの検索ウィンドウを呼び出すと「Google Now」というサービスを設定するように勧められます。
Google Nowは、カレンダーに登録されているスケジュールや、自宅・職場・現在位置などの位置情報を活用して、現在のユーザーに必要な情報をタイムリーに提供しようとするサービスです。現在いる場所の天気予報や、次のスケジュールの目的地へのルート案内、最寄りの駅から出る電車の時刻表、近隣の写真撮影におすすめのスポットや近日中に行われる花火大会の情報など、様々な情報が提供されます。
好きなスポーツチームを登録して、そのチームの情報を提供する機能もあるらしいんですが、残念ながら日本のチームを入力しても受け付けてくれません。それなら「New York Yankees」と入力して、イチロー選手の動向でも見られれば…と思ったんですが、今のところGoogle Nowは何も送ってきません。そもそも、日本語環境には非対応ということなんでしょうか。
ここまでの説明を読んで、どこかで聞いたことがあるサービスだ…と思いませんでしたか?。演出は相当違うものの、コンセプトとしてはNTTドコモが提供しているiコンシェルとほぼ同じですよね。
もうひとつ、機種変更後によく使うようになったのが、Google Mapで検索したルートを元に、そのまま案内をさせる「ナビ」アプリ。斜め上から見下ろしたような、いわゆる鳥瞰図(バードビュー)のアングルは、市販のカーナビ専用機を意識した仕上がりです。
これまでは、NTTドコモが提供する「ドコモドライブネット」サービスを利用し、専用のクレイドルも購入して使っていました。カーナビ専用機に近い感覚で使える、なかなか楽しいサービスだったんですが、残念ながらNTTドコモ以外の回線ではサービスを受けられず、クレイドルに内蔵している各種センサーやハンズフリー通話機能も使えません。車内に端末を固定するためには使えますし、充電用ケーブルも使えるので、とりあえずクレイドルはそのまま使っています。
端末内蔵のGPSと基地局情報だけで位置情報を拾っている割には、Google Mapの現在位置表示は意外に正確です。さすがにトンネルなどに入ってしまうとお手上げにはなりますが、カーナビとして使う場合には、地図上の道路とマッチングをかけながら修正、予測することも出来ますし、実用上は問題なさそうです。
しかし、クレイドルに206SHを取り付けてしばらく走ると、「本体の温度が上昇したため…」というメッセージと共に、充電が停止したり、画面のバックライトが落ちたりします。SH-02Eではこんなメッセージにお目にかかったことはなかったんですが、これは今年の夏が猛暑だからなのか、206SHの発熱量がSH-02Eよりも大きいからなのか…今のところは不明です。
もう一つ考えられるのは、SH-02Eのドコモドライブネットアプリが、Google Mapよりも端末への負荷をかけない作りになっている可能性。カーナビの表示としては実にシンプルでしたからね。まさにSimple is bestを地で行く、よく出来たアプリだと思っていたんですが…代わりに使える良いアプリはないものでしょうか?。現在物色中です。
iコンシェルとGoogle Now、ドコモドライブネットとGoogle Mapナビ。どちらにも共通する相違点があります。回線事業者であるNTTドコモが、ユーザーから月々の利用料を取って提供しているサービスに対して、OSを提供するGoogleが標準機能の一部として無償で用意している、類似したサービスが存在する…という構図になっていますよね。
ほぼ同様のサービスが受けられるのなら、利用料がかからない方が良い…という考え方は確かにあるでしょう。しかし、iコンシェルやドコモドライブネットには、回線事業者であるNTTドコモの中で全てが完結する安心感があります。月々の利用料金がかかるのも、極端に高くなく、相応のサービス品質とセキュリティを担保してくれるのなら私には受け入れられます。
一方、Googleのサービスは先に触れたとおり基本的にどれも無償。しかし、情報を入手するために提供する個人情報が十分に保護されているかどうか?という点で、どうも不安を感じざるを得ません。そもそも、Googleという会社は広告料を主な収入源としている会社であり、効果的なWeb広告を展開するために、膨大なユーザーのWeb検索に関する情報を徹底的に分析し、活用してきた歴史があります。彼らにとっては、情報サービスのために個人情報を収集することも、巡り巡って自分たちの利益に資するわけです。私たちは、情報利用料を払う代わりに、Googleには個人情報という、ある意味金銭よりももっと重要でデリケートでかけがえのないものを支払っているのかも知れません。
もっとも、そこにこだわって情報を全てガードしてしまっては基本的なサービスすら受けられないのが現在の情報社会。情報を公開、提供することの影響をどこまで自覚して、個々が調整できる範囲で調整するかというところが勘所のような気がします。
ちなみに、ソフトバンクモバイルはNTTドコモやauと比べると、自分自身で携帯電話やスマートフォン向けの情報サービスを提供するのにはあまり積極的ではないように見えます。もともとグループ内にマルチデバイスのコンテンツ提供を行うYahoo! JAPANを持っていることもあるのでしょうし、主力商品であるiPhoneではApple社にそのあたりの主導権を握られてしまっていることも影響していそうですが、他社が忌避している「土管化」をあえて受け入れ、オープンな環境を提供している…という見方も出来るかも知れません。
個人情報と言えば気になる話を一つ。多くの皆さんと同様、私のところにも「都心でマンションを買いませんか?」という類いのしつこいセールス電話が結構かかってきます。もちろん私にはそんなところに投資をする余裕はとてもありませんから、ご丁寧にお断りさせていただいていますが。
職場に電話がかかってくるのはかなり迷惑ですが、職場のどこにどんな名前の人間がいて、電話番号が何番かわかっていさえすればアクセス可能なのですから、彼らにとっては比較的簡単。しかし、携帯電話にこの手の電話が入るのはかなり不気味です。相当限定した先にしか番号は知らせたり記入したりしていませんが、その中のどこかから私の電話番号が漏れて、彼らの手の内にある…ということになります。様々な個人情報の入った名簿を販売する業者もあると聞きます。個人情報を収集して活用するどころか、それ自体が商品になっているわけです。
先日、私の出身高校の同窓会から、会員名簿作成に関する照会のはがきが届きました。昨年末に転居しているものの、同窓会には住所変更を伝えていなかったので、前の住所から転送されて、数日遅れて届きました。
高校の同窓会名簿は、同窓会員向けに販売されますが、誰かが業者に名簿を横流しすれば、またあのセールス電話の皆さんに情報が渡る可能性があります。「音信不通」と言われるのは嫌なので、住所の変更は伝えておきましたが、住所や電話番号、勤務先等の情報は、名簿に載せないようにお願いしました。些細な抵抗ではありますが、しないよりはまし…と思っています。
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