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スマホからWindows 8.1

私のパソコンは自宅2階ロフトに置いてあるデスクトップ機、妻のパソコンはA4ファイルサイズのノートです。デスクトップ機はノートと比べれば画面は広いし、入力デバイスの操作性でも有利。しかし、ノートパソコンのような、「使いたい場所に移動して広げる」という使い方は出来ません。据えてある場所に行かないとパソコンが使えない…というのは、ときにストレスになります。

かつては、小さなノートパソコン、それも今やモバイルPCの超一流ブランドとして評価が確立したレッツノートを愛用していましたが、老朽化の末に壊れてしまい、結局メーカーに交換部品がなくて修理も出来ず、経済的余裕がなくて買い換えることも出来ず現在に至ります。最近は、スマートフォンを使えばかなりのことができるようになりましたが、それでも十分対応できない部分はあります。どうしてもパソコンの環境を持ち歩きたい場面は、厳然として存在します。

そんな私にとって、先日ちょっと気になるニュースがありました。Microsoft社が、iOSとAndroidで動作するリモートデスクトップアプリを公開したんです。リモートデスクトップについては、ずいぶん昔に話題にしたことがありますが、Windowsパソコンを、ネットワーク経由でデスクトップ画面を見ながら遠隔操作してしまう機能です。遠隔操作が可能な(リモートデスクトップサーバーになれる)Windowsはオフィス向けのPro版に限られますが、これらのアプリを使えばスマートフォンからWindowsの画面を見ながら操作できるようになります。

いつかはレッツノート…という野望はまだ捨ててはいませんが、とりあえず家の中だけでも、手元のスマホを「パソコン用のリモコン」として使えてしまうのは面白そうです。どこまで使えるアプリなのか、ちょっと試してみることにしました。


まずはGoogle Playから無料のアプリをインストールします。アプリを起動して、接続情報を設定すれば準備完了。あとは接続先を選んでタップするだけで、横画面固定でWindowsの画面が映し出されます。

Android版リモートデスクトップアプリの設定画面

リモートデスクトップは、仕組みとしてはインターネットの先にあるパソコンでも操作できてしまうんですが、今回は家庭内LANにつながっているモノを操作するだけなので、設定はずいぶん単純です。接続先のコンピュータ名かIPアドレス、そして接続先にログインできるユーザー名とパスワードを入力します。

リモートデスクトップで見たスタート画面

程なく、Windows 8.1のスタート画面が表示されました。私の使っているスマートフォン・206SHの画面はフルHD(1920×1080ピクセル)の画素数を持ち、これはデスクトップ機で使っている液晶ディスプレイよりも多い(!)ことになりますから、表示できること自体は当たり前です。

一部を拡大表示+機能キー表示

もっとも、これでは画面が小さすぎて操作が難しくなる場合もありますから、一部を拡大できる機能も用意されています。また、操作に必要になるWindowsキーや各種機能キーをソフトウェアキーとして表示する機能も持っています。

デスクトップ画面も操作できます

「リモートデスクトップ」というくらいですから、Modern UIのアプリだけでなくデスクトップ画面でも操作が可能です。

マルチタッチ有効で認識されます

我が家のようにパソコン本体にタッチパネルが装備されていない環境でも、タッチパネル付きのAndroidスマートフォンからリモートデスクトップ接続すると、マルチタッチ対応環境として認識され、タッチパネルを活用した操作が可能になります。

文字入力はAndroidのソフトウェアキーで

文字の入力は、Androidのソフトウェアキーボードから行うことになりますが、ローマ字入力でかなを入力していくと、Windows 8.1にインストールしたATOKの予測変換も表示され、これを使って漢字変換を確定することが出来ます。もちろん、Android側で漢字変換したものを入力することも可能で、両方を使いこなせれば面白いのかも知れませんが、今のところはむしろ混乱の種。あえてこの環境で文字入力をしたいとはあまり思えません。


Modern UIなら何とか操作できます

もともとタッチパネルでの操作を念頭に置いて作られたModern UI環境なら、スマートフォンの小さな画面でも何とか操作することが出来ます。画面上のエレメントが小さすぎる場合でも、画面の一部拡大機能を使えば十分フォローが可能です。

意外にまともに動作するのが、標準でインストールされている各種ゲーム。効果音も画面と一緒にネットワーク経由で飛んできますから、リアルタイム性があまり求められないものならちゃんと遊べます。

デスクトップ画面の操作はかなり無茶

一方、デスクトップ環境はさすがにこれだけ小さな画面では操作は困難です。画面の拡大機能を使っても、まだ画面上に表示されるボタン類は小さすぎます。ウィンドウを閉じるのも一苦労。大型のタブレットならともかく、スマートフォンでは画面が見られるだけでも感謝しなくては…という状態です。

このアプリは、限界さえちゃんとわきまえていれば意外に面白い使い方が出来そうです。そのためには、Modern UIでできる作業をもっと増やす必要がありますね。ついつい使い慣れたデスクトップ環境に逃げたくなりますが、今後の流れに取り残されないために、両方の環境に慣れておくことはプラスになるはずです。


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