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月額利用のOffice+α

Windows XPのマイクロソフト社でのサポートが、2014年4月9日(日本時間)で終了することが決まっているのは、皆さんもご存じかと思います。この日を過ぎると、これまでWindows Updateで提供されてきたWindows XP向けのセキュリティ更新が提供されなくなり、様々な被害を受けるリスクが高まります。

ウイルス対策ソフト会社などでは、企業向けに独自のセキュリティサポートを継続するところもあるそうですが、本体のWindowsが対応してくれなくなるわけですから、自ずと限界があります。根本的には、新しいバージョンのWindows、またはそれ以外の環境に移行していく必要があります。

もっとも、我が家の場合、常にWindows OSは最新版に乗り換えながら使ってきているので、この点については全く慌てていません。既にWindows XPが動いているのは仮想マシンの中のみになり、いつでも対応可能な状態になっています。

しかし、実はまだ看過できない問題は残っています。というのも、今回サポート終了となるのはWindows XPだけではないからです。


今回、Windows XPと同様に、Office 2003シリーズの各アプリケーション、そしてInternet Explorer 6についても2014年4月9日でサポートが終了します。Internet Explorer 6については、全く問題ないどころか、堂々と対応を打ち切れるので面倒な作業が減って大歓迎なんですが、Office 2003の方は大問題。我が家では、まだOffice 2003が現役で働いています。

昨年導入した妻のノートパソコンではWindows 7が動作し、Office 2010がプリインストールされていましたから、こちらについては既に対応完了となります。しかし、私の自作デスクトップ機で使っているのはOffice 2003 Professionalです。Windowsについては新しもの好きの性分に加え、パソコン整備士としての義務感も手伝って次々に乗り換えてきたわけですが、Officeの方は2007、2010、2013とバージョンが上がっていたのを横目に見ながらも、一切乗り換えませんでした。

2007のときにリボンインターフェースが導入されて、大きく変わった操作性に不安を感じたことは理由のひとつではあるのですが、一番大きかったのは、職場の環境がずっとOffice 2003ベースで走り続けていたこと。わざわざ苦労して乗り換える切迫した必要性がなかったんです。アップグレードパッケージが用意されているとは言え、それでも非常に高額なパッケージ価格も障害になりました。

それでも、サポート終了まであと半年を切る状況となって、さすがに何か対応しなくてはならない状況になりました。職場のパソコンも、ずっとWindows XP+Office 2003で走ってきたものの、今年度になってWindows 7機の導入が進んでいて、私がOffice 2003にしがみつく理由はなくなっています。実は、Officeについては他社製のオフィススイートを導入する動きもあるようなんですが、業務でも個人でもExcelのマクロを結構使っている自分の場合は、どうしてもMicrosoft Officeでないと困ってしまう場面があります。


先ほどもちょっと触れましたが、現在のMicrosoft Officeの最新版は2013。Windows 8以降のタッチインターフェースへの対応やクラウド化を意識した仕様など、なかなか意欲的なアプリケーションに仕上がっています。そもそも、既定の保存先としてマイクロソフト社が提供するクラウドストレージサービスのSkyDriveが用意されています。SkyDriveは、Microsoftアカウントを登録したWindows 8ユーザーなら無料で7GBの領域が利用可能で、Windows 8.1ではシステムとの統合がさらに進められました。8以外も含めたWindowsだけでなくiOS、Androidなどからでもファイルにアクセスできます。

必要に迫られているとは言え、やはり問題になるのは、相変わらず高価な導入費用。Office Professional 2013には現在優待版のアップグレードパッケージが用意されているとはいえ、その価格は3万円台の半ばとなります。それ以外のエディションの場合、アップグレードパッケージの提供がありませんから、私たち庶民の個人ユーザーは、そのとんでもない金額に頭を抱えることになります。裏を返すと、それだけ高価なソフトウェアがパソコンにインストールされて配布され、あれだけの低価格に収まっているのは、結構な大盤振る舞いなんですよね。

しかし、ちょっと視野を広げてみると、全く別の方法もあることがわかります。マイクロソフト社では、企業向けに「Office 365」というサービスを提供しています。これは、業務の生産性を向上するための様々なWebサービスをパッケージ化して提供するもので、先ほど紹介したSkyDriveの企業向け版であるSkyDrive Proや大容量のメールボックス、社員の間でスケジュールやドキュメントが共有できるグループウェア機能、一般向けのWebサイトが公開できるサーバー領域とオーサリング環境等が提供されます。そして、最新版のOfficeアプリケーションをダウンロードして利用することも可能なプランが用意されています。

基本的にWebサービスである性質上、Office 365は月額あるいは年額制で料金が支払われます。Professional版+αのOfficeアプリケーション(Office 365 ProPlus)が利用可能な中で一番安価なプランであるOffice 365 Small Business Premiumは、1ユーザーあたり年額12,360円(税抜)。3年間使うと、先に紹介したOffice Professional 2013優待アップグレード版よりちょっとだけ高くなりますが、常に最新版を使えるだけでなく、Macも含めた最大5デバイスで利用できること(パッケージ版は同一プラットフォームのみで2デバイスまでのライセンス)、先に挙げた様々なサービスも使えることを考えれば、十分お得なサービスになり得ます。

企業向けという位置づけではあるものの、Office 365の契約時には企業であることの証明は求められません。そして、1ユーザーからでも契約は可能。つまり、個人である私がOfficeの更新のための方法として選択することも可能…ということになります。他の様々なサービスの利用も考えると、妻の店名義の契約にして、こちらでWebサイトの運営などする手もあるかも知れません。Webサービスを含まない、Officeアプリケーションだけのプランもありますが、ほとんど費用は変わらないので、サービス付きの方がお得感は断然高くなります。


Office 365は、オンラインサインアップで30日間の無料体験が可能です。試しに使ってみることにしました。

Officeアプリケーションのダウンロード及びインストールは、Office 365のユーザー用ポータルサイトから行えます。我が家の場合は一応最大1Gbpsの光回線ですから、メディアからのインストールと比較しても、ダウンロードにそれほど待たされる感覚はありません。一度インストールしてしまえば、あとは回線がオフラインでも各アプリケーションが起動できます。動作も実に軽快。サービスの一環として提供されているものとはいえ、パッケージ版と同等のもの…と考えてよさそうです。

SkyDrive(無印もPro版も同様)は、インターネットの向こう側にファイルを保存するものですから、複数デバイスにOfficeをインストールした場合、どのデバイスからアクセスしても全く同じものを見ていることになります。ネットワークがオフラインの間は、ローカルにキャッシュされたファイルを編集しておいて、オンラインになったときに同期する機能もちゃんと持っています。Windows XP時代のオフラインファイルに近い感覚で使えそうです。

これら2点から言えるのは、「1ユーザーあたり5デバイス」の中には、オンライン状態が保証されないモバイルデバイスを含めて大丈夫だ…ということ。モバイルノートだけでなく、最近各社から発表されている小型のWindows 8タブレットあたりも対象になってきます。これらのデバイスを購入するときに、Officeプリインストールを選ぶ必要はなくなりますから、導入コストが削減できます。

持ち運んで生産活動が行えるWindowsデバイスへの渇望は相変わらず強いんですが、Officeの導入費用は大きな負担でした。改めて買わずに済むなら、ウマい導入方法が何か見つかるかも知れません。


一般公開用のWebサイトは、ブラウザー上で動作するエディターで編集することができます。十分に使いこなせているとはとても言えませんが、ガリガリとHTMLタグを直打ちするよりも、敷居はずいぶん低そうです。これなら、妻にも気軽にいじってもらえそうな気がします。

現在、店のWebサイト用には年間5,000円強を支払ってレンタルサーバーを借りているんですが、Office 365のサーバーに移行させてしまえば、この分のコストが削減できます。現在使っている独自ドメインを移行させて割り当てることもできますし、Office 365ならこれまで利用していたサービス内容以上のものをいろいろ使えることになります。企業での商用利用が前提となっていますから、そもそもサービス提供の信頼性が個人向けより高く設定されているのも気に留めておきたいところです。

最新版のOfficeフルパッケージ相当の利用権に加え、Webサービス全てをひっくるめて年間1万円少々で済むのですから、あまりにもお得すぎます。まだ無料体験期間中ですが、有料契約に移行する意義は十分にあると思っています。


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