コーヒーを飲むのが大好きな私は、自宅や職場でのレギュラーコーヒー、コーヒーショップのコーヒーだけでなく、缶コーヒーも結構頻繁に買って飲みます。淹れたてのコーヒーの味には到底及びませんが、簡単に手に入り、お手軽に飲めるのがいいところです。保存も利きますしね。
巷には実に様々な種類の缶コーヒーがあります。使われている豆の種類や淹れ方、クリームや砂糖の有無、分量の多寡や容器の形状などバリエーションは豊富ですが、最近ちょっと気になるのが、コーヒーに機能性を付加したことをアピールする商品です。いくつか買って飲んでみました。
機能性をアピールする製品の最右翼と言えるのが、消費者庁から特定保健用食品、いわゆる「トクホ」を名乗る許可を受けた缶コーヒーたちです。花王のヘルシアCOFFEE(写真左)は、ポリフェノールの一種「クロロゲン酸」を多く含み、脂肪を消費しやすくするのだそうです。サントリーのBOSS GREEN(写真右)は「コーヒー豆マンノオリゴ糖」を配合し、脂肪の吸収を抑えるのだとか。
しかし、クロロゲン酸はもともとコーヒーに多く含まれるポリフェノールですし、コーヒー豆マンノオリゴ糖も、その名の通りコーヒー由来の成分です。どちらも、トクホとは言え成分的にはコーヒーそのもので、成分の配合比を変えてあるだけ…という見方ができます。缶の側面に書かれている原材料名を見ても、普通の缶コーヒーと違いはありません。
もっとも、どちらも天然のコーヒーをシンプルに抽出したものとは異なることは間違いないわけで、実際に飲んでみると普段飲んでいるコーヒーとは明らかに何かが違う飲みものになっています。特に、ヘルシアCOFFEEの方は「コーヒー」と形容するのをちょっとためらってしまうほどの違和感があります。でも、改めて考えてみるとやっぱりコーヒー以外の何物でもないわけですが。他の「ヘルシア」シリーズと比べれば、違和感はかなり抑えられています。
これは、ひとえにコーヒーという飲みものが強烈な個性を放つ味や風味を持っているから…ということに尽きるでしょう。実際に、同様にトクホを名乗る飲みものでも、コーラはやっぱり違和感が少なく飲める気がします。あれも独特の強烈な存在感がある飲みものですからね。
さらに、もっと積極的に機能性を追求した「コーヒーベースの飲みもの」も出てきています。UCCのFULL THROTTLEは、「スパークリングカフェイン」を銘打った、コーヒー入りの炭酸飲料。カフェインは普通の缶コーヒーの2倍含まれているそうです。カテゴリーとしては、缶コーヒーと言うよりもレッドブルなどの「エナジードリンク」に近いような気がします。
実際に飲んでみると、コーヒーという感覚は少なく、口当たりとしては強めの炭酸と苦みもあってか、むしろコーラを飲んでいるのに近いような気がしました。しかし、飲み干した後に、じわりとコーヒーの風味がやって来ます。明らかに、今までに飲んだことがない飲みものでした。
そして、カフェインが2倍含まれるだけあって、飲んだ後は目がぎらぎら。何だか元気になったような気がします。…チャージが切れるまでの短い間でしたが。根本的に、飲みものごときでは跳ね返しきれない疲労が溜まっているようです(汗)。
改めて考えてみると、実はコーヒーは昔からいろいろなものを「足して」楽しまれていた飲みものです。牛乳やクリーム、あるいは砂糖といったところは、足されるものの代表格。チョコレートシロップを足すカフェ・モカや、キャラメルシロップをトッピングするキャラメル・マキアートなども、スターバックス・コーヒーの上陸以降すっかりメジャーになりました。
他にも、ものの本を見てみるといろいろなものを合わせたコーヒーが紹介されています。たっぷりのミルクと合わせ、シナモンをトッピングするカプチーノは結構有名どころですね。他にはメープルシロップやハチミツなどの甘味系、ブランデーやウイスキーなどのアルコール系。ロイヤルミルクティーと合わせてしまう「香港珈琲」なんてものもありますし、コーラやフルーツジュースなどで割ってしまうモノに至っては、本当に大丈夫なんだろうか?と思ってしまいます。
もっとも、千数百年にわたると言われるコーヒーの長い歴史の中で作られてきた飲み方ですから、単なるイロモノということもないはずです。機会があれば、いろいろ試してみたいな…と思っています。妻には思いっきり嫌な顔をされそうですが(苦笑)。
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