まさかの迷い

先週水曜日の13日にNTTドコモが、木曜日の14日にauが、それぞれこの夏の新製品発表会を開きました。次に私が乗り換えるスマートフォンは、おそらくどちらかで登場するモノになるだろう…ということで、両イベントには注目していました。

NTTドコモの発表会では、スマートフォン8機種、タブレット2機種、フィーチャーフォン2機種が発表されました。とはいえ、スマートフォンのXperia Z4、Galaxy S6/S6 edge、そしてタブレットのXperia Z4 Tabletは先にメーカーの発表会でお披露目が済んでいて、ここに出てくるのは織り込み済み。Galaxyたちに至っては既に市場に出回り始めているわけで、これらを発表機種数に含めるのは機種数の水増しだと思います。もっとも、翌日にauも同じようなことはしているわけですが。


相変わらず画面(=筐体サイズ)の巨大化傾向には歯止めが掛からず、一方でコンパクトな機種は性能を削りすぎの感があり、どうも私のニーズとはどこかがズレている…と言わざるを得ないんですが、ひとつだけ気になる機種がありました。ARROWS NX F-04Gは、世界初の「虹彩認証」を内蔵したスマートフォン。虹彩(瞳孔の周囲の、いわゆる「黒目」の部分)のしわ模様のパターンを専用の赤外線カメラで読み取って、ロックの解除や各種パスワード入力を行えます。

NTTドコモは、発表の翌日に、この日発表した全ての端末のモックアップを店頭に並べる…という気合いを見せたんですが、F-04Gについては実機も用意され、虹彩認証を体験できるアプリを走らせていました。早速私も試してみましたが、20秒ほどかけて虹彩のパターンを登録させた後、「認証する」ボタンを押して、画面右上のカメラを見ると…もう認証が完了しています。ボタンを押してから1秒もかかっていないはずです。

本当に認証しているのか?と不思議に思い、店員さんを捕まえて画面を覗いてもらいましたが、私の目でないと認証は通せませんでした。どうやらちゃんと動作しているようです。生体認証としては、iPhoneのおかげで指紋認証がポピュラーになっていますが、どうしてもセンサーに触れなくてはならない指紋と比較すると、虹彩認証の「画面を見るだけ」(厳密に言うとちょっと違うんですが)というスピード感は魅力的です。

F-04Gは、他にも受信時最大225Mbpsの「PREMIUM 4G」対応、5.2型で1440×2560ピクセルの超高解像度画面、2150万画素のカメラなど、ハイスペックてんこ盛り。しかも、横幅は70mmに抑えられていて、現在使っている206SHとほぼ同じということになります。長さは146mmもあり、さすがにコンパクトとは言えないんですが、これなら何とか我慢できるサイズです。富士通製端末は、昔から「スペックモンスターなんだけど、どこか残念なポイントがある」というイメージがあるのが不安材料ですが、手に入れれば周囲に自慢して回れそうではあります。


auの発表会では、スマートフォン7機種(こちらもXperia Z4とGalaxy S6 edgeを含む)、タブレット2機種(Xperia Z4 Tabletを含む)、フィーチャーフォン1機種が発表されました。こちらのラインナップでいちばん気になったのは、やはり最強のタフネススマホ・TORQUEのバージョンアップ版でしょう。TORQUE G02は、落っことしても、踏んづけても、海に落としても壊れず、海中写真まで撮れてしまう…という、とんでもない強靱さがウリ。最大150MbpsのCA対応のLTE、WiMAX2+、VoLTEには対応し、初代よりはスペック面での「残念さ」はありません。こちらも、周囲に見せびらかして楽しめそうなインパクトは十分です。

ただし、そのタフさとのトレードオフで、どうしても大きく、厚く、重い端末になってしまいます。残念ながら、やや「スマートさ」には欠けると言えそうです。もちろん、この機種を選ぶ者たちがそんなことを気にするはずはないのですが、毎日のランニングで持ち歩くには、200gを超えるとも言われる(一応重量は「測定中」)TORQUE G02の重量感は不安材料です。

もうひとつ、5.0型の大画面を3辺狭額縁のコンパクトな筐体に収めたAQUOS SERIE SHV32も気になる存在です。同じシャープ製の端末である206SHからの移行に際して、違和感が少なそうなのはプラス要素。130g台の、このサイズ感にしては軽い重量もなかなか良さそうです。しかし、残念なのは筐体色のラインナップ。白、黄緑、ピンクというのは、どう考えてもむさ苦しいオヤジが持ち歩く色ではありません。

auの夏モデルで、現在店頭で見られるのは、既に販売されているGalaxyの他にはXperia Z4のみ。気になる候補たちは、まだハリボテすら見ることができません。NTTドコモの気合いと比べると、業績好調なauの余裕が見える気もしますが、一方では寂しさもあります。とにかく、auの面々の姿をこの目で見ないことには始まらないと思っています。


発表会を見る前は、auへの乗り換えが優勢だと思っていたんですが、現時点ではむしろ迷いが増えてしまいました。テクノロジーとしての新しさでは、auの新機種たちはF-04Gの虹彩認証を超えるインパクトを見せてくれなかったんですよね。実際にF-04Gで体験してみると、SFっぽいスゴさだけではなく、アレは十分実用的に使えそうです。

気になる機種は複数あったわけですが、どれも無視できない不安材料を抱えています。少なくとも現時点では、方針はとても決められません。明日行われるというソフトバンクモバイルの発表会でとんでもない新製品が登場でもしたら、まさかのソフトバンク継続という目も…いや、それはない。絶対にないぞ(笑)。


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