先日、スマートフォンを乗り換えた話をしたときに、妻が大画面のiPhone 6 Plusに乗り換えた理由を「ツムツムが遊びやすいから」とご紹介しました。そもそも「ツムツム」というのは、ディズニーストアで販売されている、ディズニーのキャラクターたちをまん丸にかわいらしくデフォルメして、積み上げて遊べるようになっているぬいぐるみなんですが、もちろんここではぬいぐるみ遊びのことを言っているわけではありません。
スマートフォンやタブレット向けのゲーム「ツムツム」は、LINEが2014年1月に提供を開始し、現在iOSとAndroidの両環境で遊ぶことができます。デビューからもう1年半以上が経過するんですが、次々と新しいゲームが出ては消えていくこの業界で、驚異的なロングランヒットを続けています。
このゲームは、閉店後のディズニーストアで遊んでいるツムたちを片付ける…という世界観になっています。画面一杯に「積み上がっている」ツムたちの中で、隣り合っている同じ種類のものを3つ以上、タッチパネル上でつないでなぞっていくと、つなげたツムたちが画面から消え、得点が入ります。1分間の制限時間の中で、次々に積み上がっていくツムたちを、どれだけ多く、連続して消していけるかで点数が積み上がっていきます。アクション要素が強いパズルゲームです。
…という説明だけでは、巷に掃いて捨てるほどあるスマホ向けパズルゲームと、何が違うのかよくわからなくなってしまいます。ツムツムの場合、登場するキャラクターたちにディズニーというブランド力に加えてゆるキャラにも通じる愛嬌があるのに加えて、実は他のパズルゲームとは根本的に違う、ゲームシステム上のポイントがあります。
それは、ゲームの開始直後の画面を見れば一目瞭然です。ツムたちは画面上部から降ってきて、無造作に積み上がります。上から次々に消すモノが落ちてくるアクションパズルといえば、「テトリス」以来の伝統がありますし、同じ種類のモノを一定数以上つなげて消すゲームも、「パズドラ」をはじめとしていくらでもあるわけですが、ツムツムの画面には、他のパズルゲームたちが当たり前のように前提としている、四角形や六角形などのグリッド(格子・マス目)がありません。あえて繰り返しますが、実に無造作に積み上がっている…ように見えます。
先に「隣り合っている」と表現しましたが、これは他のゲームのような「隣のマスに入っている」ということではなくて、隣と接触しているように見える、あるいはかなり近い距離にあるように見えるものが、その都度つなげられる対象になります。いくつかのツムを消すと、残りのツムはバラバラに転がり落ちてきます。右下のファンのボタンを押すと、ツムたちはぶつかり合いながら風に飛ばされて動き回り、シャッフルされます。まるで、個々のツムが、それぞれ物理法則に従って動いているようです。
本気でこれだけの数の物体を物理演算で動かそうとすると、いくら最近のスマートフォンの計算能力が向上しているとは言え、相当な負荷が掛かるのではないかと思います。裏を返せば、内部の計算は相当に簡略化しているか、あるいは擬似的にグリッドのようなモノが存在していて、私たちゲームを遊ぶ側には巧みにそれを感じさせないようにしているのか…いずれにしても、ゲームプログラムとして相当な技術のある方々が作っていらっしゃるのでしょう。簡単に見えるのが、実はスゴいんです。まあ、遊んでいるとXperia Z4などは筐体がかなり温まるので、計算量は相応に多いのでしょうけど。
そんなわけで、妻と共々、ツムツムでは楽しませてもらっているんですが、今年になってアーケード版の筐体が登場したんですね。近所のショッピングモールに出かけたときに、たまたま店頭に並んでいるのを見かけたので、ちょっと遊んでみました。
スマホやタブレットで遊ぶときと同様に、画面上に並んだツムたちをタッチパネルでなぞりながら消していきます。しかし、決定的に違うのは画面の大きさ。30型以上はありそうな大きな画面全体がタッチパネルになっているので、指先ではなく腕を大きく動かしながらのプレイになります。画面にあまり近づきすぎると、画面全体が見えにくくなるので、あえて距離を取りながら手を伸ばしてなぞっていく方が得点が稼げそうです。
1プレイが制限時間1分なのもスマホ版と同じなんですが、身体をよく動かしているせいか、時間が妙に長く感じましたね。そして、プレイが終了した時点で、うっすらと汗をかいているのに気付きます。数ゲーム続けて遊べば、かなり疲れそうです。もはやスポーツに近い感覚かも。
全く違う環境で、基本的に全く同じ操作をさせているだけなのに、ゲーム性を失わせないばかりか、違う方向の楽しさまで生み出してしまうツムツムのゲームシステムは、やっぱりスゴいのかも知れません。…ちょっと褒めすぎ?
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