先日無事SSDの換装に成功した私のデスクトップPC・HP Pavilion Wave 600のお話の続報です。今回採用したNVMe接続のM.2 SSD・Samsung 960 EVOに限らず、M.2 SSDについては発熱が問題視されることが結構多いので、我が家での状況がどうなっているのかは心配していました。
Samsung社のWebサイトからダウンロードできる管理アプリ・Magicianには、SSDの現在の様々な状態を示すS.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)情報が参照できる機能があり、その中に「温度」の項目があります。しかし、リアルタイムではなくアプリを起動した当初の情報しか取得していないようで、これでは使用状況に合わせた温度変化をモニタリングするのは無理です。
そこで、同様にS.M.A.R.T.情報をGUIで確認できるアプリ・CrystalDiskInfoを使い、状況を監視してみました。こちらは、一定時間ごとに情報を取得し、グラフを描くなどして状況を確認することができます。
様子を見てみると、SSD(グラフ画像オレンジ色の線)は特に負荷が掛かっていない状況だと40度C台の真ん中あたりの温度で平衡状態になるようです。そして、負荷の掛かる処理をすると50度C前後まで上がってきて、場合によっては50度Cを超えます。
一方、同時にモニタリングしたハードディスク(青色の線)の方は、38~39度あたりで常時安定しています。といっても、こちらはデータ保存用に徹しているので、それほど負荷が掛かる場面自体がないんですが。
先日、SSDを換装して組み上げたときには、SSDの表面と金属フレームの間に熱伝導シートを挟み込み、金属フレームに熱を逃がしてヒートシンクのように活用することを狙ってみました。
しかし、この熱伝導シートが結果的に金属フレームに空けられたパンチング穴を半分ほど塞いでしまったことが、どうも気になっていました。
Pavilion Wave 600の筐体には、三角柱の底面3辺の縁に吸気口があります。外気はここから金属フレームの外側に取り込まれ、パンチング穴からマザーボード裏側に吸い込まれることになります。もしかして、熱伝導シートが空気の流れを阻害して逆効果になっているのではないか?と思い、もう一度分解してシートを取り除いてみました。
ふたたび温度を計測してみると、SSDの温度は先ほどよりも上がり、平常時でも50度C弱。しかも、その中でも温度は小刻みに変動しているのが確認できます。
そして、少しでも負荷をかければ、簡単に50度Cを超えてきます。CrystalDiskInfoの設定で、50度Cを超えたときに警告を出すように設定してみたんですが…、↓
あまりにも頻繁に出るようになってしまい、これでは使い物になりません。
熱伝導シートがちゃんと仕事をしているらしいことは確認できました。しかし、SSDを高温環境で動作させるのは、速度低下を招くだけでなく寿命を縮めることにもつながるので、正直なところこれではまだ冷却が不十分だと感じています。せめて、ハードディスクと同レベルには持っていきたいところです。
巷では、M.2 SSDを冷却するためにヒートシンクを貼り付けている例を多く見かけますし、最初からヒートシンクが取り付けられているSSDもあります。これは確かに効果がありそうですが、SSDと金属フレームの間に2mm少々しか隙間がないPavilion Wave 600では、ヒートシンクの取り付けは非常に困難です。やるとしたら、金属フレームを切り開いてしまう…という外科手術が必要。加工自体が不可能だとは思いませんが、後々故障したときなどに修理に出すのも面倒になります。
何とかして使えるものはないか探していたところで、ちょっと面白いモノを見つけました。沖電線という会社が作っている、「クールスタッフ」という名前の放熱フィルムです。厚みはわずか0.13mm。熱を銅箔層でシート全体に広げ、表面の黒色の絶縁体層から、熱を遠赤外線として放射するのだそうです。これなら、Pavilion Wave 600の限られた空間の中でも、ヒートシンク的に作用してくれそうです。
10cm四方程度のサイズのモノが、Amazonでは1,200円で売られています。それほどとんでもないお値段でもないので、早速発注してみました。届いたら、また試してみましょう。
Amazonといえば、恒例になったサイバーマンデーのセール中。実はこのシートとは別に、既に発注済みのものもあります。これについては、またご紹介することになるでしょう。
コメントを残す