今年の夏は猛暑になりそうですが、我が家ではもうこの時期から冬に向けての準備が始まっています。先日、薪ストーブのメンテナンスをお願いしてあったランドマークストーブさんが、富士市から我が家にやって来ました。
新築のときに施工していただいて以来のお付き合いで、お店には何度か伺っているんですが、使い始めてからもう5シーズンが過ぎているのに、しっかり診ていただくのは初めてになります。お願いしなくては…と思いつつ、ついつい延び延びになっていたんですよね。先日「メンテナンス早期割引キャンペーン」のお手紙をいただき、ちょうど良い機会ということでお願いしました。
作業は、まずは分解清掃から。中に残ったままだった灰は全て掻き出して、隅などに残ったものも掃除機で吸い出します。「今シーズンは使わないな」と思ったら、すぐに灰は取り除いておいてほしい…とのことでした。灰が湿気を吸い込んで、鋳鉄製のストーブが錆びる原因になります。
煙突や扉だけでなく天板も取り外し、内部も清掃していきます。気になったのは、灰よりもむしろ黒光りする塊が付着している部分が結構目立ったこと。これがいわゆるタールで、燃焼温度が十分に上がっていない証拠です。
取り外した扉類は、タールをキレイに取り除いた上で、本体と密着する縁の部分に巻いてあるガスケットを新しいものに交換していただきました。燃焼室の密閉度が重要ですから、これは劣化する前に交換しておかなくてはなりません。
煙突も掃除していただきました。基本的にやり方は私が毎年やって来た方法と同じなんですが、煙突に被せる袋は専用のしっかりしたものがありますし、ブラシは奥まで突っ込んだ後に、電動ドリルでぶん回します。
そして、屋根に登っていただき、上からも状況を確認していただきました。我が家の煙突は屋根から結構高く伸びているので、屋根の上に脚立を立てて、その上から覗き込んでいました。自分でするのはちょっと怖いですね。
煙突の中もタールだらけ。袋はずっしりと重くなりました。ランドマークストーブのSさんによると、ストーブ内部も含め、タールが付着しているのは燃焼温度が低すぎるためで、これは煙突内などで引火して火災の原因にもなり危険。正しく薪ストーブが使えていれば温度は十分に上がり、こんなことにはならないはずで、煙突内に付着するものは「ココアパウダーのようなさらさらの」すす程度になるのだそうです。
その温度は、天板の温度計で「500度C~600度C程度」とのことで、我が家ではそんな高温はほとんど見たことがありません。これは、単に我が家の燃やし方が下手…というよりも、むしろ使い方自体に問題があるのではないか?ということで、いくつか注意点を教えていただきました。
我が家で使っているダッチウエスト社のフェデラルコンベクションヒーターでは、内部に「キャタリティックコンバスター」という触媒(写真左の円柱形のもの)が取り付けられています。燃焼ガスをここに通して二次燃焼を誘導することで、排気をクリーンにする構造になっています。
しかし、触媒が機能する温度は220度C以上。そして、点火直後に温度を上げるために大量に空気を送り込むときには、触媒の細かい網目はむしろ邪魔になります。そこで、触媒の奥(写真右)にあるダンパーで空気を煙突に直行させたり、触媒を通したりするのを切り替える構造になっています。
ストーブの向かって左側にあるレバーを回して下向きにすると、ダンパーが閉じて空気が触媒に流れ込む…という訳なのですが、単に真下に「落とす」だけでは完全にはダンパーは閉まりません。密閉するためには、さらに奥まで押し込む必要があります。
考えてみると、我が家では、この部分の操作が確実にできていなくて、常に空気が煙突に漏れていたのではないかと思います。今シーズンからは、確実にダンパーを閉じるようにしなくては。
そしてもうひとつ。ストーブ左側には、触媒への空気取り入れ口があり、つまみを捻ることで量の調節ができるのですが、これが完全に閉まった状態になっていました。触媒に空気が入らなければ、二次燃焼どころではなく、単にガスが通っているだけ。触媒は全く機能しません。
これらの状況から見たところ、せっかくの触媒を全然生かしていなかったのではないか?という疑惑が湧いてきます。ともかく、今シーズンは薪ストーブの正しい使い方を念頭に置いて、基本に立ち返って使いたいと思います。取扱説明書にも、ちゃんと記載されていることなんですよね。
燃焼温度が上がらない原因のもうひとつの可能性として、薪の水分が十分に抜けていないことが考えられます。薪に残っている水分を計測する「含水率計」で、我が家に置いてある薪を測っていただきました。
薪小屋に積んである薪の含水率は、18~20%といったところ。「燃やせる薪」の含水率の目安は15%以下ということで、まだまだ水分が抜けていないことになります。しかし、我が家の薪小屋は日差しも十分に当たり、風もよく通ります。このまま置けば、シーズンインの11月頃までには、水分は十分抜けるのではないか?ということでした。
とはいえ、外見だけでは含水率を知ることはできません。完成品の薪を購入するのではなく、自分で作っている我が家の場合、含水率計を用意して状態を確認した方が良さそうです。
他にも、早く着火させて温度を上昇させるためには、現在我が家で使っているよりも大量の焚き付けを使い、新聞紙ではなく着火剤を使うべきとのこと。こちらも、まずはアドバイスをいただいたとおりにやってみましょう。ウマく行けば御の字、ダメなら他の原因を考えなくてはなりません。
最後に外装をキレイに磨いていただいて、メンテナンス作業は終了となりました。とりあえずはひと安心。とはいえ、いろいろと問題は明るみに出たわけで、指摘を受けたことは忘れないように、しっかり実行しなくてはなりません。今日の記事は、そのための覚え書きです。
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