一時期、帽子を遠ざけていた時期がありました。妻に「似合わない」と思われている…と感じていたのがその理由でしたが、それが実は私の思い込みに過ぎなかったことが判明して以来、また被るようになりました。基本的には、毎日出かけるときには帽子を被っています。
現在被っている帽子は、妻からもらったグレーのキャップです。お互いに、何の機会であげたものか、もらったものかは忘れてしまいましたが、「似合う」と言われ、調子に乗って被り続けていることは間違いありません。
先日、そんな帽子を新幹線の車内に置き忘れる…という大失態を演じてしまいました。仕事柄、静岡駅まで新幹線に乗ることは結構あるのですが、帽子は被りっぱなしのことが多いです。しかし、たまたまそのときは帽子を脱いで、帽子掛けに掛けたままにしてあったんです。弁当を食べるために帽子が邪魔になったという事情もあったのですが、とにかくうっかりミスでした。
静岡駅の改札を出て、その日の目的地まで歩き始めてしばらく経ったところで、頭の上にいつもの帽子がないことに気付きました。これだけの猛暑ですから、日差しがまともに当たればイヤでも気付きます。あそこに忘れてきた!…ということはすぐに思い出したのですが、さすがに取りに戻ることもできません。帽子は新幹線と一緒に三島駅あたりを走っている頃でした。
妻に、LINEのメッセージで帽子を忘れてきたことを伝えました。その後で謝るつもりだったんですが、彼女からは「JRに連絡すれば見つかるかも」という返信が来ました。私だって、愛着の出てきた帽子ですから簡単にあきらめたくはありません。静岡での用事を済ませた帰りに、静岡駅の忘れ物カウンターに寄ってみることにしました。
乗っていた列車、座っていた号車と座席を伝え、JR東海の忘れ物管理システムで確認していただいたところ、その時点では該当する忘れ物はどの駅からも報告されていませんでした。「列車はとっくに東京駅に着いているから、清掃のときに見つかっていればそろそろシステムで出てくるはずなのですが」という話でしたが、一応Webサイト上の「お忘れ物お問い合わせフォーム」に登録しておくことを勧められました。忘れた状況を忘れないうちに、帰りの新幹線の中でレッツノートを開き、フォームへの登録を行いました。LTEで何処でもネットにつながるのは、やっぱり便利です。
その日の夜に、JR東海からメールをいただきました。それらしき忘れ物が、東京駅で登録されているとのこと。誰にも見つからずに、終点の東京駅まで行ってしまったんですね。追って、東京駅お忘れ物承り所から詳細の確認のための電話が行くので、お待ちください…とのことでした。
東京駅から電話をいただいたのは、翌々日の昼過ぎでした。改めて帽子の色、形などの特徴を確認した結果、私の帽子で間違いないだろう…ということになりました。乗っていた場所を正確に伝えてあったことが良かったようです。指定席に乗ることが増えてから、自由席に乗るときでもどこに座るのかを明確に意識するようになり、場所はハッキリ覚えていました。
この帽子は、東京駅の窓口まで行って受け取るのが基本。しかし、当分は東京まで出かける用事もなく、わざわざ出かけるのではさすがに愛着のある帽子でも交通費の割が合いません。着払いの宅配便で自宅まで送っていただける…ということなので、お願いすることにしました。梱包代金も含めて、合計1,156円。帽子がいくらだったのかは妻も覚えていませんでしたが、このくらいなら私の愛着に払う金額としては適当と感じました。
帽子は、電話をいただいた翌日には無事私の手元に帰ってきました。あきらめなくて良かったですね。こんなことがあったからこそ、続けて大事に被ろう…という気持ちが、さらに強くなりました。やっぱり、電車の中でも被りっぱなしでいた方が無難かな。
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