もうずいぶん前の話になってしまいましたが、Amazon.co.jpのサイバーマンデーセールで、もうひとつ買っていたアイテムがありました。とはいっても、NASのハードディスクや腕時計のバンドと比べると小さなものですが、こだわりのひと品ということで、やっぱり紹介はしておきたいところです。
私は、いつも家の鍵を付けてあるキーホルダーに、必ずUSBメモリーもひとつ付けて持ち歩いています。普段から、デジタルデータをやりとりする機会が結構多いのですが、現状でいちばんお手軽な手段はやっぱりコレです。最近は、セキュリティー上の理由でUSBメモリーを受け付けてくれない端末も増えてきていますが、それでも「USB持ってる?」に対して「あるよ」と応えられるかどうかでスピード感が全然違う…ということは多いですね。
そんな私がUSBメモリーに求める要件は結構過酷だと思います。何しろ、キーホルダーにぶら下がっている鍵と同じように屋外の環境で持ち歩くことになります。となると、やっぱり大事なのは防水・防塵性能。そして、この時期特に実感するわけですが、静電気に対しての強さも求められます。もちろん、やりとりするデータが年々巨大化する中で、読み書きの速度も大事です。
そしてもうひとつ大事になるのが、キーホルダーに取り付けられるように作られた形状。最低限でもストラップホールは必須です。もっと丈夫なリング状のパーツが備えられていればなお良し。そして、鍵と一緒に持ち歩いても嵩張らないコンパクトなサイズもポイントになってきます。
このあたりを踏まえてこれまで使っていたのが、台湾Transcend社製の「JetFlash 710」です。これは、とにかくその筐体の小ささが最大のアピールポイントです。 アルミ製の筐体は金色にメッキされていて、「金の延べ板」と勝手に呼んでいたりします。
PCなどのUSB端子に差し込むと、飛び出る部分は1cmもありません。差し込む場所によっては、抜くのがちょっとタイヘンになったりもするので、ストラップホールのところにリングを入れてあります。この輪に小指を差し込んで引っ張ればすんなり抜けてくれます。
このリングが、キーホルダーへの取り付けの際にも重宝しています。リングがあるおかげで、ナスカンにすんなり留められるわけです。データの受け渡しのときに、鍵ごと渡すのはイヤですからね。外せることが大事です。
そのJetFlash 710なんですが、最近パソコンに挿しても認識されない…という場面が時々見られるようになりました。どのパソコンに挿しても症状が発生するので、おそらく接点の接触不良か何かだと思うのですが、確認のしようがなくて困っています。端子の外枠を兼ねている筐体外装がやや曲がってきたので、これも影響しているかも知れません。
「無期限保証」らしいので、サポートに連絡してみるのもアリかも知れませんが、修理に出すとしても、当面のバックアップとしてもう1個USBメモリーは必要です。追加で買うことにしました。
今回選んだのは、これまた台湾にあるSilicon Power社の「Jewel J80」。こちらは、亜鉛合金製の削り出し筐体で、一体化されたリングまで滑らかにつながる造形が特徴的です。
外装がそのまま端子の外枠になっているのは、JetFlash 710と同様で、USB Type-Aそのままのコンパクトな断面積ももちろん共通です。リングの部分は、本体よりはやや薄く、幅は広く、絞り込まれた形状になっています。
もちろん、このリング部分を使ってナスカンに取り付けることができます。筐体自体はやや大きくなるわけですが、リングの分まで考慮すると、大して変わらない…という見方もできます。継ぎ目の数が1個減って、自由度が下がった分だけ全体のまとまりは良くなりました。
読み書きの速度も大事…ということなんですが、このあたりはなかなかUSBメモリーの製品だとカタログ情報からはわかりにくいところです。スピードは最重要条件ではないのですが、気にし始めると収まらないので、CrystalDiskMarkでちょっと測ってみました。
容量が異なるので、正確な比較にはなっていない気がするわけですが、シーケンシャルの読み込みではJewel J80が、書き込みではJetFlash 710が高速という結果になりました。さすがにPanasonicのポータブルSSDほど速くはありませんが、480MbpsのUSB 2.0では実現不可能なレベルで、USB 3.1 Gen1の能力はまあまあ発揮できていると思います。
ランダムアクセスは両方とも劇的に遅く、特に書き込みは目も当てられないわけですが、そもそもそこに高性能を要求されるデバイスではありませんからね。気にしないことにしましょう。
仕事でも、プライベートでも、近年はデータを共有してやりとりするためにクラウドを経由するやり方が増えてきました。GoogleドライブやDropboxなどのストレージサービスはもちろん、さらにはSlackのようなグループウェアを使ってみたり…。そのうち、USBメモリーを持ち歩くなんて旧世代のやり方になるのかも知れません。
とはいえ、当面はいろいろなパターンに対応できるようにUSBメモリーも持ち歩く現状のやり方を続けるのかな?と思っています。レッツノート・CF-SV8にThunderbolt 3からVGAまで様々なインターフェースが備わっているのも、あらゆる状況に対応できるようになっている、同様の思想ですね。
コメントを残す