この冬は、新しいクルマをはじめとして、結構いろいろと買い物をしています。非常事態に散財なんかしている場合ではない…という話もあるわけですが、それでもこのタイミングで買っておきたいモノというのはいろいろ出てきます。懐事情が厳しい昨今ではありますが、何とかやりくりしていかなくてはなりません。
以前から、そろそろ更新しておかなくてはならないと考えていたのが、家庭内のWi-Fi接続環境。考えてみると、私はもう20年近くWi-Fiにはお世話になっているのですが、最初は1階のADSLモデムと2階のデスクトップパソコンの間をつなぎたくて導入した…という記事が残っています。普通ならパソコンを移動させるか、LANケーブルを引き回すかなのでしょうけれど、昔からワタシは変人だったんですね(汗)。
現在は、自宅の1階と2階にWi-Fiルーターを1機ずつ置いて、それぞれのルーター機能は使わずにWi-Fiアクセスポイントとして運用していました。それぞれ9年前、6年前に購入した機器ですが、壊れることはなく、ここまで働いてくれています。
そもそも2台置くことになったのは、1台では家の中全体をカバーしきれない…という事情があったからなのですが、ノートパソコンやスマートフォンを持ち歩いて家の中を移動しながら使うと、アクセスポイントをつなぎ替える必要が出てきます。本来は、電波の強さを見比べながら、より強い方に自動でつなぎ替えてくれるはずなのですが、これがウマく行かないことが多々あります。電波の弱い方で繋ぎ続けてスピードが落ちたり、Wi-Fiが完全に切れてしまったり…。
Wi-Fiだけで通信している機器なら、ネットワークにつながらなくなってしまえばすぐ気付きますし、その場で手動で再接続すれば済んでしまいます。しかし、幸か不幸か、インターネットはワイヤレスWAN(公衆回線)でつなげば使えてしまう…という機器が、我が家には結構多いんですよね。気付かずにワイヤレスWANに自動で切り替わり、そのままパケットを使い込んでしまい、使用量をチェックしたときに慌てることも結構あります。
昨年あたりから、「メッシュWi-Fi」と呼ばれる機器が話題になっています。メッシュ(mesh ; 網目)という名前のとおり、複数のアクセスポイントが互いに連携して、ひとつのWi-Fiエリアを構築する仕組みです。全くの余談ですが、かつて日本電気(NEC)が提供していたネット接続サービスがmeshという名前でしたね。現在のBIGLOBEの前身ということになります…トシがバレるなぁ。
どのアクセスポイントに繋ぐのも同じESSID(アクセスポイントの名前のこと)で行えますし、端末の移動に応じて最適なアクセスポイントに接続を自動的に切り替えてくれます。この結果、全体としてのカバー範囲は広くなりますし、気がついていたら切れていた…という事態も起こりにくくなります。現状の我が家のような状況を打破して環境を改善してくれそうで、気になっていました。
一方、これも去年あたりから話題になりだしたキーワードに「Wi-Fi 6」があります。これは、従来はIEEE802.11なんたらかんたら…という名称で呼ばれてきたWi-Fiの通信規格を、もうちょっとわかりやすく世代番号で呼ぶことにしよう!ということで、「第6世代のWi-Fi」となるIEEE802.11axに付けられたニックネームです。これまでのIEEE802.11acはWi-Fi 5、その前のIEEE802.11nはWi-Fi 4ということになります。
Wi-Fi 6では、もちろん最高速度はWi-Fi 5よりも上がっていますが、それよりも多くの端末が同時に接続できること、消費電力が削減できることなどがメリットと言えそうです。端末側もWi-Fi 6に対応していなくては能力をフルには生かせないのですが、昨年末に妻がiPhone 12 Proに機種変更した(既に一度しれっと登場していますが)ので、我が家にとって全く意味がないものではなくなりました。今後は対応製品が増えていくことになるでしょう。
昨年は、ネット上に「Wi-Fi 6を選ぶか、メッシュを選ぶか」という仕立ての記事をいくつか見かけましたが、そもそも全然切り口の違う性能であり、同じ軸で比べる話ではありません。最新規格のWi-Fi 6でメッシュが組める製品があれば、最強なのはわかっていました。これまでは、そんな製品を作ると高価になりすぎるのか「Wi-Fi 5のメッシュ」が多かったのですが、最近になってようやくリーズナブルなお値段で「Wi-Fi 6のメッシュ」が手に入る製品が登場してきました。そろそろ、導入しても良い時期でしょう。
というわけで、今回我が家にやって来たのは、ASUS(えいすーす)のWi-Fi 6対応メッシュWi-Fiルーター・ZenWiFi AX mini(XD4)の2個セット。2万円台半ばという価格設定は、Wi-Fiルーター2台分と思えば、まあまあ納得できる感覚です。
ASUSといえば、私が初めて組み立てた自作PCのマザーボードのブランドでもあり、結構昔から馴染みがある名前です。あれから20年経った今でも、自作PC向けのパーツではトップブランドのひとつなのですが、それだけではなくパソコン本体や周辺機器、さらにはスマートフォンなどのメーカーとしても一般への存在感が出てきましたね。本社は台湾にあります。
Wi-Fi 6としてはミニマムと言える2アンテナ構成、デュアルバンド(5 GHz 1,201 Mbps+2.4 GHz 574Mbps)の製品ですが、その代わりにちょうどマグカップくらいのサイズの、ほぼ立方体のコンパクトな筐体に仕上がっています。Wi-Fi 6対応となると、派手なアンテナが林立しているようなデザインの商品や、とんでもなく大きなハコの商品も目立つ中で、このシンプルさはインテリアにもマッチして好感度が高いですね。
筐体の色は黒と白が用意されているのですが、自由に選べるわけではなく、どの販路で購入するかで色が決まってきます。例えばAmazon.co.jpでは黒いモデルだけが売られていますし、家電量販店のネット通販でも白だけを扱っていたり、黒を扱っていたり…という感じ。私は、家のインテリアとして考えたときに白の方が合うと思ったので、品薄の中を探し回った結果、最終的にはメーカー直販のASUS Storeで購入しました。
ちなみに、ほぼ同様のスペックと、コンセプトが近い円柱形の筐体デザインを持つ製品として、TP-LinkのDeco X20があります。こちらの方が先に登場したこともあり、現在やや安価に入手できるのですが、最終的に選択の決め手になったのは、TP-Linkが中国のメーカーであること。他にも細かく見ていくと仕様の差はあるのですが、最終的にはチャイナ・リスクは避けられる限りは避けておこう!という判断になりました。そんなことを言いながらZenWiFiを買ってみたら、底面には「MADE IN CHINA」と書いてあったんですけどね(涙)。
パッケージの中身は2個のルーター本体、ACアダプター、そして回線に接続するLANケーブルが1本。あとは簡単な初期設定マニュアルが同封されている…という、一般的なスタイルです。ACアダプターも本体同様コンパクトなものになっているのは、設置時に嬉しいところです。
本体底面の奥まったところに、LANケーブルを差し込める端子が二つあります。ルーターと使うときにWAN側と接続するほか、LANに有線接続の機器を参加させる為に使います。また、2台のルーター間を繋ぐことで、メッシュ内の通信を有線に流すことができる「有線バックホール」にも対応しています。
もともと2台のWi-Fiルーターが設置してあった場所とほぼ同じ、1階LDKと2階寝室に配置することにしました。もともと家庭内には有線LANの配線を張り巡らしてありますから、有線バックホールも使うつもりでした。
メッシュWi-Fiの場合、複数の機器を設定しなくてはならないのですが、このあたりが簡単にできるように、しっかりフォローされています。おかげで、ほとんど引っかかることなく設定は完了してしまったのですが、それでも気をつけなくてはならないポイントがいくつかありました。次回はZenWifi AX miniの「設定編」をお送りしたいと考えています。
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