完全ワイヤレスイヤホン・WF-1000XM4のノイズキャンセリング機能には、いろいろなオプション設定がある…という話をしたわけですが、これを積極的に切り替えて使うための仕掛けとして用意されているのが、「アダプティブサウンドコントロール」という機能です。
これは、WF-1000XM4を使用している状況によって、様々な設定を一括で自動的に切り替える機能。ただし、WF-1000XM4自身にモーションセンサーや衛星測位が載っているわけではなく、ペアリングしているスマートフォンのアプリ「Sony | Headphones Connect」の側で、スマホ搭載のセンサー類を使って制御しています。スマホが自ら様子を見つつ、イヤホンの設定を切り替えてくれるわけです。
スマホとペアリングして使う場面がいちばん多いであろうことを考えると、実に合理的な方法なのですが、他の機器とペアリングしているときには使えなくなってしまうのは残念なところです。せめてPCでも使えるようなアプリがあるとウレシイのですが…Windows 11のAndroidアプリ実行機能でなんとかならないかしら。レッツノートの不具合対策モジュールの提供が遅れていて、未だに試せないワタシ(涙)。
アダプティブサウンドコントロールが把握する状況の一つは、WF-1000XM4を装着している(⇔スマホを持っている、ということですが)ユーザーの動き。私は職場まで電車で通勤していますが、この間「止まっています」「歩いています」「乗り物に乗っています」と状況の変化が認識され、ノイズキャンセリングと外音取り込みが切り替わっているのが、画面からも、もちろん聞こえてくる音からも感じ取れます。
他に「走っています」という分類も用意されていて、自分が動いていない状態の時にはノイズキャンセリング、歩いたり走ったりしているときには外音取り込み…という形がデフォルトになっています。それぞれの設定を編集することも可能です。
アダプティブサウンドコントロールでは、スマホの衛星測位の位置情報を使った「場所に応じた自動切り替え」もできるようになっています。場所は、地図から検索して登録することができるほか、アプリ側がWF-1000XM4を使っていたときの位置情報を解析し、よく行く場所を認識する機能もあります。
ただ、よく行く場所の認識は、通常の行動パターンを覚えさせる間だけは便利かも知れませんが、その後は必要ないと思います。ペアリングする度に自宅周辺を「よく行く場所では?」と提案してきますしね。コイツは少々鬱陶しい(苦笑)。
場所を登録するときに、そのカテゴリーを選択してアイコン表示することができます。また、ノイズキャンセリングの他にイコライザーと「スピーク・トゥ・チャット」の設定を切り替えるかどうかを個別に設定できます。
「スピーク・トゥ・チャット」は、自分が発声することで、一定時間だけ強制的に外音取り込みモードに切り替えて、他の人との会話ができるようにする機能です。アプリやタッチセンサーを使わずに切り替えられるわけですから、使いようによっては非常に便利な機能になり得るはずなのですが、ある程度の長さで、明瞭に発声しないと切り替わらないようで、効果的な使用場面がイマイチ見いだせません。WF-1000XM4には骨伝導センサーも載っていると言うことなので、小声でぼそっと話すだけで解除してくれるくらい感度を上げてくれても良いのですが。
今のところ、動作での切替は有効にして使った上で、場所での切替は主要なよく使う駅のみを登録しています。駅が近づくと、「乗り物に乗っています」状態のノイズキャンセリングから外音取り込みに切り替わり、駅に近づいたアナウンスが聞こえるようになる…という目論見です。
切替がイメージどおりに行かないこともそれなりにありますが、そのときは都度手動で切り替えています。まあ、これはどうしてもあることなので仕方ありません。
ちなみに、場所を登録するときには、対象とする範囲の広さを3段階から選べます。駅に近づいたときにアナウンスを聞きたい…ということで、広めに設定しようとしたのですが、地元の遠州鉄道のように駅間が2分程度しかない路線だと、真ん中のレベルで設定しておいても、前の駅からアナウンスが入ってきます。実際にどのあたりで反応しているのか様子を見ながら、個別に調整しましょう。
アダプティブサウンドコントロールで設定が切り替わるときには、通知音を出すかどうかを選択できるので、調整するときだけは通知音をONにして使うと便利です。設定がある程度固まれば、通知音は切っておいた方が快適です。現在の状況は、外音が聞こえるかどうかに注意していれば容易に把握できますしね。
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