完全ワイヤレスイヤホンのWF-1000XM4を使い始めてから、1年少々が経っています。イイ音を、周囲の環境音をコントロールしつつ、しっかり耳に届けてくれる性能については申し分なし。Web会議の場面でも、集中力を保てる環境作りをしながら、こちらの声を確実に拾って伝えてくれているようです。
このWF-1000XM4、2021年の発売からここまでに5回ファームウェアアップデートが公開されています。私が手に入れた2022年1月から数えても3回。そもそも、最初のアップデートは発売前の2021年6月でした。多機能化が進み、もはやイヤホンというよりは超小型スマートスピーカーの様相を呈している製品ですから、ファームウェアのアップデートは製品の動作を安定させたり、より快適に使えるようにしたりするための重要な要素です。新機能の追加なども期待できますね。
機能追加については、今のところ予告されているのがマルチポイント機能への対応。これは、複数の機器(といっても2機限定のようですが)と同時に接続して通信が可能になるもので、スマートフォンとPCにつなぎ、Web会議しながら電話も待ち受けする…なんてことができてしまいます。音楽を再生したいときにも、わざわざつなぎ替える手間がかかりません。相当利便性が高まるはずです。
既に他の製品で同様の機能追加のアップデートの配信が始まっていますが、SONYではWF-1000XM4については「今冬中に」このアップデートを行うと告知しています。SSK Worldとしても、マルチポイント対応をネタにしようと待ち構えているわけですが、今のところそんな案内は届いていません。暦の上ではもう春なのですが…何か問題が発生しているのかしら。
今のところ、WF-1000XM4向けの最新のアップデートは、昨年12月に公開されているバージョン1.6.1。このときのアップデート内容は、「バッテリーへの負荷を軽減し、長期間ご使用によるバッテリー容量の減少を抑制します」となっています。
実は、WF-1000XM4では、「左右のバッテリーの消耗が極端に違う」という不具合の報告があり、ユーザーたちの間で話題になっていました。完全ワイヤレスイヤホンという構造上、どちらか片側が接続時に主導権を握る形で動作するため、左右のバッテリーの減り方は本来少しズレてくるのが正常…ということらしいのですが、報告されている減り方はとても「多少違う」とは言えないレベルでした。SONYでも問題は認識されているようで、Q&Aにも対処方法が紹介されています。場合によっては修理(交換)対応ということもあるようです。
私の場合は、これまではそれほど左右で差があるとは感じていなかったのですが、実はバージョン1.6.1のファームウェアを適用してから、ちょっと気になる挙動が見られ始めました。決まって、右側の方がバッテリーが早く減っていくのです。
Headphones Connectアプリで様子を見ていると、どうも右側(R)の方が左側(L)の2倍くらい速くバッテリーの残量が減っているようです。「少しズレている」とはとても呼べないレベルだと思います。
先にもちょっと触れたSONYのQ&Aページでは、以下の設定でスマートフォンなどで音楽を再生し、3時間以上再生できれば問題なし…としているようです。
- ボリューム:中央値
- コーデック:AAC
- DSEE Extreme:OFF
- ノイズキャンセリング:ON
- その他の機能:OFF
試してみたところ、1時間経過したところで右側のバッテリー残量は79%。この調子で減っていくのなら、3時間は十分再生できることになります。少なくともSONYの基準では十分正常の範囲…ということですね。とはいえ、やっぱり変なことは変。しかも、ファームウェアアップデートを実施してからおかしくなったような気がしてなりません。
修正内容の説明からすると、バージョン1.6.1では良かれと思ってバッテリー周りを何かしらイジったはずなのですが、少なくとも私のところでは裏目に出ているように見えます。マルチポイント対応よりもむしろ、こちらの問題の方を何とかしてほしいなぁ…と思うところです。こんなことがあると、アップデートが公開されても適用して良いモノかどうか、不安になります。
もしかして、マルチポイント対応のアップデートが遅れているように見えるのは、こちらの不具合を直していただいているから?…それならそれで、ワタシたちユーザーにも教えていただければ納得するのですが。ともかく、今は待つしかありません。
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