2月28日に、ソニーの完全ワイヤレスイヤホン・WF-1000XM4向けにアップデートが公開されました。以前から予告されていた、「マルチポイント」対応のためのアップデートになります。「今冬に」と時期が予告されていたものですが、3月になる前に何とか間に合わせた…というところでしょうか。
Headphones Connectアプリを起動すると、WF-1000XM4本体のソフトウェアアップデートを促されます。指示に従ってダウンロード・インストールを行うと、バージョンが 2.0.0 に更新されます。ダウンロードされたソフトウェアのWF-1000XM4本体への転送にいちばん時間がかかる…というのは、これまでのアップデートと同じです。
アップデートが完了すると、Headphones Connectアプリの「システム」タブ内に「2台の機器と同時に接続」という設定が表示されます。このトグルスイッチをONにすれば設定は完了です。
「ステータス」タブに戻ってみると、現在接続中の機器を表示するスペースが追加されています。1台目としてこのアプリを起動しているAQUOS sense7が表示されていますが、2台目は未接続です。ここで2台目の端末から接続操作をすると、2つのデバイスが並んで表示され、同時に接続された「マルチポイント」の状態になります。
2台のデバイスに同時に接続されている…と言っても、両方から送られてくる音を同時に鳴らせるわけではありません。実際に鳴らせるのはどちらか片方ということになります。接続する機器によって対応するコーデックが異なることもありますし、限られた演算リソースの中でこういう動作になるのは当然と言えば当然の話です。
Headphones Connectアプリでは、「接続中の機器」リスト上にスピーカーの画のアイコンを表示して、現在のソースを示しています。「接続機器の管理」画面の各機器名をタップすると、手動で切り替えられます。
両方の機器で音声出力が止まっているときには、どちらかの機器で音声出力が始まったところで、そちらの機器が自動的にアクティブになります。どちらかの機器で音声が出力されているときは、もう片方の機器で再生を始めても自動的には切り替わりません。このあたりは、直感としてわかりやすい挙動になっていると思います。
ヘッドセットとしての動作は、両方の機器から待ち受け状態を維持した上で、着信した側の音声を再生する…という仕掛けになっているそうです。デュアルSIMのスマートフォンと似ていますね。もっとも、最近はそもそも音声着信の機会自体が激減しているので、使いごこちがどうなるのか今ひとつ想像できないのですが。
WF-1000XM4は、後から接続してきたデバイスを優先して接続を維持するので、「スマートフォン以外のデバイス2つと同時に接続したマルチポイント」という状態にすることも出来ます。しかし、この状態だと、現在の状況がどうなっているのかを確認するのは相当面倒になります。
音声では「ブルートゥース、2台目のデバイスを接続しました」などと案内してくれるので、現在の状態は何となく想像することが出来るのですが、接続したままソースを切り替える術はありません。せっかく両耳にタッチセンサーを装備しているのですから、新しくこの辺りの機能を割り当てても良かったと思うのですが、そうはしなかったようです。
基本的には、スマートフォンからHeadphones Connectアプリを使って操作することを前提とした、「スマートフォンともうひとつ何か」を同時に接続するためのマルチポイント…という設計になっているようです。もっとも、実際の利用イメージとしてもほとんどがスマートフォンを軸にしたものになるでしょうから、それでいいや!と割り切ったのかも知れません。その使い方の範囲では、非常に便利な機能だと思います。
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