プレミアムな速さ

工事はあっさり

ついにやって来た3月2日。今回も、回線切り替えの宅内工事のために、有給休暇を取って待ちました。朝8時半頃に、「これから工事に行かせてもらってもいいですかねぇ?」と電話がありました。最初の予定は午後のはずだったんだけどなぁ?と思ったんですが、聞いてみると、午前中に工事予定だった方から「都合が悪いので午後にしてくれ」と言われてしまったのだとか。「時間を空けるのはもったいないしねぇ…」ということだったので、先にうちの工事をしてもらうことにしました。

宅内工事、作業中

9時過ぎにやって来たのは、先ほどの電話のイメージ通りのとってもフレンドリーなおっちゃんでした。「忙しくって全然休みが取れないんですよねぇ」などと雑談をしながら、それでもてきぱきと作業は進められました。宅内に置いてあったONUを一度分解して光ファイバーを取り出し、新しいONUに付け替えます。ときどき、外にいる作業員の方と携帯電話で連絡を取りながらの作業でした。どうやら、あのクロージャのところで作業が行われていたようです。

左からONU、CTU、VoIPアダプタ

工事は1時間弱で終了。無事フレッツ・光プレミアムの回線が開通しました。この日おっちゃんが持ってきたONU(写真左)、ルーターと同じように複数の端末を繋げることができるCTU(写真中央)、そして、事前に宅配便で届いていた、ひかり電話を利用するために電話機をつなぐVoIPアダプタ(写真右)と、3つの箱が並びました。最初にBフレッツにしたときの写真と見比べると、各機器がずいぶんコンパクトになったのがよくわかります。

午前に数件、午後に数件…と、工事の日程はきっちり詰まっているので、この日のように急に予定をキャンセルされるのはとても困るそうです。おっちゃんは「時間変更してくれてありがとうございま~す」と深々と頭を下げて帰って行きました。

100Mbpsを使い切る

通信回線が新しくなったということで、やっぱり気になるのは通信速度です…まあ、Bフレッツでも実用上は全然問題を感じないレベルだったんですけどね。電話局までの回線が太くなった効果は出ているのでしょうか。Bフレッツのときと同様、フレッツ・光プレミアムでもNTTのネットワーク内での速度を測れる「速度測定サイト」が使えます。まずはこれを試してみました。この回線の生の能力に近い結果になるはずです。

速度測定サイト;拡大画像サイズ14.1KB

すると、出てきた数値にびっくり。いきなり、100Mbpsの仕様からすると上限に近い91.18Mbpsという結果が出てきたんです。「そんなバカな」と思いながら何度も繰り返しましたが、結果が90Mbpsを下回ることは一度もありませんでした。NTT西日本が「プレミアム」と名付けただけのことはある、はっきりとした違いが出ています。電話局までのボトルネックが解消されただけでなく、ルーティングを行うCTUの性能にも妥協はないようです。

続いて、Bフレッツの評価にも使った、osoさんのSPEED TESTを試してみました。このテストでは、データがインターネットを通るので、「速度測定サイト」ほどの差は出ないと踏んでいました。それでも常時20Mbps以上が確保できている状態で、伸びても20MbpsがやっとだったBフレッツよりは確実にレベルが上がっています。インターネットの経路がボトルネックになって、ほとんど数値は変わらないのでは?と思っていましたが、一概には言い切れないようです。

数値では違いが明らかになったものの、この速さになると正直なところ体感できるレベルではありません。どちらの場合でもWebサイトの表示はほぼ一瞬。…というよりも、Webブラウザの描画速度の遅さの方が気になってしまうくらいです。100MBを超えるような巨大なデータをダウンロードするときには違いが出てくるんですが、その機会もそれほど多くありません。インターネットの通信速度としては、とりあえず十二分な水準だと言えそうです。

電話もごく普通…だけど

肝心のひかり電話の方も、とりあえず普通に使えているようです。IP電話でも市内通話は市外局番を回さずに通じますし、話し相手の声がとぎれるようなこともなく、実に明瞭に聞こえます。話すツールとしての性能には全然問題がありません。しかも、キャッチホンやナンバーディスプレイなどの代表的な付加サービスも提供されていて、こうした面でも普通の電話と変わりません。受話器を取ってから「ツー」音が鳴るまでにちょっと時間がかかるのが気になる程度です。

それでも、どうしても気になってしまうのは、ネットワークの障害で通話できなくなってしまう可能性。実際に、ひかり電話でも4月にかなり多くの回線で通話不能になる(私の家では大丈夫だったようですが)トラブルが発生しましたからね。物理的に交換機と家庭のモジュラー端子が一対の導線でつながっている従来の電話と比べると、どうしてもこうした不安は拭えません。単に気分の問題のような気もしますけどね。

ようやく、SSK Worldにもフレッツ・光プレミアム+ひかり電話環境がやってきました。「プレミアム」の名にふさわしい超高速の通信環境ですが、実際のところ速度を体感するのは非常に難しいところです。

ただ、総合的な回線の品質を考えるなら、最高速度だけではなく、いかに安定した通信が続けられるかも重要です。実は、ひかり電話が「普通の電話」として機能するためにはこちらの方が大事。モノラルの、話し声のような音声データそのものは、せいぜい数十kbpsの速度があれば十分送受信できるんですが、電話のリアルタイム性を担保するためには「取りこぼした分は後でまとめて」という帳尻合わせは許されません。データを細切れにしていろんな他の通信と相乗りさせるインターネット上では、実はこれが一番難しいポイントかも知れませんね。


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