最近、ちょっと重いWeekly SSKが続いたので、今日はちょっと毛色を変えた話をしてみましょう。先週は、3本のCDやDVDのソフトを購入しました。まず、最初は平井堅のベストアルバム「Ken Hirai 10th Anniversary Complete Single Collection ’95-’05 歌バカ (初回生産限定盤)(DVD付)」。よく聴いている歌手のベストアルバムですから、購入は既に既定路線でしたが、予約をすることもなく、気が付いたらいつの間にか発売日の23日を過ぎていて、あわてて買いに行きました。
「ベストアルバム」とは言いますが、中身は全てのシングル作品を発売順に並べただけ…というシンプルな構成。2枚組、全23曲が並びます。最初にブレイクした「楽園」は1枚目も後半に入った8曲目。それまで5年間はパッとしなかったわけですが、歌声は変わっていないと思いますし、テクニックもちゃんと持ち合わせていたと思います。ただ、聴いてみて思ったのは、あれ以前の曲は彼のルックスや声質のイメージからするとちょっと爽やかすぎたんじゃないかな?ということ。ちょっと影のあるアダルトな雰囲気を前面に出して成功したような気がします。最新作の「POP STAR」まで来ると、一回りして元に戻ってきたような気もしますけど。
あわてて買いに行ったのは、初回限定版をどうしても手に入れたかったから。初回限定版は、4,200円と通常版よりも525円高いわけですが、この差額分を補ってあまりある超豪華特典が付いてきます。それは、アルバム収録の全23曲のミュージッククリップを収録したDVDビデオ。パッケージも3つ折りのデジパックで、音楽CDというよりもDVDソフトらしい風格があります。2時間以上、23曲のビデオクリップ集DVDを単独で購入しようとしても、普通なら4,200円では買えないかも知れません。これを525円相当で「おまけ」に付けてしまうのはとんでもない太っ腹です。
別に彼のことをビジュアルで評価しているわけではありませんから、DVDはどっちでもいいよ…という気もしたわけですが、通して見てみると結構楽しめましたね。音源を聴くよりもずっと明確にイメージ戦略の転換が見えてきます。どことなく居心地の悪そうに歌っていた彼が、居場所を見つけたかのように落ち着いて伸びやかに歌うようになっていくのが見られるのも楽しいですね。初回限定のおまけにしておくのはもったいないDVDです。
これと一緒に購入したのが、「スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐」のDVD。この夏公開されたばかりの最新作ですが、半年も経たないうちにDVDでの登場となりました。この作品は既にスクリーンで見ているわけですが、エピソード1・2・4・5・6とDVDで持っている身としては、コレクションとして考えるとシリーズ完結作のこれはDVDで揃えておかなくては…と思い購入しました。発売直後で、やや割引率が高かったですしね。
今触れたとおり、本編は見たことのない映像ではありませんから、まだDVDでは見ていません。ただ、日本語吹き替え版で見直して、雰囲気の違いを感じてみたいな…とは思っています。それよりも面白いのが特典ディスク。この作品でも6時間以上の映像特典が納められていて、ボリュームだけでも既におまけの域を大きく超えています。
特典ディスクといえば付きものなのがメイキング・ムービー。ただし、「エピソード3」DVDのメイキング・ムービーは従来のものとはかなり趣が異なります。企画の立ち上げからスタッフ、出演俳優集め、特殊効果の概要…などと並べても、既に6作目となる「スター・ウォーズ」シリーズではある意味分かり切った話。そんな私の思いを知ってか知らずか、今回はクライマックスのアナキン対オビ=ワンのライトセーバー戦から50秒くらいのシーンに絞って、1時間を大きく超える突っ込んだメイキングを見せてくれます。いかにもマニア受けしそうな企画です。もちろん、私は思いっきり楽しみましたよ(笑)。
本来、おまけは「お負け」から来ている言葉で、値引きをすることだけでなく、値引きの代わりに別の品物を添えることを指します。CDやDVDに限らず、いろいろなもので商品本来の中身に追加して付属する「おまけ」というのを見かけます。これはむしろ「特典」と呼ばれることが多いわけですが。
先の2作品は、いずれも本来の商品を超えるような気合いの入った特典が付いているわけですが、もう一つ共通点があります。それは、いずれも本編の内容が既に多くの人の目や耳に届いているものであること。「それの中身はもう知ってるから要らないよ」という人たちの心を掴むためには、豪華なおまけが必要だった…と言えるのかも知れません。それに見事に踊らされてしまう、私のような人種が世の中には結構多いのも確かなんですが。
先の2作品ほど極端なものではなくても、気合いの入ったおまけは侮れません。いつの間にかおまけが本来の目的を食ってしまうことだってあります。そもそも、かつて子供たちはおまけ欲しさにグリコのキャラメルを買い求めたんですからね。個人的にも、最近「自分っておまけなの?」という思いをした経験があるんですが、そのことで凹んでいるのは良くないな…と思います。今に見ていろ、自分だってグリコのおまけくらいには出世してやるから。
ところで、先週購入したもう一本は大塚愛のライブDVD「大塚愛 JAM PUNCH Tour 2005 ~コンドルのパンツがくいコンドル~ 【豪華版】」。先の2作を購入した店で、中古品が2,780円という安さで売られていた(定価も3,500円で、もともと結構お買い得なんですが)のを見つけて、つい買ってしまいました。言ってみれば、この作品自体おまけとして買ったようなものですが、実は一番楽しめたのはこの作品かも知れません。人を食ったようなツアータイトルからもわかるように、実に楽しいライブでした。ヒット曲「さくらんぼ」を歌ってもらおうと、観客から「もう一回!もう一回!」とアンコールのかけ声が上がったのには笑っちゃいましたね。
彼女も、その「さくらんぼ」あたりのイメージで、最初に出てきた頃はコミック系の色物か?と思っていたんですが、底抜けに明るいポップな曲からしみじみと歌い上げるバラードまで、実に幅広い作品を全て彼女自身で作っているんですよね。パフォーマンスにも存在感がありますし、最近は結構お気に入りのアーティストのひとりになっています。とらえどころのない不思議な魅力のある子ですね。ちなみに、このおまけの「おまけ」はオフショット集。ライブDVDの作りとしてはごく普通なんですが、彼女の自然体の魅力が溢れた良いコンテンツでした。
先週購入した3本のCDやDVDから感じたことを書いています。最近は「超豪華特典」を売りにしたソフト商品を結構見かけます。本編で触れたとおり、コンテンツの魅力を補強するためということになるのだと思いますが、特製の記念品を添付したりもするのは、勢いを付けているネットワーク配信に対するパッケージソフトの抵抗とも言えるかも知れません。
ここに「更新情報」として記事を載せるときには、本編の概要を書くだけではなく、ちょっと違った切り口から触れることもしてみようと常々考えています。このSSK World Blog自体、Weekly SSKなどのコンテンツ本編に対する「おまけ」という見方も出来るかも知れませんね。本編を食ってしまおう…という野望は、今のところありませんが。
コメントを残す