徳永英明のカバーアルバム「VOCALIST (初回限定盤DVD付)」を聴いています。前から購入予定はあったのですが、入手するのがちょっと遅れてしまいました。発売後2週間以上経っていましたが、ビデオクリップDVD付きの初回限定版が売られていたので、3,800円で買ってきました。まあ、彼のビデオクリップにはあまり商品価値は感じないんですが。
徳永英明といえば、独特のちょっとハスキーな高音に味のある歌手ですよね。代表作といえば1987年の「輝きながら…」や1990年の「壊れかけのRadio」あたりでしょうか…ということで、最近では「往年の歌手」というイメージになってしまいましたが、その歌声の放つオーラは相変わらずです。先に挙げた2曲あたりは、カラオケに行ったときによく歌っています。結構よく聴いていましたからね。
女性ヴォーカルのバラード曲から選ばれた13曲が収録されています。「時代」「異邦人」「卒業写真」など、基本的には往年の名曲が多いんですが、私の好きな「ハナミズキ」など比較的新しい曲も選曲されています。基本的にはかなりシンプルなバンド構成をバックに、彼の歌声の魅力を前面に出す作りになっています。選曲で意表を突くものはありませんが、王道を行くアレンジや構成で、安心して楽しめる作品に仕上がっています。
カバーアルバムといえば、槇原敬之の「Listen To The Music 2」を聴いたばかりです。ついつい聴き比べてしまうわけですが、すぐに比べることに意味がないのに気が付きました。それぞれに全然違う味があって、交互に聴きながら楽しんでいるところです。
徳永英明もほとんどの曲を自ら作る人なんですが、私が彼の歌を聴くときには、槇原敬之を聴くときのように曲作りやアレンジに注目することはありません。私にとっての徳永英明は純粋に歌手なんですね。少なくとも、槇原敬之を語るときのようなシンガーソングライターという視点はほとんど意識したことがありません。
最大の差は、槇原敬之が全ての曲で編曲も自ら手がけているのに対して、徳永英明は複数人の編曲者に依頼しているところにあるような気がします。作詞・作曲が同じ人物の手によるものでも、編曲次第で曲はどんな風にでも変貌してしまいます。編曲の重要性は、私自身でも常々感じているわけですが、別に自分で編曲するから偉い…というわけではなく、別の人が編曲することで曲のバリエーションが広げられるわけですから、それが強みになり得ます。
ともかく、「歌手として評価する」ということは、歌声そのものや表現方法を見ていることになります。彼の歌は、声が繊細にコントロールされているようで時にはシャウトも入ったりするパワーを持っているところが好きですね。そのあたりを一言で語れるのが、最初の方でコメントした「味がある」ではないでしょうか。プロの世界で生き残るためには他人とは違う個性が重要だと思います。場合によっては、これが上手か下手かとは全然別次元だったりするから面白いですよね。
私の自作曲を公開している「Music World」には、私自身が歌っているのを録音している作品がいくつかあります。自分で作った曲に乗せた自分の詞を歌にしてみたい…という思いから歌い始めたわけですが、はっきり言って上手だとはとても言えません。「お前の曲は、歌さえなければいいんだけどなぁ」と、褒めてるのかけなしてるのかわからないようなコメントをくれた人もいます。
録音したときには、特別なトレーニングをしたわけでもなく、カラオケの延長線のような感じで歌っただけですから、少なくとも発声については全然水準に達していないと思います。それでも、自分で作った曲を歌うということは、そこに乗せたい気持ちはわかっているわけですから、表現の面では有利なはずです。まあ、音程通り歌うのに精一杯で、表現どころではない…という話もあるわけですが。結局のところ必要なのは基礎ということかも。
そう考えると、最後に録音してから今までの私には、一つ有利な変化があります。それは、合唱団に参加し始めたこと。合唱団の演奏会では、自分たちの歌声はマイクで拾ってもらえるわけではなく、直に観客席に届きます。年末にベートーヴェンの第九を歌うアクトシティ浜松大ホールだと、ステージから3階席までは約50m離れているのだそうです。カラオケの延長線程度では、そんなに遠くまで自分の声を運ぶことは出来ません。当然のことながら、発声方法については指導をしていただいています。
歌い始めてからもう3年ちょっと。問題だった基礎の部分が少しは進歩したはずです。最近は仕事が忙しかったりしてなかなか時間が作れませんが、余裕が出来たらレコーディングをやり直してみたいな…と思っています。ヴォーカリスト(歌手)になれたとは全く思っていませんが、少なくとも「歌さえなければ…」とまでは言われないようになっていると信じたいところです。
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